「ASOBIEXPO 2025」×TELASA特集|きゃりーぱみゅぱみゅが語る“ASOBISYSTEM”イズム (2/2)

今この時代に「原宿の元気玉」をもう一度

──今お話しいただいたきゃりーさんの復帰作が、「ASOBIEXPO 2025」開催のタイミングに合わせてリリースされます。新曲「KURU KURU HARAJUKU」、ひと足早く聴かせてもらいましたが……これ相当ヤバいですね。きゃりーさんが原宿のシャーマンと化したダンスチューンの様相で。「ママになって最初の」的なユルさがまったくない。プロデューサーの中田ヤスタカ(CAPSULE)さんとはどんなお話を?

まずは産後にベビーを連れて中田さんと1回お食事に行ったんですね。そのとき私は復帰に対してのワクワクと同時に、けっこうなプレッシャーを感じてしまっていて。「絶対にパワーアップして戻らねばならない」とか。あとはなんか……ママになるぞ、みたいなのもけっこう難しいんですよ。「もうお母さんの顔してる」って言われるのを喜んでいいのかどうか、っていう。「きゃりーぱみゅぱみゅ」と「母」って対極だと思うので。

──確かに。

だから中田さんの前でも「私はもう本当にこのタイミングで絶対パワーアップしなきゃいけなくて」みたいなことをずっと言ってたら、中田さんはニヤッとしながら「いや、でもきゃりーはね、一生変な写真とか撮っとけばいいんじゃない?」って(笑)。「ここは俺ががんばらなきゃいけないところだから。きゃりーが必死にレベルアップしなきゃいけないってことはないよ。本当にレベルアップしなきゃいけないのは俺のほうだから」と言ってくださって、その姿がすごく頼もしかった。それできゃりーチームのみんなも肩の力が抜けたというか、「通常運転でいいんだ」と冷静になれたんです。それであのアー写を撮ったんですけど。

きゃりーぱみゅぱみゅの最新アーティスト写真。

きゃりーぱみゅぱみゅの最新アーティスト写真。

──お子さんを抱いたアーティスト写真で「2人組になりました」というコメントは最高でした。では楽曲の方向性については基本的に中田さんにお任せで?

はい。レコーディングした段階ではそこまでダンスミュージックっぽい感じではなくて、なんとなく優しい、大人っぽい雰囲気で「今までにない感じだからどう歌おう? 息遣いはどうしようかな」とか考えてたんですけど、仕上がりはバッキバキで。「うわー、中田ヤスタカすげえ」ってファン目線で思っちゃいました。

──このタイミングで改めて原宿をテーマにしていることも興味深いなと思ったのですが、それも中田さんのインスピレーションによるところが大きい?

そうですね。歌詞についてはいつも、普段の会話にポロッと出てきたことが歌になるという感じなんですけど、今回はちょっと日本っぽいイメージで。抹茶が登場したのは、中田さん的な今の原宿のイメージなのかな。この間、社長と対談をさせていただいたときに「やっぱりここにきてもう一度原宿の元気玉になろうよ」と社長が言っていたんですね。デビュー当時から社長と中田さんは「きゃりーは原宿の元気玉なんだよ」みたいなことをすごく言ってくれて。当時の私は「元気玉とはwww」という感じだったんですけど(笑)、令和の時代になって、いろいろと情勢が変わる中で、私自身もやっぱりもう一度原宿を盛り上げたい。KAWAII LAB.のみんなもいて、少し前より原宿が盛り上がっているのは確かですけど、私も原宿に恩返しがしたいという思いがずっとあるので、このタイミングで「KURU KURU HARAJUKU」と歌えるのはすごく感慨深いです。「もしもし原宿」「原宿いやほい」そして「KURU KURU HARAJUKU」と、32歳になっても原宿を背負っていいんだ! イエイイエイ!みたいな気持ちです。

多種多様なアソビクルーが集結「ASOBIEXPO 2025」

──「ASOBIEXPO 2025」でこの「KURU KURU HARAJUKU」が初披露されることがすでに予告されています。デカい会場で爆音で鳴らしたときに本領が発揮されそうな曲だなというワクワク感がありますが、どのようなパフォーマンスになりそうですか?

