人を笑顔にするカッコよさ

TAKUMA　シングルの話からはちょっと変わってしまうけど、実は僕、お笑い芸人さんにずっと憧れがあって。

高橋　ホンマに？

TAKUMA　京都MUSEというライブハウスの店長と仲がよくて、そいつとよく「芸人という仕事はホンマにカッコいい」ということを、何回言ってきたかわからんぐらい話してる。人を笑顔にして、それを人生にするってホンマにカッコいいんですよ。芸人さんに限らず、例えば飲み会とかごはんに行ったとき、上下関係の気配りをしながらもいいタイミングで笑いを投下する人がいるじゃないですか。そういう人のことをホンマに尊敬していたから、茂雄くんがYouTubeに限らずいろんなところで「10-FEETホンマにカッコいい、『京都大作戦』は最高や」と言ってくれていたのがすごく誇らしくて。もちろんサバンナのことも知っていたし、ずっとリスペクトを持っていた人から「YouTubeを一緒にやろう」と言ってもらえて光栄でした。

高橋　メチャクチャうれしいですね。今のところ、絶対載せてください。

TAKUMA　番組でいろいろなことを話してきたけど、直接こういうことを話すのは初めてやな（笑）。いつも茂雄くんは10-FEETのことを褒めてくれるから、いつかは絶対伝えなアカンと思っていて。今日はそれが言えてよかった。

高橋　僕からしたら音楽が放つパワーのほうがすごいんですよ。例えば「京都大作戦」では2万人のお客さんを靴ボロボロになるくらい熱狂させるんです。やっぱりそのパワーはお笑いにはないものなので、僕はTAKUMAくんのことをものすごくリスペクトしてます。去年の「京都大作戦」ではKOUICHIくんの子供と、ほかの出演バンドの子供たちを集めて客席で「自分らの親、どんだけすごいか観てみ」って、教育してました。やっぱりバンドはカッコよすぎる。

もともとギターは弾けなかった

高橋　さっき頭の中でベースもドラムも演奏するという話が出てきたけど、TAKUMAくんはギター以外も弾けるの？

TAKUMA　頭の中ではほかの楽器もイメージするけど、実際に満足いくくらい弾けるのはギターだけやね。ピアノとかほかの楽器も弾けたら曲の作り方が変わるかもしれないから、たまに練習するんだけど、楽器はあんまり向いてへんなと思って。

高橋　今さらそんなこと言うのやめてや（笑）。

TAKUMA　ホンマにこれしかできへんのよ。もともとギターも満足に弾けなかったから。

高橋　めちゃめちゃ弾けてるじゃないですか。

TAKUMA　10-FEETはもともと4人のバンドで、僕はギターを弾いてなくて。ある日ギターが辞めてしまって、NAOKIとKOUICHIが「TAKUMAが弾きながら歌うしかない」と言い出して、今に至るみたいな。

高橋　でもそれってすごいよね。普通なら「もう1人メンバーを入れよう」ってなりそうなのに。

TAKUMA　ホンマその通りで、きっと当時の僕は「もう1人入れようや」って言ったはずやねん（笑）。ギタリスト募集もしばらくしてたはずなんだけど、結局誰も入らなかった。

高橋　それでもやれてるわけだから、すごいと思うな。

TAKUMA　いやいや。それが最初は全然やれてなかったから（笑）。1曲通して弾ける曲がGreen Day の「Basket Case」だけだったんだけど、歌いながらだと全然弾けなくて。ギターは弾けるし、歌も歌える。どちらも覚えているけど、同時にやると全然できない。世の中のギターボーカルが当たり前のようにやってるから自分もできると勘違いしていたみたいで。よく考えたら当たり前のことなんやけど、実際にライブをするまでそれに気付かなかった（笑）。

高橋　それでもステージに立ち続けていたのはすごくない？

TAKUMA　ライブに出演すると言っても、ノルマも払わなきゃいけないし、友達に誘われていたからキャンセルするわけにもいかなくて……。イベントには友達いっぱいいるから「俺らが本番のとき、あいつらが客席で応援してくれるはずや」と思って無理矢理ライブをしてた。「ギタリストを募集してます。早く誰か助けてください」というMCを毎回やってたんだけど、誰も入ってくれなくて。そのうち自分が慣れてしまった（笑）。

初の1日2公演

高橋　シングルのリリースに合わせてツアーが開催されるんですよね？ しかも1日2ステージで。

TAKUMA　正直言うと、1日に2回ワンマンとかやったことないんですよ。初日に壊れるかもしれへん（笑）。

高橋　10-FEETって力をセーブしたりするバンドじゃ絶対ないから、1回目と2回目でどんなライブになるのかめっちゃ気になるな。

TAKUMA　1回目と2回目で違った見どころがあるかもしれない。「1回目の勢い任せな感じが好き」とか「2回目のもう声が出てない感じのほうがなんか好き」とか。

高橋　若いバンドなら1日2回を全力でやれるかもしれないけど、10-FEETはおじさん3人のバンドやからな（笑）。

TAKUMA　そう。しかもおじさんが3人しかいないから（笑）。

高橋　どういうライブになりそう？

TAKUMA　ひさびさのライブハウスでお客さんを入れたライブを、どういうふうにやれるのか、まだ僕らもわかっていないことが多くて。だからそれを確かめに行くツアーですね。

高橋　春から夏にかけてはライブに行きたくても行けない状態が続いたじゃないですか。ひさびさのライブできっとすごい光景が観れると思うんですよね。会場では声を出しちゃいけないとか、みんなでモッシュをやることとかができないかもしれないけど、もしかしたら何年かあとに「あのときのライブ、俺観たよ」って自慢できるくらい伝説的なライブになるかもしれんし。僕も絶対観に行きます。

TAKUMA　どこかの会場で「フタリセカイ」の配信もできたらええな。「今日の『フタリセカイ』は富山にあるクロスランドおやべからお送りしております」みたいな。

高橋　全然ありそうやな。

TAKUMA　そういうのも楽しいね。ライブ後とか。