音楽ナタリー PowerPush - 赤マルダッシュ☆

渾身のバラードで“食べドル魂”を歌う

武田鉄矢の印象は“怖かった”

──武田鉄矢さんが皆さんのプロデュースを担当するということを聞いたときはどう思いましたか?

北澤鞠佳

北澤 プレッシャーがハンパなかったです。「え、私たちでいいんですか?」って感じで。なんかひたすら「ごめんなさい、ごめんなさい」って思っていた気がします。

大西 緊張で心臓がバクバクでしたね。

──初めて会ったときの感想は?

大西 これはおそらくみんな一緒だと思うけど……怖かったです。

北澤 初めて挨拶に行ったとき、みんな緊張してたのもあるんですけど「おはようございます」くらいしか言えなかったんですよ。そうしたら武田さんが「はい。じゃあもう出てってくださーい」みたいな感じで。「あっ、怖い!」みたいな(笑)。

大西 それからCM撮影もご一緒したんですけど、そのときも厳しいお言葉をいただいて。カップ麺を食べるという撮影が私たちには難しくて「ここはこうするの!」とか厳しくご指導いただきました。特に最初の撮影は厳しかったのを覚えてます。

──でも武田鉄矢さんから直々に指導されるってなかなかない経験ですよね。勉強になったことも多かったかと思いますが。

北澤 そうですね。食べるシーンでは「自分たちがおいしく食べるかじゃなくて、どれだけおいしそうに見せられるか」っていうことを教えていただいて、「顔を下げて食べちゃいけない」とか「口を持っていくんじゃなくてカップを持っていく」とか、撮影でのコツをいろいろと教わりました。

大西 初めての経験だったのでやることすべてが新鮮で、ずっと武田さんに怒られながら撮影してましたね。

──そこから徐々に武田さんとも距離を縮めていったと?

赤マルダッシュ☆

北澤 はい。2回目のCM撮影のときはすごく優しくて。やっぱり私たちのほうからなかなか声をかけることってできないんですけど、そのときは武田さんのほうから話しかけていただいて、世間話とかたくさんしました。

大西 今は一緒に好きな映画の話とかもするくらいになってます。

──お披露目イベント(参照:武田鉄矢プロデューサー、赤マルダッシュ☆は「恋愛自由」)やメジャーデビュー決定の際(参照:武田鉄矢手がける赤マルダッシュ☆CDデビュー)に、武田さんから“贈る言葉”をもらってますが、そのときの心境は?

大西 武田さんといえば「3年B組金八先生」の“贈る言葉”の印象が強かったし、それをまさか私たちもいただけるなんて思ってもみなかったので恐縮しちゃって。グループ結成のお披露目のときとメジャーデビュー決定のときの2回で、それぞれ違う言葉をいただけてめちゃめちゃうれしかったです。

バラード曲でデビューは予想してなかった

──念願のメジャーデビューが決まり、緊張感も徐々に出てきましたか?

大西 1回ごとのイベントに出演するたびにCDの発売が近付いてきてるなって感じてます。気付いたらもう10月だし、本当に時間が経つのが早いです。

北澤 ちょっと焦りすら感じてきてますね。

──メジャーデビュー曲「食べて、笑って、生きていく。」は皆さんが一番初めに与えられたアップテンポなナンバーの「赤マル 急上昇ダッシュ!!!!」とは正反対のバラード曲ですけど、この曲でメジャーデビューすることに対してどんな思いがありましたか?

北澤 初めて聴いたときの印象は「マジか」でしたね(笑)。

川村 ふふふ(笑)。そうだったね。

北澤 「バラード来ちゃったのか。これ、赤マルでいいのかな」って、まず歌えるかどうかの心配が勝ってました。

──ごまかしが効かないですもんね。

大西菜友

北澤 でも結成から1年間、オリジナルソングの「赤マル 急上昇ダッシュ!!!!」をずっと歌い続けてきた成果もあって、多少は歌唱力もレベルアップしたかなと。

大西 バラード曲っていうのはまったく予想してなかったので驚いたんですけど、すごくメッセージ性の強い楽曲で感情を込めて歌う難しさというのも改めて勉強させてもらいました。

