access|続けてきた究極のアップデートとリスナーとの“接続”

削ぎ落とされて、今はシンプルな気持ち

──貴水さんは先日節目の50歳を迎えましたが、ボーカリスト、パフォーマーとして何か感じることはありますか?

貴水博之(Vo)(Photo by 田中和子[CAPS])

貴水 20代の頃はライブが終わったら絶対に打ち上げに行ってました。

浅倉 まあ時代がそうだったもんね(笑)。

貴水 でも今、僕はほとんどお酒飲まないんですよ。それは年齢のせいもあるけど、パフォーマンスをするうえで僕にとってお酒がそんなに必要ではなくなったんです。いろんなものが削ぎ落とされて、今はただシンプルに、自分のポテンシャルをどんどん高めていきたいんです。

──accessの肝と言える貴水さんのハイトーンを維持するために、喉を労わるようになったと?

貴水 そう。僕自身がそこを大事にしなきゃ。もう水晶ではどうにもならないってわかったので(笑)。

浅倉 ここ何年かじゃない? リハーサルで歌い上げなくなったの。

貴水 そうだね。

浅倉 この人は本当にピュアなので、リハでオケが完璧に鳴るとつい全力で歌い上げちゃって、いつも本番前に「もうくたびれちゃった……」みたいになってたんですよ。HIRO、今はもう余裕なの?

貴水 うん。自分自身への探求をちゃんとするようになったからですかね。大ちゃんはキーボードを巧みに操ってるけど、僕にとっては喉が楽器なので、楽器は大事にしないといかんだろう、っていう。本当に初歩の初歩に今さら立ち返ってるというだけの話なんですけどね。

浅倉 最初はやっぱり気付かないんだよね。よくあるじゃないですか、デビューしたての頃のボーカリストが1回喉を潰してしまうって。

貴水 あるね。

浅倉 そのへんのコントロールをHIROはがんばってると思う。

貴水 あ、でもわからないですよ? 来年になったら「毎日酒ばっか飲んでます」って言ってるかも(笑)。うそうそ(笑)。

accessは同じことをやらない

──これからの10年、20年を見据えて、accessはどうなっていくと思いますか?

浅倉 今まで僕らそんなこと考えてた? 今回こうしてアーカイブ映像がリリースされるけど、そのライブをやってた17年前には即興リミックスみたいなライブを将来やるなんて思わなかったもんね。

浅倉大介(Key)(Photo by 田中和子[CAPS])

貴水 そうだね。

浅倉 10年先を考えて……じゃなくて、そのときどきで常にアップデートし続けてきた感じですね。究極のアップデート。変化を続ける中で、聴いてくれている皆さんに「accessらしさ」を感じてもらっているとしたら、それはアップデートをすることが僕らの本質だからですよ。同じことだけをやってたら、らしくないんですよ、accessって。ただ、それがいい意味でプレッシャーでもあるし、accessのこれからの課題でもある。

貴水 今って指先1つでなんでも手に入ったり擬似体験もできたりする時代じゃないですか。でも実際にファンのみんなと一緒に盛り上がる瞬間を体感できるのはライブしかない。僕自身それに支えられているから、前を向いて生きていけてる。ファンのみんなが支えになってる部分はすごく大きいし、やっぱりライブって僕たちにとってなくてはならないものだと思うんです。だからこれからもどんどんライブをやっていきたいし、その中でaccessがどんな変貌を遂げていくのか楽しみなんですよね。

浅倉 何か企んでそうだね(笑)。

貴水 せっかくだからワクワクしなきゃ(笑)。accessとしてまたどこかですごく大きな波が来るのを楽しみにしているんですよね。面白そうだったらいろんな波に乗っかっていこうと思ってる。

浅倉 いろんな波があったけど、HIROが「仮面ライダーエグゼイド」に出てたっていうのは一番面白い。あ、面白いって言っちゃいけないね(笑)。

貴水 全然うれしいよ! 俺もやるとは思わなかったよ、本当に(笑)。人生いつどんな波が来るかわからないですよね。大ちゃんは「エグゼイド」の次のシーズン「仮面ライダービルド」で小室さんとのユニットPANDORAとして主題歌を作ったしね(参照:小室哲哉&浅倉大介の新ユニット「仮面ライダー」新シリーズで主題歌)。

浅倉 子供の頃憧れていたものに、大人になって携われたときのうれしさはありますよね。僕は音楽家として、HIROは俳優として。そういうとき、1つ達成感はあるんだよ。でもそこで終わらずに、また次の1歩がそこから見えてくればいいと思う。

貴水 きっとこれからもいろんな“アクセス”があるんですよ、この先(笑)。

浅倉 (笑)。そう、accessというユニット名のように、僕たちの基盤は曲を通して聴いてくれた人たちとの“アクセス”を続けることでできているからね。その姿勢を今日まで変えずに来られたのは応援してくれてる方々がいてこそ。感謝してるし、それって奇跡だなって、最近思うんですよ。

左から浅倉大介(Key)、貴水博之(Vo)。

オンエア情報

access「LIVE ARCHIVES BOX Vol.1」リリース記念スペシャルトーク番組

配信日時:2019年6月26日(水)21:00~(約1時間予定)

ツアー情報

access「TOUR 2019 AUTUMN」
  • 2019年10月13日(日)神奈川県 厚木市文化会館
  • 2019年10月27日(日)東京都 中野サンプラザホール
  • 2019年11月23日(土・祝)千葉県 舞浜アンフィシアター
  • 2019年12月1日(日)愛知県 一宮市民会館
  • 2019年12月14日(土)大阪府 コスモスシアター

※特集公開時、会場名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。


2019年6月27日更新