今回、ランディさんという方に振付をお願いしたんですけど、特徴がヴォーギング(腕や指先で幾何学的なパターンを作り出すストリートダンス)で。私のこれまでの振付もけっこうへんてこりんなポーズが多かったですが、ヴォーギングはバッキバキでキメキメな感じなので、「きゃりーぱみゅぱみゅ、新しいフェーズに入ったな」って感じてもらえるようなパフォーマンスになるようがんばります。

──復帰のタイミングでもあり、アソビシステムの後輩たちが一堂に会するステージでのパフォーマンスとなります。その中で10年以上のキャリアを持つアーティストとして出演するということも意識している?

それはありますね。まずは産後復帰第1弾のライブということで純粋に楽しみだし、「体力が落ちてたらどうしよう?」とか「前みたいにライブパフォーマンスできなかったらどうしよう?」という不安もあったけど、3月くらいからパーソナルトレーナーさんについていただいていて。7月20日に合わせてトレーニングをやってきたんですけど、つい先日リハーサルをやってみたら、産前よりも息切れしなかったくらいで「余裕だな」と。

──出演アーティストのラインナップを見ると、FRUITS ZIPPERをはじめとするKAWAII LAB.のグループから、新しい学校のリーダーズ、VsingerのKizunaAIさん、ティーンから人気のTouaさん、5人組バンドのKlang Rulerなど本当に多種多様ですよね。きゃりーさんからは今のアソビシステムはどのように見えているのでしょう。

まさにいろんな人たちがいるなと思いますけど、トータルで見て1組ずつ掘り下げていくと、やはり皆さん強い個性がありますよね。Touaちゃんはこの間ラジオでお話しさせてもらいましたが、Z世代の等身大の気持ちを歌詞にしていたり、オリジナリティをすごく感じます。Klang Rulerはまずバンドというのが事務所としては珍しくて、ありのままの姿が曲に映し出されているのがすごくアソビシステムっぽい。Klangも最近TikTokで話題になってますよね。

KizunaAI

KizunaAI

Toua

Toua

Klang Ruler

Klang Ruler

──そうですね。本当に今のトレンドがアソビシステムに集約されているような。そんな中、きゃりーさんが原宿のシャーマンとしてどのような姿を見せてくれるのか楽しみです。

どうなるんでしょうね。私も楽しみです。

──ちなみに、この「ASOBIEXPO 2025」を復帰1発目として、きゃりーぱみゅぱみゅのプロジェクトはこのあとどうなっていくのでしょう。何か考えているんですか?

水面下で打ち合わせしてることはたくさんあって、いろんなことが一斉に動いてはいますね。今回初めてアー写に実の子が登場しましたけど、それはあとにも先にもこれ一発だけかなと思っていて。たった今のホットな出来事として子供に出てきてもらいましたけど、ここからはたぶん本格的にきゃりーぱみゅぱみゅの活動に戻っていくかな。

──2人組のきゃりーぱみゅぱみゅはこれきりで解散。

本人が出たいというんだったら、また3歳くらいになって浮上するかもしれない(笑)。

公演情報

ASOBISYSTEM 18th Anniversary ASOBIEXPO 2025

「ASOBISYSTEM 18th Anniversary ASOBIEXPO 2025」告知ビジュアル

2025年7月20日(日)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
OPEN 12:00 / START 14:00(予定)

<出演者>
きゃりーぱみゅぱみゅ / 新しい学校のリーダーズ / FRUITS ZIPPER / CANDY TUNE / SWEET STEADY / CUTIE STREET / KizunaAI / Toua / Klang Ruler / PiKi OPENING SHOW:近藤夏子 / かわにしなつき / 砂月凜々香 / bala

配信情報

「ASOBIEXPO 2025」TELASA独占ライブ配信

2025年7月20日(日)14:00配信開始

※TELASA見放題プランで視聴可能。
※イベントの状況により多少前後する可能性あり。

「ASOBIEXPO 2025」×TELASA特設サイトはこちら


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プロフィール

きゃりーぱみゅぱみゅ

1993年東京都生まれ。高校生のときから原宿系ファッションモデルとして活動し、2011年に中田ヤスタカプロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビューを果たす。以降もコンスタントに作品を発表し続け、そのかわいらしい容姿からは想像がつかないほど自由奔放でオリジナリティあふれる表現により国内外のリスナーを魅了している。2021年にデビュー10周年を迎え、同年1月に新レーベル・KRK LABを設立した。2024年秋に第1子を出産。2025年7月に産後第1弾となる配信シングル「KURU KURU HARAJUKU」をリリースし、所属するアソビシステムの18周年を記念したライブイベント「ASOBIEXPO 2025」に出演する。