WACK所属のアイドルグループ・ASPに双子姉妹が加入!2ndアルバム「PLACEBO」を携え、新たなスタートを切る (2/3)

自分で聴いてもドキドキする「PLACEBO」

──新体制ASPの幕開けを飾る2ndアルバム「PLACEBO」はどんな作品になりましたか?

マチルダー ASPだなと曲を聴くたびに思えるアルバムです。

ナ前ナ以 1月5日リリースって年明け1発目の発売日ですよね。なんでこのタイミングなんだろう?

ユメカ 私は1年前の1月にASPとして最初の曲をもらったんだよね。ASPのプロジェクトが本格的に動き出してちょうど1年というタイミングだし、新体制1発目だし、節目を飾るにはふさわしいからじゃない?

──1stアルバム「ANAL SEX PENNiS」は荒削りなロックサウンドがいい味を出していましたが、2ndアルバムはさらにサウンドのジャンルに広がりが出ていますね。

ナ前ナ以 私も1stアルバムと比べて、音が違うなと思いました。歌詞を見てみると、1stアルバムから続くASPらしさもありつつ、音楽的な幅が広がるようなアルバムになっています。

ナ前ナ以

ナ前ナ以

──アルバム全体を通して、皆さんの声に自信があふれている印象です。1stアルバムのボーカル表現には危うさや拙さもありましたが、2ndアルバムでは1年弱の間に積んだライブでの経験が歌声に凝縮されているような。

ユメカ 本当にそう思いますね。ライブを重ねるごとに1人ひとり課題はありつつも、変わっていってる。今作ではその進化が一聴してわかりました。しかもパワーアップし続ける私たちにプラスして新しく素敵な声の2人が入ったことで、ASPの素晴らしい楽曲がさらに色付いて、自分で聴いていてもドキドキしました。

「愛という憎悪」

──アルバム1曲目の「HATRED of LOVE」は渡辺さん作詞、松隈ケンタさん(サウンドプロデューサー / SCRAMBLES)作曲によるロックチューンで、「愛という憎悪」というフレーズが印象的です。

ユメカ 「愛という憎悪」をいかにどろどろした雰囲気で歌えるかを大切にしました。まず「憎悪」の意味すら知らなかったので噛み砕いて理解して、おどろおどろしい感じで歌っています。

モグ イントロやAメロを聴いたときにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTさんの「スモーキン・ビリー」に似てると思ったんです。あとから歌詞をいただいて「愛という憎悪」と書いてあって、「まんまだけどいいんかい!」って(笑)。BiSさんがカバーしてましたけど、私たちはオマージュ。2ndアルバムの1曲目をこの曲にできるのはASPならではだし、「ASPやっちゃうよ!」という勢いを感じてほしいです。

──THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの音楽は、皆さんの世代だと通ってないですよね?

モグ ASPで活動するにあたって昔のパンクとかロックを勉強していて、「スモーキン・ビリー」も渡辺さんに教えてもらったんですよ。渡辺さんが好きな曲や動画に触れて、カッコいいと思う音楽や表現がたくさんあると感じましたし、私たちもいつかそういう表現ができるようになれたらいいなって。

──なるほど。ツインズはWACK以外の音楽だと何が好きなんですか?

マチルダー WACK以外はそんなに聴いたことがないです。

ウォンカー 私もWACKが中心でしたけど、ほかのアーティストだとやくしまるえつこさんを聴いてました。

ウォンカー・ツインズ

ウォンカー・ツインズ

モグ え、私も好きだよ。初耳だ!

