「仮面ライダーリバイス ファイナルステージ&番組キャストトークショー」が、10月16日の東京・中野サンプラザホールにおける公演で最終日を迎える。本イベントは「仮面ライダーリバイス」のライダーたちが活躍するショーと、レギュラーキャストによるトークショーおよびキャラクターソングの歌唱で構成されるもの。千秋楽の3公演はすべてゲストを招いた「スペシャルデー」として行われ、uP!!!およびTELASA(テラサ)で生配信される。
映画ナタリーでは五十嵐3兄妹を演じた前田拳太郎、日向亘、井本彩花による鼎談を実施。ツアーが開幕した大阪公演(参考:「リバイス ファイナル」開幕!前田拳太郎が「幸せな1年間だった」とファンに感謝)の合間に、「卒業式だと思って観てほしい」というショーの見どころや最終日への意気込みを聞いた。
さらに8月に最終回を迎えた「仮面ライダーリバイス」テレビシリーズについての振り返りも。「今では序盤を恥ずかしくて見返すことができない」という彼らの成長を助けた共演者たちの話題についても触れている。
取材・文 / 松本真一撮影 / 笹井タカマサ
uP!!!およびTELASAでは、最終日・スペシャルデーの模様を3公演とも独占配信!
「仮面ライダーリバイス ファイナルステージ&番組キャストトークショー」スペシャルデー
配信情報
日時:2022年10月16日(日)
1回目 開演 10:30
2回目 開演 14:30
3回目 開演 18:30
アーカイブ配信期間
各公演ライブ配信終了後準備整い次第開始~10月23日(日)23:59
「仮面ライダーリバイス ファイナルステージ&番組キャストトークショー」
公演情報
2022年10月15日(土) 東京都 中野サンプラザホール
1回目:開場 10:15 / 開演 11:00
2回目:開場 13:30 / 開演 14:30
3回目:開場 17:00 / 開演 18:00
2022年10月16日(日) 東京都 中野サンプラザホール
1回目:開場 9:45 / 開演 10:30
2回目:開場 13:30 / 開演 14:30
3回目:開場 17:30 / 開演 18:30
「ギーツ」初回を観て「リバイス」の終わりをやっと実感(前田)
──「仮面ライダーリバイス ファイナルステージ」初日、先ほど2回目の公演を終えたところですが、どんなお気持ちですか?
日向亘 めちゃめちゃ楽しいよね。
前田拳太郎 楽しいよね。やる前は「あそこ大丈夫かな」とかいろいろ考えながら現場に入ってはいるんだけど、やっていくとどんどんアドレナリンが出てきて「楽しいー!」ってなってくる。
井本彩花 うん。楽しい。
前田 観てくれる皆さんの熱量も伝わってきたのかなと思います。やっぱり観てくれる人がいるっていうのは大きいですよね。僕たちの番組は普段テレビで放送してるので、どういう人が、そしてどれぐらいの人が観てくれてるのかっていうのが全然わからなくて、「みんな観てくれてるのかな?」って不安になることもあるんですけど(笑)。こうやって応援してくれるんだっていうのがわかるのはうれしいです。
井本 コロナが落ち着いてきたというのもありますし、「リバイス」はファンの皆さんとお会いするイベントが多かったですよね。お客さんもみんな乗ってくれるし。ステージからうちわとかも見えてるので、「何度も来てくださる方がいるな」とかもわかりますし。だからこちらとしても、感謝の気持ちを伝えなきゃなってのはすごく思います。
日向 ステージはリアクションがリアルタイムで伝わってくるのもうれしいです。自分が演じたものが観てくれる人に伝わって、「うまくいったな」とか、「今のはあんまりうまくできなかったな」っていうのがわかるから、ある種のスリルというか。失敗できない、やり直しがきかない一度きりの楽しさがありますね。
──「リバイス」のクランクアップが8月上旬だったそうですが、周囲の反響、撮影終了した実感などはいかがでしょう。
日向 僕は周りの人が観てくれてると思ってなかったんですね。でも最終回が終わって「毎週観てたよ」って言ってくれる人が何人もいたんですよ(笑)。
前田 「言ってよ!」みたいな。
日向 そう(笑)。友達もなんだかんだ応援してくれてるんだって実感できました。多くの方に観てもらえる番組に1年間出させてもらえたんだなって。
井本 友達が言ってくれたのは、私が仮面ライダージャンヌに変身したことで、「女の子も変身できるし、ライダーを目指せるんだ」と。女の子が支持してくれたというのをすごく感じました。「仮面ライダー」は男の子のものっていうイメージが私の中ではあったので、時代の流れとともにその概念が覆されてきているんだなと。
