2本田仁美の電撃復帰がもたらしたシナジー
＆注目のニューカマー

──IZ*ONEで世界的な人気アイドルとなった本田さんの復帰。これはグループにとっても非常に大きな出来事だと思います。具体的に何が変わりましたか？

岡田　変わったことだらけです！ 「根も葉もRumor」のダンスプラクティス動画のコメント欄には韓国語や英語の応援がいっぱいあるんですよ。たぶんそれを書いたのは韓国にいたときからひぃちゃんを応援してくれていた海外の方だと思うんですけど、「こんなにもいらっしゃるのか！」とビックリします。「ひぃちゃんきっかけで初めてAKB48という存在を知った」という方は本当に多いですから。

向井地　パフォーマンスに関しても、ひぃちゃん効果は絶大です。「ここそろっていないですよ」とか、自分からたくさん意見を出してくれるんです。その指摘が本当に細かくて、動画を1コマずつチェックしてくれているんですよ。

──「根も葉もRumor」のダンスプラクティス動画は、最初に公開した「へとへとver.」が実に150万回再生を超えています。

向井地　裏話をしちゃうと、本当は「へとへとver.」ではなくて、ビシッとそろった完成形のプラクティス動画を上げようという話があったんです。それこそ韓国のグループがよくやるようなパターンで。そのときもひぃちゃんがLINEで「韓国ではこういうふうに撮っていました」「レッスン着のテイストはこんな感じがいいと思います」みたいな意見を積極的に出してくれたから、めちゃくちゃ頼りにしていました。結局それはコロナの関係でメンバーが集まることができなくて、実現できなかったんですけど。

本田　なんだか恥ずかしいな。上から目線で語っているみたいで（笑）。

村山　そんなことないよー。私たちが知らなかったことばかり教えてくれるので、本当に感謝の気持ちしかありません。改めて来てくださってありがとうございます（笑）。

──本田さんとしては、韓国で得たことをAKB48に還元したいという気持ちが強い？

本田　そうですね。もし韓国に行っていなかったら絶対に気付かなかったことがいっぱいあるんです。例えばダンスの練習ひとつ取ってもそう。韓国では1曲を完璧にするために1カ月、2カ月と時間をかけるんですね。その経験から私自身も「練習は曲の完成度を高めるための時間」と意識が変わりましたし、今回の曲ではその考えをAKB48にも持ってきて共有できたことがうれしかったです。

──日本と韓国でアイドルファンの求めているものは若干違うかもしれませんが、「いいものはいい」というところに落ち着くんですかね。

本田　そうかもしれません。私はファンの方に「ひと回り成長して帰ってきます」と約束してから韓国に発ったので、向こうでがんばってきた意味みたいなものをAKB48に残したいんです。

──フレッシュに生まれ変わったAKB48で、本田さん以外に注目すべきメンバーは？

向井地　私は同じ15期で入った谷口めぐちゃんをプッシュしたい！ めぐ、今回の選抜発表のときにすごく泣いていたんです。7年越しで初の選抜入り、そのことに本人も感極まっちゃって……。それを見ている私もグッと来るものがありました。私はずっと、めぐは本来もっと早く選抜入りするべきメンバーだと思っていました。本店だけでシングルを出し続けていたら、もっと早く入っていたはずです。同期としては「今まであきらめないでがんばり続けてくれてありがとう」と伝えたいし、本店メンバーのみの選抜だからこそ、こうしたチャンスが回ってきたことに意義を感じます。

下尾　すごく深い話……感動しました。

向井地　今回はそういう話がけっこうあるんです。千葉恵里ちゃんと久保怜音ちゃんの2人も同じ。一緒にドラフト2期生で入ったはいいけど、正規メンバーに昇格するまでものすごく時間がかかったんですよね。たぶん研究生の歴史の中でも珍しいレベルじゃないかな。えりい（千葉）に関しては歌番組にはよく出ていたから、今回の初選抜入りも「意外」という感じはなかったけど、「待望」とは言えると思います。

村山　千葉恵里ちゃんがまだ入ったばかりの頃、みーおんの膝の上によく座ってかわいがられていたんですよ。すごくその姿が印象的で。

岡田　ああ、覚えてる！ 当時はまだ中1とかだったと思うんですけど、とにかくダンスがすごく苦手で。「この子、大丈夫なのかな？」って私も心配していたんです。「ステージに立つ覚悟があるのかなあ？」って。それが今では堂々たる選抜メンバーですからね。感慨深い！

下尾　あとはやっぱり忘れちゃいけない注目メンバーは、よこゆい（横山結衣）じゃないですか。あのダンスはもうレベルが違いすぎてヤバいです！

岡田　初選抜でフロントに大抜擢というだけでもすごい話だと思うんです。でもそれ以上にあのダンスを見たら言葉を失います。

本田　よこはダンスを愛しすぎていますから。スキル的にも最高レベルで、それに加えて憑依型の表現をするんです。あれはとてもじゃないけど真似できないです！

村山　よこゆいはいろんなダンスができるんですけど、特にフリースタイルが得意で。「根も葉もRumor」でも冒頭に「Hey! Whazzup?」と始まるパートがあって、ここは特に決まった振付がないんです。

岡田　冒頭のフリーな“よこゆいジャンプ”は絶対にチェックしてほしい！ 公演のたびに動きが変わるから、「本日のよこゆい」を見ることができるはずです（笑）。

下尾　本当にアドリブ力が半端じゃないですから。テンションが上がってくると、フリーじゃない決まった振りのところですら独自の動きを加えてくるんです。

岡田　驚いたのは、音楽番組で初披露したときのこと。よこゆい、いきなりそこで振りを変えてきたんですよ（笑）。ほかのみんなは余裕なんて一切なくて、間違いがないように踊ろうと必死だったのに。

──ダンスの先生に怒られたりはしないんですか？

下尾　いや、むしろ逆で、先生も「いいじゃん、いいじゃん！」ってノリノリな感じで応援してくれました（笑）。

向井地　でもこうやって考えてみると、今回の「根も葉もRumor」は本当に見どころがいっぱいあると思います。“新しいAKB48”をぜひ感じていただきたいですね。