ナタリー PowerPush - 99RadioService

2年間の成長からたどり着いた “じっくり聴ける”全曲日本語詞アルバムの魅力

「AS ASH」は聴いてくれる人のことはあまり考えてなかった

──そしてアルバムのオープニングナンバー「AS ASH」について。この曲は歌詞からすごく悲しい印象を受けるんですけど、このメロディが乗ることによって温かみが増して、優しい気持ちになれる……そういう意見が、試聴会のアンケートに多数記載されていました。

Ko-hey(Vo, G)

Ko-hey 自分は歌詞を書きながら泣いちゃうぐらいの感じだったので、優しい気持ちみたいなところはまったく意識してなくて。本当に悲しいことを書いたときに、それを聴いた人はどういう気持ちになるんだろうなっていうのをすごく知りたかったんです。俺はみんな泣いちゃうだろうなと思いながら書いてたのに、笑顔なんですよね。人の心ってよくわからないな、難しいなと思って。

──Ko-taさんとKo-heyさんのおばあさんが亡くなったことを受けて書いた歌詞だそうですね。

Ko-ta そうです。祖母が亡くなって、初めてあんなに悲しい思いをして。面白いことや生きてく上での教訓をいろいろ教えてくれたおばあちゃんだったので、おばあちゃんのことを歌にしたいと思ったんです。「AS ASH」は俺が曲を持っていったら、Ko-heyが「あ、いいね。これ、絶対に詞を書きたい」って言ってくれて。で、上がってきた歌詞を見て、「このままでいこう」とOKを出したんです……こんだけすんなり曲が通ったのは「AS ASH」が初めてじゃないかってぐらいに。だから2人にとってはすごく大切な曲なんだけど、はっきり言って聴いてくれる人のことはあまり考えてなかったんです。

Ko-hey 実はこの曲、2年前に書いた曲で。当時は震災もあって、死についていろいろ考えた時期だったんです。でもあれから2年経って、みんなちょっとずつ震災のことを忘れてきてる気がして。そういうきっかけがないと思い出さないのかな、だったらこの曲が思い出すきっかけになってくれたらと思ったんです。例えばジョン・レノンの死について考える人は世界中にたくさんいても、自分の祖母や母親の死について考えるのって、その人の家族や身近な人しかいないんじゃないかなって。2年経った今、曲として世に出したのは、こういう思いを忘れてはいけないと、自分への戒めの気持ちもあったんです。

10月のライブは集大成みたいな内容になるんじゃないか

──この意欲作を引っさげて、10月5日には東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでワンマンライブを行います。座席のある会場でライブを行うことにビックリしました。

Ko-ta 最近アコースティックライブをやる機会が多かったんですけど、やっぱり通常のライブとは雰囲気が異なって、お客さんが曲をじっくり聴いてくれてる印象があるんです。それで今回、純粋にいいアルバムができたし、お客さんにも座ってもらって音楽を純粋に楽しんでもらいたいなと思って。

──なるほど。特に今回の「3」というアルバムは、そういう聴き方をして楽しんでほしい作品かもしれないですね。

Ko-ta そうですね。座席はあるけどタイトルは「STAND UP SHIBUYA」って付けたので、楽しいと思った人は立ち上がってくれてもいいし、ゆっくり聴きたい人は座ってもらってもいいし。そこも含めて俺らだけの空間を一緒に作れたらなと思ってます。

──それでは最後に10月のライブに向けて、意気込みを聞かせてください。

Jigen(B)

Jigen そうですね、アコースティックもあるし、エレキもあるし、長い時間ライブをやれるのですごく楽しめると思います。とにかくがんばります。

──続いてNegiさん。

Negi みんなで楽しみましょう。

Ko-ta あのさ、こういうライブにしますみたいなのないの?

Negi ……がんばります! 楽しければいいと思うので。

──なるほど(笑)。それではGOIさん。

Ko-hey GOIちゃんはライブタイトル「STAND UP SHIBUYA」の命名者だしね。

GOI はじめは「PLEASE SIT DOWN」にしようかなって(笑)。あの、本当にがんばるというか……俺個人としては10月5日のワンマンに対しては、特別な感情とかなくて。

一同 あははは(笑)。

GOI 本当に精一杯やりますけど、僕らはいつも精一杯ライブやってるので、いつもと変わらずがんばるつもりです。

Ko-ta でもそこは大事だね。俺たちレコーディングばっかりやっててライブが少ないので、ライブに対して本気じゃないと思われがちなんです。でも俺ら、自分たちのことをライブバンドだと思ってるので、アルバムとはまた違うよさが出せると思ってます。

──では最後にKo-heyさん、お願いします。

Ko-hey アルバム「3」を出したことで、10月のライブはこれまでの集大成みたいな内容になるんじゃないかと思います。どんな形になるかはまだわからないですけど、がっかりするようなものにはしなので、みんなで“STAND UP”できればいいなと。がんばります。

99RadioService
ニューアルバム「3」/ 2013年6月26日発売 / 2500円 / VAP / VPCC-81768
収録曲
  1. AS ASH
  2. BYE×BYE
  3. MONKEY
  4. Distance
  5. リオトキオ
  6. BLACK PEANUTS
  7. STAR
  8. ORDINARY LUNCH
  9. TIME
  10. イチエタビ
  11. YOUTHFUL -ALBUM ver.-
  12. El Dorado
  13. Requiem
New Album 3 Release記念・
ワンマンライブ "STAND UP SHIBUYA"
  • 2013年10月5日(土)東京都 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
99RadioService インストアライブ情報
  • 2013年7月12日(金)宮城県 タワーレコード仙台パルコ店
  • 2013年7月14日(日)神奈川県 タワーレコード横浜モアーズ店
99RadioService ライブ情報
  • 2013年7月19日(金)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2013年9月12日(木)大阪府 心斎橋JANUS
  • 2013年9月19日(木)愛知県 名古屋APOLLO THEATER
  • 2013年9月27日(金)宮城県 仙台パークスクエア
99RadioService(ないんないんれでぃおさーびす)

Ko-hey(Vo, G)、Ko-ta(G, Vo)、Jigen(B)、GOI(Key)、Negi(Dr)からなるロックバンド。2007年に東京で結成され、下北沢を中心にライブ活動を展開する。起伏に富んだキャッチーなメロディと独特の存在感を持つボーカル、緻密に計算されたバンドアンサンブルが好評を博す。2011年9月にアルバム「2」でメジャーデビュー。同年11月に発売されたシングル「YOUTHFUL」はテレビアニメ「ちはやふる」のオープニングテーマに採用され、大きな反響を呼んだ。その後も「BYE×BYE」「STAR」といったシングルを発表し続け、中でも「STAR」は2013年1月からスタートのテレビアニメ「ちはやふる2」のオープイニングテーマとして話題を集めた。同年6月に2年ぶりとなるアルバム「3」をリリース。10月には東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでワンマンライブを行う。