──会見のときに武田さんも言ってましたが“昭和のにおい”のする楽曲ですよね。

北澤 昭和歌謡のテイストの楽曲を今歌ってみたらどうなるか、という意図もあるんですけど、歌詞にも深い意味があるんです。やっぱり人生において“食”って欠かせない要素じゃないですか。「食べて、笑って、生きていく。」っていうタイトルどおり、歌詞の中でも今までの人生における“食のシーン”を表現していたりするんです。それに自分の青春時代を思い出せるような懐かしさもあるので、そういうところが聴かせどころかなと。

大西 PVも文化祭をイメージしてて青春そのものって感じです。

──上の世代にも昔を懐かしんで聴いてもらいたい楽曲ですよね。

玉城 私たち的には青春の1ページを切り取ったような卒業式ソングのイメージもあって。メジャーデビュー曲ではありますけど、全体的にしんみりはしてますね。まあでも私たちと同じ事務所(オスカープロモーション)からデビューしたX21さんもデビュー曲はバラードでしたし、こういうメジャーデビュー曲もアリかなと(笑)。

個性を潰してまでそろえたいとは思わない

──カップリングには「赤マル 急上昇ダッシュ!!!!」が収録されますね。

北澤 配信限定曲だったので、これは本当にうれしいです。私たちにとっても一番大事な曲ですし、思い出深い。

大西 この曲こそ私たちの象徴と言ってもいいと思います。この1年で間違いなく一番歌ってきた曲ですし。

──お披露目から1年経ちましたが、パフォーマンスも納得いくレベルまで到達しましたか?

北澤 最初の頃は本当にバラバラでしたからね。

大西 今でも私はちょっと怪しいところがありますけど。

玉城茉里

玉城 でもNAYUのそういうところが赤マルの個性だと思うんですよね。例えばモーニング娘。'14さんだと最近はフォーメーションダンスを売りにされてて、きれいにそろったダンスというのも魅力的ではあると思います。でも赤マルのよさってNAYUの個性的な振りとかがあって生きる部分もあると感じていて。私はそういう個性を潰してまでそろえたいとは思ってないです。この業界ってやっぱり個性は大事だし、同じだと埋もれちゃう。もちろん今の私たちはこれからクリアしていかないといけない課題も多いんですけど、今はこの個性を生かしていくという方向でいいかなって思ってます。

──赤マルダッシュ☆としての色を打ち出していくことのほうが重要だということですね。

大西 1年前は与えられたコンセプトをいかに表現するか、私たちがそのコンセプトにどれだけ寄り添っていけるか、みたいなことしか考えてなかったんですよ。それをきっちり守っていこうみたいな。でも1年経ってみてやっぱり個性を出していかないとダメだよね、って話をして。やってみてから難しいことだなって改めて気付かされましたけど。

デビューシングル「食べて、笑って、生きていく。」2014年10月22日発売 / 日本コロムビア
赤盤 1300円 / COCA-16934
緑盤 1300円 / COCA-16935
白盤 1300円 / COCA-16937
黒盤 1300円 / COCA-16936
収録曲
  1. 食べて、笑って、生きていく。
  2. 赤マル 急上昇ダッシュ!!!!
  3. うわさのジャパニーズボーイ(赤マルダッシュ☆ver.)
  4. 4 colors(※赤盤)
  5. Beside you(※緑盤)
  6. 5 Minutes Ruler (※黒盤)
  7. Sticky Heart(※白盤)
赤マルダッシュ☆(アカマルダッシュ)

赤マルダッシュ☆

東洋水産「マルちゃん赤いきつねと緑のたぬき」のプロモーションアイドルグループとして武田鉄矢プロデュースのもと結成。北澤鞠佳、玉城茉里、川村彩花、大西菜友の4人からなるグループで、“歌って 踊って 食べるアイドル=食べドル”をコンセプトに活動している。2013年12月に前山田健一作詞・作曲の「赤マル 急上昇ダッシュ!!!!」を配信リリース。2014年10月には日本コロムビアよりメジャーデビューシングル「食べて、笑って、生きていく。」をリリースする。