雨宮天「The Only BLUE」 PR

雨宮天|攻撃的に振り切ったアルバムに広がる“Only”な世界観

雨宮天が7月11日に2ndアルバム「The Only BLUE」をリリースする。本作には「irodori」「Eternal」「誓い」などのシングル曲に新曲を加えた全12曲を収録。新曲にバラードナンバーは一切なくアグレッシブに突き進む、“攻め”のアルバムに仕上がった。今作がこのように攻撃的に振り切った作品になったのはなぜなのか? 彼女の思いや表現、そして音楽制作に向き合うスタンスに迫った。

取材・文 / 須藤輝

“攻撃”にステータス全振りしたようなアルバム

──雨宮さんはシングル「誓い」のインタビューでご自身のソロ活動では「強さを見せていきたい」とおっしゃっていましたが( 参照:雨宮天「誓い」インタビュー)、まさにその通りのアルバムになりましたね。

ホントですか? 攻撃力を感じていただけていたら幸いです。

──大いに感じました。この方向性は最初から決まっていたんですか?

決まったのは、むしろ終盤でしたね。全12曲の収録曲のうち10曲くらい出そろった段階で「じゃあ残り2曲をどうしようか」と会議で話し合ったんです。そのときまでに決まっていた曲たちが、既発のシングル曲も含めてどれも強い子ばかりだったので、だったら最後までその方向でいきましょうと私が提案しました。きっとこの中にさわやかな子や優しい子が入ってきても、浮いちゃうか埋もれちゃうかのどっちかなので。結果、“攻撃”にステータス全振りしたようなアルバムになりましたね。

──結果的にそうなったとはいえ、コンセプトや目標みたいなものがなかったわけではありませんよね?

はい。やっぱり1stアルバム以降に出してきたシングルがどれも自分にとってはチャレンジした作品だったので、そこで得た経験を生かせるアルバムにしたかったし、1stアルバムと比べても声色の使い分けだったり、表現の幅が広がったところを見せたいという気持ちもありました。そういう意味では、プレッシャーも大きかったですね。

──プレッシャー、ありましたか。

ありました。曲の選び方としては、自分の好きな曲を選ぶというのは変わらないんですけど、選ぶ曲もどんどん強くて個性的な曲になっているんです。そこまではまだよくて、問題は、それを果たして私が歌えるのか。要はレコーディング当日のプレッシャーがすごく大きくて。しかも2曲、3曲とレコーディングが進めば進むほど、すべての曲で納得できるテイクを重ねて1曲ごとの世界観を大事にしたいと思うから、プレッシャーも増していくと言うか。

──でも、最終的にそのプレッシャーは乗り越えられたわけですよね? つまり、ご自身の歌に納得がいっている。

はい。

──「The Only BLUE」というタイトルは、ご自身で付けられたんですか?

はい。“The Only”にはいくつかの意味を重ねていて、1つはスタッフさんの発言が元になっているんです。というのは、取材や会議の場でたびたびスタッフさんが「雨宮天だからできる、彼女だけの世界観が確立されつつある」みたいなことを言ってくださって、そこで私自身も自分だけのスタイルというものに対して自覚的になれたんですね。もう1つは、たぶん、こんな強いアルバムは今回しかできないと思ったんです。

──この2ndアルバムは、1stアルバム以後にリリースされた強いシングルの延長線上にあるから。

そうです。仮に3rdアルバムが出せたとしてもきっとこうはならないし、2ndだからこその、今だけのアルバムという意味で“The Only”。あと、今回は「エデンの旅人」という曲がリード曲になっているんですけど、その歌詞にある「確かな理想へと」というフレーズが私はすごく好きなんです。で、私にとっての理想ってなんだろうと考えたとき、先ほど話に出た“雨宮天だけの世界観”を確立することであり、皆さんにもそう思ってもらえることなんじゃないかって。だから、「エデンの旅人」の歌詞につなげているところもあります。

リード曲はこの曲以外考えられなかった

──ここからは収録曲について伺います。まず1曲目、今お話に出たリード曲の「エデンの旅人」はエスニックな香りのするパワー系のロックバラードですね。

「エデンの旅人」は、初めて聴いたときに前奏で「おおー!」ってなりました。私は何回も聴かないと曲が頭の中に入ってこないタイプなんですけど、この曲は1回聴いただけで「あ、これは絶対好きになる。と言うかもう好きかもしれない」みたいな。そもそも私は久保田早紀さんの「異邦人」や中森明菜さんの「ミ・アモーレ」のようなエキゾチックな曲が昔から好きなので、グッと心を掴まれました。

──そして雨宮さんのボーカルも、非常にお強い。「シングルで得た経験を生かしたい」とおっしゃいましたが、まさに「Eternal」や「Abyss」を消化した歌声ですね。

そういうふうに聞こえていたのだとしたら、本当にうれしいです。以前もお話しした通り、「Eternal」も「Abyss」も“叫び”をテーマにしていて、どうすれば叫ぶように歌えるのか散々悩んだので。「エデンの旅人」も、やっぱりささやくと言うよりは半ば叫ぶような歌い方が似合う雰囲気を持った曲でしたし、その2曲で培った表現をぶつけられればと思いました。

──ただ、このように重くシリアスな曲をリード曲にして、しかも1曲目に持ってくるというのはなかなかの冒険では?

