ナタリー PowerPush - AYABIE

メジャーデビュー作に込めたバンドの姿勢&ファンへの思い

「MARBLE」はネタとして聴かせたら収録が決まった

──3曲目の「MARBLE」はロックというよりは、テクノポップ色の強い曲ですね。ドラムはシンセドラムを使ってるんですか?

インテツ 生ドラムの音と混ぜてるのかな。生ドラムのほうはスネアをテープでミュートしまくって、デッドな音にして叩いて。

KENZO 曲を作った夢人が、どこにその音を入れたいかが頭の中にあったので、指示してもらって。なんとなく70年代っぽい超デッドなサウンドにして、どこまで当時のYMOみたいなバンドのサウンドに近づけることができるか、ちょっとした挑戦で楽しかったですよ。

──そういうビンテージっぽいサウンドって、それこそ今はコンピュータを使って再現できてしまうのに、あえて自分で工夫して作り出すっていう姿勢は面白いですね。

KENZO それに、やっぱりデジタルで再現した音と実際の音とは違いますよね。「こうしたほうが、あの感じに近くない?」「聴いてみると、感覚的にこっちのほうがそれっぽいんじゃね?」って、いろんな人と話して挑戦していくのはすごく大切なんだってことにも、今回改めて気付かされましたし。

──メジャーデビューシングルっていう、バンドにとって名刺代わりの1枚に「MARBLE」が入ることで、今のAYABIEの立ち位置やスタイルがすごく明確に表れているなって思いました。

インテツ こういうテクノっぽい曲は、彩冷える時代にもカラーとして持ってはいたんです。でも、今回は先に「流星」と「Lilla」の2曲が決まった後で、夢人くんが自分のiPhoneをテーブルの上に置いて、「いい曲ありますよ」と言って「MARBLE」のデモを流し始めたんですよ。

タケヒト それまで「あと1曲、どうしようか?」ってみんなで悩んでたのに、夢がかけた「MARBLE」のデモを聴いたレーベルの社長が、「じゃあこれで行こう」って即決して(笑)。

──「MARBLE」が選ばれたのはメロディがしっかりしていたのも大きいでしょうけど、iPhoneのスピーカーで聴いたときに独特の70年代感がうまく出ていたからかもしれないですね。

夢人 実は、「MARBLE」は彩冷える時代からあった曲で、リリースタイミングの選曲の際にずっと落選してきたんです。だから、今回もネタとして「また『マーブル』きたよ(笑)」って笑ってほしくてやったのに、そのまま通っちゃったんですよ。

──そうだったんですか。じゃあずっとあたため続けてきたわけでもなく?

夢人 「今はまだこの曲をやるタイミングじゃないね」ってことが続いて、やっと今回そのタイミングだったのかも。この体制になったからこそ許されたのかもしれないですね。

作詞は面白いなってことにも改めて気付けた

──今作では、夢人さんがすべての曲の作詞を手掛けています。自分が作った歌詞を自分で歌うことには慣れましたか?

夢人 最初はすごく恥ずかしくて、くすぐったい感じがしたんですけど、先にK.Y, from彩冷えるで慣らしたのが良かったのかな。それと、実は彩冷えるより前に組んでいたバンドで作詞をしていたこともあったので、その頃の経験も大きいです。

──自分の書く歌詞の内容については、書き始めた頃と比べて変化はありますか?

夢人 インディーズからアルバムとシングルを出して、サントラ用にも曲を書いて、短い期間にいろいろ書いてきたのでけっこう変わってきてるんじゃないかって気がしてます。作詞は面白いなってことにも改めて気付けたし、今回の3曲を作ったことでもまた視野が広がったと思いますし。

──ほかの皆さんから見て、夢人さんの歌詞ってどうですか?

タケヒト これまでにない新しい切り口の歌詞を持ってきたりすると、まだ僕らに見せていない引き出しがあるんだなって思いますね。特に「Lilia」はすごく生活感のあるリアルな歌詞で、「流星」とは対照な内容だし。あと、別のインタビューで夢が「この曲の歌詞はこういう気持ちで書いた、こういう言葉遊びを取り入れた」って話すのを聞いてからは、新しい歌詞が届くたびに感心してしまうんです。

今の環境でどんなアルバムができるのか自分でも期待

──今後、2ndシングル、3rdシングル、メジャー1stアルバムと作品を重ねていくうちに、AYABIEがどのように変化していくのか気になります。

タケヒト この環境で音楽を作ることができてすごく楽しいので、早く次のシングルやアルバムを作りたい。今の環境でどんなアルバムができるのか、自分でも期待しちゃってます。

──まずはこのシングルが、どう受け入れられるのか楽しみですね。

インテツ 聴いたら満足してもらえる作品ができたと思っているので、いろんな人に聴いてもらいたいです。

──ファン以外の人にもどんどん広がっていってほしいですね。

インテツ AYABIEを知らない人に聴いてもらう機会をどうやって増やしていくかは、今後の課題です。メジャーデビューはその大きなきっかけになるので、このシングルを聴いた人に「AYABIEってなかなか良いね。ちょっと聴いてみようかな」って思ってほしいですね。

メジャーデビューシングル「流星」 / 2011年8月24日発売 / TOY'S FACTORY

  • 初回限定盤A[CD+DVD] / 1890円(税込) / TFCC-89340 / Amazon.co.jpへ
  • 初回限定盤B[CD+DVD] / 1890円(税込) / TFCC-89341 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD] / 1260円(税込) / TFCC-89342 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. 流星
  2. Lilia
  3. MARBLE(※通常盤のみ収録)
DVD収録曲
  1. 流星(※初回限定盤Aのみ収録)
  2. Lilia(※初回限定盤Bのみ収録)
AYABIE(あやびえ)

「彩冷える」の夢人(Vo, G)、タケヒト(G)、インテツ(B)、KENZO(Dr)によって2010年9月に結成されたロックバンド。同年10月に東京・Shibuya O-EASTで初ライブを行い、12月には初音源となるアルバム「Virgin Snow Color -2nd Season-」をインディーズから発表した。2011年に入るとシングル「Melody」、DVD「Virgin snow color -2nd season- 2011.01.06 Tour Final at AKASAKA BLITZ」、サウンドトラックアルバム「縁-enishi- SOUND COLLECTION」を立て続けにリリース。8月にシングル「流星」でトイズファクトリーよりメジャーデビューを果たす。