BACK-ZETS|「モンスト」プレイヤーへの思いから爆誕したヴィジュアル系バンド

「違和感」を生みたい

──では、ここからはアルバム収録曲について、それぞれ聞かせてください。1曲目の「QUEST」は唯一のインストナンバーですね。

No Good Job もともとはボーカルの入った6曲でアルバムを作ろうと思ったんですが、「今から『爆絶クエスト』に挑むぞ」という気持ちを高めてもらう幕開けの曲が必要だなと思って作りました。ライブの際にもカッコいい登場曲がほしいなと思っていたので、ライブでもこの曲で盛り上がってほしいです。

──続くリード曲の「KILL EDEN」は、バンドの見た目の印象通りのゴシックメタルですね。

刺身 BACK-ZETSとして最初に作った曲です。「エデン」という強敵と「サタン」という、そのクエストで活躍するモンスターをイメージしています。ヴィジュアル系っぽさも全面に出しましたが、大サビではBaby Dryのパートを挟んでいて、いきなりテイストが変わります。

──このBaby Dryさんのスティールパンを使ったトロピカルなパートは、どういう狙いがあるんでしょうか?

Baby Dry(Dr)

Baby Dry なんだろう……(笑)。

刺身 Baby Dryの声には温かみや深みがあるので、それをしっかり生かしたかったっていうのはあります。頭からお尻までカッコよくっていうのもいいけど、我々はなんかそれじゃ飽きちゃうっていうか、「違和感」が欲しかった。「BACK-ZETSなんだから、ふざけてもいいんじゃないの?」って思って入れました。

SaNa 緊張と緩和ですね。

刺身 RXがカッコよく歌うだけでもいいけど、Baby Dryのカラーを全面に押し出してガラッと雰囲気を変えてしまったほうがエンタテインメントなのかなって。普通ではないことをあえてやりたいっていうのは考えていて、サビではミスマッチ感を作るために振付師に考えてもらったコミカルなダンスを踊っています。我々なりにエデンやサタンをイメージしたダンスになっているので、ぜひ振りを覚えてライブで一緒に盛り上がってほしいです。

──「KILL EDEN」と打って変わって、「キャノンベース」はポップでさわやかなナンバーです。

SaNa(G)

SaNa 最初にデモを聴いたときに「全然ヴィジュアル系っぽくないけど!」って議論しましたね。ほかの曲もそうだけど、「これだとストライカーを勇気付けられないんじゃないか」と思う部分は、すごく考えて直してもらっているんです。メンバーとしてはストライカーのみんなを勇気付けたいという気持ちがすごく強いので。そうやって意見をぶつけ合ってたどり着いた到達点がアルバムに収録されています。

Baby Dry 基本的なテーマは「爆絶クエスト」ではありますが、歌詞の中で大人と若者の対立やモラトリアム特有のキラキラも描かれているので、モンストをやっていない人も感情移入できるような歌詞に仕上がっています。僕のパートはAuto-Tuneを使って無機質な感じになっていますが、英語が苦手なので発音で苦労しました。

RX この曲はライブでノリやすく、みんなで歌って踊れるアッパーチューンとしての役割も担っています。

PaNa この曲、かわいい……。

──続く「Eschatology」はBaby Dryさんがボーカルを務めるミクスチャーロックテイストの楽曲です。

SaNa 聴きどころはやっぱラップだよね。

No Good Job Beastie Boysのように抜けてるようでキメてくる感じがBaby Dryの持ってる声とハマるんじゃないかってプロデューサーが着想を得たそうです。

Baby Dry ラップを聴いてはいたんですけど、自分がやるのは初めてでした。サビを録ってる途中で急に「叫んで!!」ってプロデューサーに言われて、そこで喉がグシャグシャになりましたね。特に「judgement!」って叫ぶところで。

プロデューサーはもっと「モンスト」を勉強してほしい

──「常世」は和テイストのバラードナンバーです。

Baby Dry 自分たちで言うのもなんですけど、いい曲ですよね。

刺身 メロディが残るんですよね。この曲が聴きたくて「モンスト」の黄泉のクエストをプレイしたくらいです。「ひとひら ひらひら」の部分がフックになってますよね。1990年代っぽさもあって面白いなと。

RX プロデューサーが持ってきたデモでは「ひとひら ひらひら」のメロディが違ったんです。歌ってみて、ちょっとメロディを変えたんですよね。結果いいアクセントになってよかった。

No Good Job RXの声が曲に合ってて好きですね。

PaNa 美しいね……。

SaNa 最初は「腐ッタ夜」という歌詞はなくて、入れてもらったんだよね。これだけは入れてもらいたいなって。直す前はストライカー的にはすごく薄い歌詞だったんで、プロデューサーは合宿とかしてもうちょっと「モンスト」勉強したほうがいいですね。

一同 (笑)。

Baby Dry こういうワードを入れてって言ったら、キレイに入れてくるんですけどね。

──「The Lie Yeah! Ho Lie!」も「Eschatology」と同じくミクスチャーロックテイストの曲ですよね。

No Good Job(G)

