amiinAの目標はフジロック出演

──サウンド面では、ケルティック音楽の要素を取り入れてますね。

齊藤　はい。ケルティックって日本語で入れ方を間違えるといまいちになるイメージがあって。でも、2人の持っているたたずまいには、イギリスや北欧に寄った雰囲気をなんとなく感じていて。なので問題なくハマりました。

──エレクトロニカやギターバンドのテイストもありつつ、アコースティックでもいける今回の作品は、2人ありきでできた音ってことですか。

齊藤　完全にそうです。曲は2人に当て書きしてますね。以前は1曲1曲実験していった感じなんですけど、今の2人になったことでよりコンセプチュアルなものを作れるようになりました。ファンやリスナーの皆さんから、amiinAの音楽のジャンルは何なのか聞かれることが多いんですが、僕的にはそこを前面に出すつもりは全然ないんです。最初はエレクトロニカや「Corneliusみたいな感じ」と言われていたのが、だんだんポストロックとか言われるようになりましたけど、僕はそのときの2人を見て感じるものから「次はこういう曲がいいな」と思って作っているだけなんです。

──なるほど。では、アルバムタイトルの「Avalon」という言葉に込めた思いを聞かせてもらえますか。

齊藤　“Avalon”には「空想の楽園」という意味を込めているんですけど、そういうものをamiinAで作れればいいなと思っているんです。amiinAはメンバーや僕ら、ファンも含めて「FUJI ROCK FESTIVAL」や大型フェスに出て、さらに次に行きたい場所、“楽園”を作るという目標があるので。

──ジャケットはamiinAの描く“Avalon”の姿ってことですね。

齊藤　そうなんです。ジャケットは、自分たちの理想とする場所を形にしました。そこには鳥と狼しか生き物がいないんです。そこへペーパークラフトの船が向かってくる。それがファンや聴き手を意味してます。なんかamiinAって、あんまり外と戦う感じじゃないんですよ。

──戦うよりも、迎え入れるって感じですか。

ami・miyu　そうです！

齊藤　いわゆるアイドル的に賞レースなどで「誰かと戦って勝つ」っていうタイプでもないですし。「自分たちの好きな場所を作ろう」というのが大きいと思います。

このアルバムに命を半分賭けました

──じゃあ、お二人がこれからの活動でやってみたいことは？

ami　私はドラムを叩いてみたいです。以前やっていた「ファーストクラス」っていうドラマが好きなんですけど、そこに出ていたシシド・カフカさんがドラマーだというのを知って、映像を観たんです。女の人がドラムを叩くのがカッコいいなと思って、そこから叩きたい気持ちが芽生えました。スタジオに行って、時間があるときはドラムの基礎を教えてもらってるんです。何年か修行して、いつかamiinAの楽曲が叩けたらなと思ってます。

miyu　私は、野外フェスに出てみたいです。まだライブハウスとか、普通の会場でしかやったことがないので、フェスのステージでやってみたいです。すっごく気持ちよさそうじゃないですか？

ami　そうだよね。あとはやっぱりフジロックに出たいです。amiinAは、お客さんと一緒に目指してる場所があるのがいいなと思います。

──では最後に、アルバムが完成しての今の気持ちを聞かせてください。

齊藤　amiinAは、miyuちゃんが入ってから流れが一気に変わったのは間違いないと思います。レーベルのSHIBUYA GIRLS POPさん、スペースシャワーさんなど、面白いと言って協力してくれる方が増えたことが、このアルバムにつながったところも確実にあります。本当にこのアルバムは、メンバーやフロアのファンの熱量があるからこそ出せたと思うし、そこには絶対的な自信もあるので、ぜひ聴いてほしいなと思います。

ami　アルバムは初めてだし、今回はレコーディングもたくさんしました。たくさん努力して、最後の最後までしっかり形にしようとがんばって、このアルバムに命を半分賭けました。それくらいこのアルバムは大事だから、たくさんの人に聴いてもらいたいです！

miyu　私たちの思いが込められているアルバムだと思うし、amiinAがどういうことをしているのか、アルバムを聴いて感じてほしいです。それからライブに来て、amiinAのファンになってほしいです！