悔しいを通り越して「ありがとうございます」

──「PUI PUI モルカー」はかわいらしさだけではなく、物語の深さや豊かな映像表現も人気の要因かと思います。寿司くん名義で映像制作をされているこやまさんがクリエイター目線で感じた魅力はなんでしょう。

（原案・スーパーバイザーの）見里朝希さんとは歳が近いし、ほんまに悔しいなと思いつつ、悔しいを通り越して「素晴らしいコンテンツを作ってくれてありがとうございます」と。作り込みがすごいんですよ。脚本やキャラクター設定、伏線の張り方が細かい。視聴者がこう思ったんだったらこういうふうにしようかなという後付けではできない伏線ですから。それに、売り出そうとしてる感じじゃなく、自然発生的に人気が出ていったのにも驚きました。コンテンツの面白さだけで人気が出た。プロモーションじゃなく、作品の強さで人気が出たのがすごいです。急に人気が出ちゃったもんだから、最初はグッズも全然出てなくて、アクリルスタンドや缶バッジみたいなプリント系のすぐに制作できるものばかりで（笑）。全然売れること予想してへんかったやん！ ぬいぐるみとか作る気なかったやん！っていうのがよかったです。最初から準備して売る気のある作品だったら、一気にバーンとグッズも出せたと思うんですけど。人気が出たからグッズを作っていこうというのが視聴者的にもよかったんじゃないかな。戦略感がないのがね。早くグッズを出してくれ！ってお客さんが求めてましたもん。供給が間に合ってないことが、より人気を加速させたんじゃないでしょうか。

監督やスタッフがいくらこだわって作ったいい作品でも、観られないときは観られない。でもやっぱり圧倒的に面白くて、作り込まれていたからこんなに人気が出たんだと思います。かわいいだけ、プロモーションがうまいだけというのではなく、作品がしっかりしていたからです。言葉がわからなくても楽しめるのも強いですよね、世界中で観てもらえるので。新シリーズからはテレビの字幕機能が使えるようになったんですが、字幕が始まったと思ったら「プイー！」だけでした（笑）。

あと「とびだせ！ならせ！ PUI PUI モルカー」のMX4D上映も行きまして、（入場者プレゼントの音の鳴るボールを）プイプイ鳴らしましたよ。玄人が集まっていたので、一体感があって面白かったです。モルカーの鳴き声や、第1話の心電図の音に合わせてプイ！と。みんなわかってるなあと思いながら僕も乗りました。

しばたありぼぼ、あのちゃんとくら寿司へ

──ヤバイTシャツ屋さんのライブMCでも「PUI PUI モルカー」を宣伝していたようですが、周りにはモルカー好きな方はいるんでしょうか？

メンバーのしばたありぼぼも観てますね。あのちゃんも「モルカー」が好きなんですが、僕が彼女のMVの監督をしたとき、ちょうど「モルカー」とくら寿司がコラボしている時期で。しばたもスタッフとして撮影に来てくれていて、お昼は絶対くら寿司にしようと。下敷き全種類とビッくらポン！のために必死で食べました。

──グッズに対する熱量がすごいですね。

モルカーグッズは本当にキリがなくて。以前は出た物出た物集めていたんですが、今は「コロコロフレンズ」シリーズだけは絶対集めようと箱買いしてます。家にはぬいぐるみもたくさんあって、場所を取ってます。最初にゲームセンターで展開していたグッズも集めてありますし、初期に出たアクリルスタンドや缶バッジ、Blu-ray、サウンドトラックにアートブックも。フェルトマスコットキットも買って作ったんですけど、めちゃくちゃ不細工になりました。

──さらに「PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL」のBlu-ray / DVDが2023年2月24日に発売されることが発表されました（参照：「PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL」BD/DVDが発売決定）。特典も豪華です。

ルームライトは卓上に置いておきたいなあ、家にあったらいいですね。（店舗共通特典の）証明写真風ステッカーはドライバーじゃなくて、モルカー側なんだ（笑）。（店舗別オリジナル特典の）ナンバープレート風アクリルキーホルダーはやっぱりローズが欲しいので、アニメイトで買います！

──今回撮影用にご用意したぬいぐるみグッズの中で欲しいものはありましたか？ 抱っこぬいぐるみとマスコットぬいぐるみは販売中で、大きなハグぬいぐるみは12月9日に発売される新商品です（参照：【PUIPUIモルカー OFFICIAL WEB SHOP】 モルカーPARKING）。

抱っこぬいぐるみは前シリーズも持っているので増やしていきたいですね！ 大きいハグぬいぐるみも気持ちよかったな。あ、こっちはポテトとシロモだけなんですね。ローズは無理かあ……。

──今後に期待ということで……（笑）。もしこれが出たら絶対買うというグッズは？

パペットを極限まで再現したものが欲しいですね。デフォルメせずに、リアルなあのままのパペットがいいんです。10万円でも買う人はいるんじゃないでしょうか。実際は1体作るのに10万円以上かかりそうですが……。受注生産で10万円なら皆さん買うと思いますよ。

1期のファンはみんな付いて来ていると思います

──では最後に「PUI PUI モルカー」の生みの親である見里朝希さん、新シリーズの監督を務めた小野ハナさんへメッセージをいただけますか。

見里さんにはまず、「モルカー」を生み出していただいてありがとうございますと言いたいです。作るのは大変だったと思います。1期のあと、すぐに続編を出したかったと思いますが、制作時間がかかりますからね。それでも最短期間で出してくれたと思うんです。コンテンツの流行りの移り変わりがある中で、焦りもあったんじゃないかと。でも1期のファンはみんな付いて来ていると思います。圧倒的な面白さでこのまま突き進んでもらいたいと思います。DS編の次回作もすでに楽しみにしています！

小野さんはプレッシャーもあったんじゃないかと思います。1期から作風に変化は感じたんですが、一視聴者として面白いと感じました。期待を超えてくれて、待ったかいがありました！ とにかく伝えたいことは、こんな素晴らしい作品を作っていただいてありがとうございますということです。ずっと「モルカー」が好きだったので、こういう形で僕も関われて本当によかったです。