雨宮天「The Only BLUE」初回限定盤 ジャケット

確かに、普通だったらもっとアップテンポでノリのいい曲にしますよね。実際、スタッフさんからもそういう意見はありました。でも、私が譲らなかったんです。最初に言ったように、このアルバムの曲たちはみんな強い子なんですけど、特に「エデンの旅人」にはどうしようもなく心惹かれる強さがあったんですよ。メロディにしても「確かな理想へと」という歌詞にしても。だから私としては初めからリード曲はこの曲以外考えられなかったし、レコーディングでも手応えを感じたので、そのあとの会議で「リード曲は『エデンの旅人』がいいです!」と強く主張して、プロデューサーさんに納得していただきました。

──実際、「エデンの旅人」が1曲目にあることでアルバムのカラーが決まった感じがあります。

結果的に、今回のアルバムの方向性を明確に示すことができたんじゃないかと。だから譲らなくてよかったと言うか……正直、何を言われても譲る気はなかったんですけど(笑)。

──雨宮さんが「譲らない」という話は前回のインタビューでもされていましたね。

私はもう、直感的に好きになった曲は基本的に譲らないので。でも、そればっかりだと自己満足な作品になっちゃうじゃないですか。私の歌はあくまでもリスナーさんが受け取るものですし、だからスタッフさんの意見を積極的に取り入れてもいます。今回のアルバムだと、例えば「GLORIA」は最初に聴いたときは特に印象に残らなかったんですけど「似合うんじゃない?」「こういう曲にも挑戦してみたら?」といった声をいただいてアルバムに入れることになったんです。

──「GLORIA」のお話も後ほどお伺いしたいのですが、「エデンの旅人」の歌詞についても聞かせてください。先ほどおっしゃった通りこの曲の主人公は「確かな理想」を求めていますが、歌詞は「深い闇に閉ざされ」という言葉で始まっています。

私らしい歌詞かなと。私の曲って、暗闇の中でもがきながら光を目指していくとか、絶望的な状況だけどあきらめたくないとか、そういう思いを歌った歌詞になることが多いので。

──なんらかの苦難を想定していますよね。それはなぜなんでしょう?

やっぱり、自分の内面と重なる部分があるんでしょうね。だから感情移入しやすいし、いくつかいただいた歌詞の候補の中から自分のイメージに一番近いものを選ばせてもらっていますし。

──雨宮さんから作詞家の方へ具体的なオーダーを出したりすることは?

自分から「まず闇の中にいて、もがくところから始まってください」と言うことはないですね(笑)。ただ、ディテールに関して修正をお願いすることはあります。「エデンの旅人」の歌詞も、1番はまさに理想に向かっていたんですけど、2番はちょっとだけ恋愛要素が入っていたと言うか、誰かを思っているようなニュアンスが当初はあったんです。でも、私としてはストイックに理想だけを追い求めてほしかったから、その“誰か”の要素は削除していただきました。

雨宮天「The Only BLUE」
2018年7月11日発売 / ミュージックレイン
雨宮天「The Only BLUE」初回限定盤

初回限定盤 [CD+Blu-ray]
4299円 / SMCL-546~7

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雨宮天「The Only BLUE」通常盤

通常盤 [CD]
3000円 / SMCL-548

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CD収録曲
  1. エデンの旅人
  2. Shu!Bi!Du!Ba!
  3. Marvelous scene
  4. Abyss
  5. irodori
  6. Lilas
  7. Breaking the Dark
  8. Eternal
  9. GLORIA
  10. Fleeting Dream
  11. Trust Your Mind
  12. 誓い
初回限定盤Blu-ray収録内容
  • 「エデンの旅人」Music Video
  • Visual Making of The Only BLUE
ツアー情報
雨宮天「LAWSON presents 雨宮天ライブツアー2018 “The Only SKY”」
  • 2018年7月15日(日) 神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
  • 2018年7月29日(日) 大阪府 オリックス劇場
  • 2018年8月5日(日) 新潟県 新潟テルサ
  • 2018年8月11日(土・祝) 福岡県 福岡国際会議場 メインホール
  • 2018年8月19日(日) 兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
  • 2018年9月2日(日) 宮城県 チームスマイル・仙台PIT
雨宮天(アマミヤソラ)
1993年8月28日生まれの声優アーティスト。2011年に開催された第2回ミュージックレインスーパー声優オーディションに合格し、翌年に声優デビューする。2014年8月に自身が主演を演じるアニメ「アカメが斬る!」のオープニング曲「Skyreach」を表題曲とした1stシングルを発表し、アーティストデビューした。同年12月には同じミュージックレインに所属する麻倉もも、夏川椎菜と共に声優ユニット・TrySailを結成することを発表。2016年9月に1stアルバム「Various BLUE」をリリースし、ソロライブ「LAWSON presents 雨宮天ファーストライブ2016 “Various SKY”」を大阪・オリックス劇場と東京・中野サンプラザホールで行う。2017年9月に名曲をカバーを中心としたライブイベント「LAWSON presents 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」を実施。同年12月にワンマンライブ「LAWSON presents 雨宮天ライブ2017 “Aggressive SKY”」を開催した。2018年5月にアニメ「七つの大罪 戒めの復活」のエンディング曲を収めた6thシングル「誓い」をリリース。7月より2ndアルバム「The Only BLUE」を携えて、自身初となる全国ソロライブツアー「LAWSON presents 雨宮天ライブツアー2018 “The Only SKY”」を行う。