──こういうバトルものって、女性キャラは男性に比べてちょっと弱いというか、サポートするようなキャラの場合も多いですが、ジャンヌは強さを全面に押し出しているのが印象的でした。
前田 ずっと最前線で戦ってるもんね。僕は撮影を終えてみて……最初は1年間って長いな、終わるのかなって思ったんですけど、振り返るとあっという間だったし、でも終わったっていう感じがあんまりしなくて。「リバイス」の最終回が終わって、なんとなく「来週も放送するんじゃないか」と思って次の週の朝9時にテレビをつけたら「仮面ライダーギーツ」が放送されていて、「本当に『リバイス』終わっちゃったんだ」って。最終回のときよりも、「ギーツ」が始まったときのほうが、もう僕らの番組は終わっちゃったんだという実感がありました。寂しさもありつつ、でも仮面ライダーっていう作品は好きなので。今後もたくさんの人に観てもらえるように、「ギーツ」のみんなもがんばってほしいし、僕らもバトンを渡せたんじゃないかなとは思ってます。
橋本じゅんさんには、とにかくギッチョンギッチョンにされた(日向)
──1年間の撮影で、成長を感じた部分はありますか。ご自身についてでも共演者についてでも。
前田 日向の身長が伸びたことですかね。
──物理的な成長ですか(笑)。
日向 2cm伸びたんですよ。
前田 僕より1cm小さかったはずなのに、いつの間にか僕より1cm大きくなったんです。悔しいですねー、兄としては弟の成長を見守るのも楽しいんですけど(笑)。いや、真面目な話をしようか。
井本 最近、1年前の映像を見返したんですけど、顔つきは3人とも変わりましたよね。自分で言うのもあれですけど、みんなあどけないというか、子供だなーみたいな。
日向 変わったねー。
──1年という長い期間放送されるので、成長がわかりやすいのも視聴者の楽しみですよね。僕も取材前に最初から見返したんですけど、やっぱり顔つきの変化はすごくて。井本さんだと、ジャンヌに変身した前後でだいぶ違うなと。
井本 それは言っていただくことが多くて、私にとっては大事なシーンなのですごくうれしいです。さくらの気持ちが切り替わるところだったので。
──前田さん、日向さんは演技面で振り返るとどうですか。
日向 いやいや、全然できてなかったですよ。なんてものを世に発信してたんだと(笑)。
前田 わかる(笑)。1話とか観られない。10話前も観たくないもん。
日向 それは相当だね(笑)。
──成長が早いということですかね。前田さんは初主演にして、悪魔が相棒というだけでも特殊なのに、記憶をなくしたり、またその記憶を取り戻したりと難しい役でした。家族の記憶が戻った際の表情は素晴らしかったです。
前田 ありがとうございます。でも後半になっていくと特に、記憶をなくす演技が難しかったです。1年間やってると実際の思い出が積み重なってるんですよ。ずっと優しかった両親や兄弟の思い出がよぎるので、それを忘れる演技が大変でしたね。
──ベテランの共演者が多かったので、学ぶことも多かったのではと思うんですが。例えば赤石長官役の橋本じゅんさんとか……。
前田 それは彼(日向)が得意な話題です(笑)。
井本 じゅんさんと言えば(笑)。
日向 橋本さんには本当にたたき直されたというか、ギッチョンギッチョンにされました。ありがたいことに。橋本さんはあんなにたくさんお仕事をされていて、しかもいろんな作品を同時にやられているのに、「リバイス」に対する思い入れもあって。台本を何度も読み返したうえで、例えば「なんで赤石がこういう動きをしてるのか」って聞かれても全部答えられるぐらい考えてから現場に来てるんですよ。だからそれを見て、「リバイス」1作しか抱えてない僕はもっと考えなきゃダメなんだと。いかに自分が甘えていたか、考えてなさすぎたのかを痛感しました。根性をたたき直していただきましたね。
井本 私はウィークエンドに入ってからは矢柴(俊博)さんとずっとご一緒させていただいたんですけど、矢柴さんが現場にいらっしゃるだけで本当に和やかになるんですよね。本当にその普段の感じと、演技の切り替えがすごいなと思いました。あとは橋本さんと矢柴さんの最後のシーンも、生で見させていただいて勉強になりました。
日向 伝説のシーンだよね、あれはね。
井本 あそこは息をするのも、瞬きするのも忘れるぐらいでした。