No Good Job イントロのギターのリフがラウドですごくカッコいいのでぜひ聴いてほしいですね。

Baby Dry 「KILL EDEN」の次に作った曲なんですが、プロデューサーから「ライブが始まっていきなりBaby Dryがラップしたら面白くない?」って言われてできた曲です。僕のラップを聴いたこともなかったのに。

RX ライブで披露したとき、最初お客さんは笑っていたんですが、曲が進むにつれて、ノリノリになってペンライトを振ってくれたのが印象に残ってます。歌詞はストレートに「モンスト」の単語を並べているだけなんだけど、言葉遊び的で不思議と印象に残るので、よく読んでみてほしいです。

──アルバムのラストを飾る「星堕つる地」はストリングスが印象的なバラードですが、この曲にはどういう思い入れがありますか?

SaNa “ヴィジュアル系あるある”じゃないですけど、1曲はやっぱり王道バラードが欲しいよねってところから制作がスタートしましたね。

刺身 もともと壮大な雰囲気を重視して曲を作ってもらっていたんですけど、いろいろ意見を出して、より我々らしい形を模索しましたね。イントロのストリングスもそうですが、けっこう大きく楽曲を書き直してもらっています。

RX バラードなので歌詞をしっかり伝えるように歌いました。あと、Baby Dryのコーラスもカッコいいのでぜひよく聴いてみてください。いろいろな歌い方ができて器用だなあと感心しました(笑)。

──メンバーそれぞれのお気に入り曲を教えてください。

刺身 「常世」が気に入っています。曲調が個人的に好きで、サビのメロディが耳から離れないですね。

RX 僕は「キャノンベース」が好きですね。アッパーで歌っていて気持ちいいのと、みんなで盛り上がれる曲に仕上がったのでライブで早くやりたい。

SaNa 「星堕つる地」をライブで演奏したときにみんながペンライトを振ってくれて感動した。あと熱いギターソロにも注目してほしい。

PaNa 「KILL EDEN」いい曲だと思う……。

No Good Job 「QUEST」が好きですね。バンド感もあって気持ちが上がるし、エレクトロ、エモの要素も感じられてアルバムの1曲目に相応しいなと思ってます。

Baby Dry 「常世」がいい曲だなあと思いますね。聴いているとRXがライブで歌い上げてある様子が目に浮かぶので、早く披露したいなと思いますね。

──これからも頻繁にライブ活動を行う予定はあるのでしょうか?

RX(Vo)

RX 今はまだあまり予定がないんだけど、できる限りいろいろな人に楽しんでもらいたいのでやっていきたいと思っています。11月3日にヴィレッジヴァンガード渋谷本店でインストアライブがあるし、その後もみんなに会えるようにいろいろ企画していくのでぜひTwitter等で情報をチェックしてくれたらうれしいです。

──最後に今後の目標があれば教えてください。

刺身 ストライカーのみんなを勇気付けるためにもっとできることがあると思うので、これからもストライカーの力になる楽曲を作っていきたいと思っています。そのうえでみんなと集まって騒げたらとても幸せなことだと思います。

RX 幕張メッセでワンマンライブができるくらいいろいろな人の心を動かせるようになりたい。みんなが驚くようなことをやっていこうと思うので楽しみにしていてほしいです。

「XFLAG FREAK2018 Presented by MONST NIGHT」の様子。
BACK-ZETS「KILL EDEN」
2018年10月31日発売 / XFLAG
BACK-ZETS「KILL EDEN」初回限定盤

初回限定盤 [CD]
2160円 / XFLAG-01

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BACK-ZETS「KILL EDEN」通常盤

通常盤 [CD]
2160円 / XFLAG-02

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収録曲
  1. QUEST
  2. KILL EDEN
  3. キャノンベース
  4. Eschatology
  5. 常世
  6. The Lie Yeah! Ho Lie!
  7. 星堕つる地
初回限定盤封入特典

モンストカードゲームのエデン(進化前)のカード

通常盤封入特典

全6種のメンバー個別ブロマイド

BACK-ZETS(バックゼッツ)
BACK-ZETS
2018年に活動を開始したヴィジュアル系バンド。スマホアプリ「モンスターストライク」の運営スタッフ「XFLAGの中の人」にどことなく似た刺身(B)、SaNa(G)、RX(Vo)、No Good Job(G)、Baby Dry(Dr)、PaNa(Key)の6人で構成される。6月にデビュー曲「KILL EDEN」を配信リリースし、同月に千葉・幕張メッセ国際展示場1~2ホールで行われたXFLAG主催のライブイベント「XFLAG FREAK2018 Presented by MONST NIGHT」で初ライブを行った。スマホアプリ「モンスターストライク」で期間限定BGMとして使用されている楽曲を集めた1stアルバム「KILL EDEN」を10月31日にリリースした。