圧巻のライブパフォーマンスで多くのロックファンをとりこにしている注目の4ピースバンド、8otto(オットー)。彼らの強烈なオリジナリティが最高のかたちで表現された傑作3rdアルバム「HYPER, HYP8R, HYPER」が、9月3日ついにリリースされる。
今回ナタリーではドラム/ボーカルのマエノソノマサキにインタビューを敢行。ニューアルバムの話題を中心に、8ottoの今現在の姿をたっぷりと語ってもらった。
取材・文/臼杵成晃
合宿期間15日、音楽漬けの生活
——アルバムを制作するにあたって、メンバー間で明確に「こういうものを作りたい」というビジョンはありましたか?
全然。いつもないんですよ。
——レコーディングは合宿で行ったとのことですが、合宿でビジョンを固めていったんでしょうか。
メンバーそれぞれで曲を作って、それを合宿に持ち寄って、という感じですね。そのときどきのマイブームとか聴いている音楽とかもみんなで持ち寄って共有しあったり。
——合宿期間はどれぐらいでした?
今回は5日間の合宿を3回やりました。関東の田舎のほうに、ちょっと内緒の場所があって。そんなに機材は整ってないんですけど、ベッドと台所とスタジオがあるだけの。
——あ、内緒なんですね。
すごくいいところやから教えたくないですね(笑)。プロデューサーさんが料理上手で、毎日料理を作ってくれたんです。僕らはもう、ごはん食べるか音楽するか寝るか、みたいな生活でした。
——それはバンドにとってかなり快適な状態ですよね。
音楽のことだけを考えていられる、音楽漬けの生活ですからね。まあ、しんどい部分はもちろんしんどいんですけど、やっぱりずっと音楽に触れていられる生活は楽しいですよ。
——合宿を行った15日間で、レコーディングの全行程を終わらせたんですか?
合宿に入るまでにある程度バンドで固めていた曲もありましたけど、合宿中はさらに「退屈や」「もうちょっとこうしよう」「ええやん、これでいこうぜ」とプロデューサーも一緒になって磨き上げることができる。そうやって最終的に作り上げたのは20曲ぐらいですね。
——15日間で20曲って、かなりハイペースですよね。
以前やっていたバンドでは1年間に10曲ぐらい書いて、音源に入れたいと感じられるのは2~3曲……というぐらいのペースだったんです。8ottoになってからは、2年前に出したアルバム「we do viberation」でまず12曲つくって、去年はフルアルバム「Real」とミニアルバム「Running PoP'」で合計17曲。そのあたりでなにかこう……火がついたというか。
——なにか創作意欲が覚醒するような出来事があったんですか?
いろんなエネルギーの波ってあると思うんですけど。ちょうど今が熱い状態というか。「鉄は熱いうちに打て」って言うじゃないですか(笑)。もうやるのは今しかないな、と。それで「ツアーが終わったらすぐに曲作りたいです」ってレーベルの人と相談して。半ば無理矢理作りました。昔は曲が浮かぶとMDに録ってたんですけど、最近は携帯電話でだって録音可能だから、思いついたアイデアをすぐに録って。そうやって曲の原型はたくさん録ってあったんですけど、バンドですぐに表現できる曲は一切ないまま合宿に突入、という状態でしたね。
プロフィール
8otto(おっとー)
1999年に前身バンド、sugar for a dimeを結成。数度のメンバーチェンジを経て、2004年8月に現在のメンバーが集結。バンド名を8ottoに改名する。自主制作CDの発表や精力的なライブ活動を行い、同年11月にはメンバー全員で渡米。ニューヨークにてライブやレコーディングを決行する。2006年7月に1stアルバム「we do viberation」をリリース。現在は大阪を中心に活動中。ドラム&ボーカルを中心としたアグレッシブなステージで着実に支持を増やしている。