──40話の、矢柴さん演じる牛島太助の退場シーンですね。
井本 あれはもうニチアサじゃない(笑)。あのシーンは伝説でした。
前田 僕はスーツアクターさんの存在が大きかったです。
──仮面ライダーリバイのスーツアクターである縄田雄哉さん。
前田 1話で現場に入ったときには何もわからない状態だったんですけど、横に縄田さんがいてアドバイスをくださるんです。縄田さんだけではなく、一緒にお芝居をする(バイス / 仮面ライダーバイスのスーツアクターの)永徳さんも、常に2人とも近くで見守ってくれて、困ってると思ったらすぐ来てくれて。3人で1つの役を作っているような感覚でこの作品に臨んでいました。みんなも同じだと思うんですけど。
日向・井本 わかる(大きくうなずく)。
──スーツアクターさんはアクション担当というイメージですけど、それだけではない演技面などでも頼りになったということですね。
前田 もちろんアクションの面で学んだ部分も大きいです。それは見てわかると思うんですけど、見えないところでの支えになっていました。
日向 お芝居に関しても僕らより大先輩だからね。
前田 プライベートでもお世話になりましたし。「お肉食べたい」って言ったらお肉を食べさせてくれる(笑)。「サウナ行きたい」って言ったら一緒に行ってくれるし。いろんな面でお世話になりました。感謝しきれないです。
井本 優しいよね。
私だけ1人2役をやってないんです(井本)
──あと作中の序盤では、大二やさくらは、変身して戦う一輝に嫉妬する部分がありましたよね。演者としてはそれぞれお互いに「ここがうらやましい」という部分はありますか?
前田 いっぱいありますね。
日向 僕はフニャフニャで猫背なんで、拳ちゃんの姿勢のよさがうらやましいです。拳ちゃんみたいに背筋ピンとした人になりたい。
前田 体幹の話? 今はダラっとした体勢でインタビュー受けてるけど(笑)。
井本 私は兄たちが、1人2役できてうらやましいなって。
前田・日向 あー。
井本 私だけじゃない? 1人2役やってないの。
──大二とカゲロウをやってた日向さんはもちろん、一輝はバイスの人格が中に入っていた時期がありますし。
前田 ノリ(濱尾ノリタカ)は……闇落ちしてるか。
井本 アギレラも花になったし。
前田 オルテカは最後までオルテカだけだった? あ、でも初芝もやってるか。
日向 あれは2役っていうのかな(笑)。
前田 でも確かにみんな2役やってるかも。
井本 私だけさくら役しかできてないんです。さくらを貫き通せたのはよかったと思いますけど。
──演技の勉強的な部分では2役をやってみたかったと。
井本 今後の目標ですね。
日向 スピンオフ作ってラブちゃんと入れ替わる?
前田 一輝の声がバイスになったみたいなパターンで。
井本 やだ(笑)。
前田 あれ、現場では大変だったな。でも自分じゃない役やるのって楽しいよね。
日向 僕も大変というより楽しかったですね。もしかしたら一生巡り会えないような役をさせていただきましたし、カゲロウはたくさんの方に気に入っていただけるキャラクターにもなったと思います。
──前田さんは、お二人に対して「うらやましい」と思う点は。
前田 僕は何も経験がない、何もできない状態で現場に入ってるので、2人のことを先輩と思ってやってきました。2人のお芝居を見て「こういうところはいいな」と思ったところを盗んでやってきたので、「うらやましい」と言っていいのかわからないですけど、そういう感じで見てはいました。
──こうおっしゃってますが、日向さん、井本さんから前田さんはどう見えてたんでしょうか?
日向 最初は「ザ・好青年」みたいな大学生だったので、大丈夫なのかなって思ってたんですよ(笑)。でも、上から目線になっちゃいますけど……1話のフェニックスの入隊式のシーンを撮ってるときに、僕とノリくんで「拳ちゃんはすっかり主役の顔になったね」って言ってましたよ。主役に選ばれなかったヤツら同士で(笑)。気付いたらみんなを引っ張る座長になってたので、拳ちゃんに付いていけば大丈夫だろうなっていう。
井本 私も拳ちゃんの背中を見て付いていってました。本当に拳ちゃんが主役でよかった、拳ちゃんが五十嵐一輝でよかったなっていうのを最近思います。
前田 いやー、ありがとうございます!
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ステージにカゲロウが出ることは隠しておきたい(日向)