──BiSが「スモーキン・ビリー」をカバーして、ASPはオマージュしているということから、BiSとASPの関係が気になりました。

モグ BiSさんはBiSさん、ASPはASPだと思っています。

ナ前ナ以 私もBiSさんがカバーした流れもあったし、何かあるのかなって思ったんですけど、特に大きな意味はないと思うんです(笑)。モグちゃんが言ってくれたようにBiSさんはBiSさんで最高ですから。尊敬しかないです。

──アルバムには昨年11月に脱退したナアユさん作詞による「You don't say」「I wanna live」が入っています。

ナ前ナ以 もともとアルバムに収録予定だったんですけど、脱退したのでナアユちゃんの声は入ってないんです。「You don't say」の歌詞については、ナアユちゃんから聞いてはいるんですけど……。

ユメカ ナアユちゃんがずっと考えてたことが詰まった、彼女の叫びのままって感じですね。魂を感じます。誰が歌詞を書いた曲でも魂がこもってると思うんですけど、ナアユちゃんの歌詞は特に魂を感じました。この歌があることで、ASPのナアユちゃんはずっと生き続けると思うんです。だからどういうパフォーマンスでどう表現してお客さんに届けるかはすごく考えています。

──ナアユさんの脱退は残念ですけど、彼女もすごくがんばっていましたよね。そういう姿勢が歌詞からもにじんでいるように感じました。

モグ この歌詞で私が助けられてます。

マチルダー 私とウォンカーはナアユさんからお手紙をもらって、声もかけてもらいました。がんばろうって気持ちになりました。

マチルダー・ツインズ

マチルダー・ツインズ

愛すべきものへの思いこもったラストナンバー「M」

──アルバムのレコーディングはいつ頃だったんですか?

ユメカ 時期は曲によってバラバラで。ツアーで披露した「WASTED TEARS」「M」「いつでもファッキュー❤」「マジ無いです。」「日々是虚無也」は夏にレコーディングしました。

ナ前ナ以 それが8月頃で、残りの曲は11月頃かな。

──松隈さんは過去に渡辺さんの歌詞について「暗い歌詞を書かせたら超一流だからね」と話していました。今回のアルバムの曲は、その暗い部分もありながら、どこか前を向いていて、何か大切なものに寄り添うような雰囲気の渡辺節が炸裂してますね。

ユメカ 最高ですよ!

──オマージュも随所にあって、9曲目「Just Do it」の歌詞だと「ヤッチマイナー」というフレーズが映画「キル・ビル」のセリフだったり、「How high?」がNirvanaの「Smells Like Teen Spirit」のフレーズ「How low?」をもじったものだったり。興味深く歌詞カードを眺めてました。

ユメカ そうなんですか? やだもう! 全然知らなかったです(笑)。「How high?」なんて「わー! 私の歌だ!」なんて思ってましたから(笑)。

──アルバムのラストを飾る「M」は渡辺さん作詞による、愛が感じられるメッセージが詰まった楽曲です。

ユメカ 初めに「M」ってタイトルは、松隈さんの「M」なのかなとかいろいろ考えてました。でも渡辺さんから音楽に出会ったときの感情を込めた曲だと聞いて、「あ! Musicの『M』だったんだ!」と納得しました。誰が聴いても、愛すべきもの、大切なものへの思いが込められた曲なので、少しでもその思いが伝わるように、ライブではお客さんの目をいつも以上にしっかり見て歌っています。誰でも大切なものに出会ったときの感情があるはずだから。音楽とか犬とか家族とか恋人とか。絶対にそういう気持ちが伝わると思って、歌っています。

ナ前ナ以 歌詞に合う振りを考えて提出したときに渡辺さんから「これじゃダメ」「音楽への愛を歌った曲だからそういう感じで作ってほしいな」と言われたんです。その音楽への愛を知って、また歌詞を読み返したら本当に素敵だなって。音楽に対しての愛を歌った曲で、美しいんです。

ウォンカー 「M」はすごく好きです。自分は言葉を濁してしまいがちで、まっすぐに正直なことを言うのは難しいと思っているんです。「M」は照れくさいけど、まっすぐに思いを伝えられるし、歌っているとスッキリする曲なんです。

マチルダー 新体制になってからのリリースイベントで披露したんですけど、歌っていてすごく楽しかったです。赤裸々な言葉で、普段言えないようなことをASPとして歌えるのはうれしいことだなって。