コミックナタリー Power Push - ドラマ「弱虫ペダル」特集
小越勇輝(ドラマ・小野田坂道役)×山下大輝(アニメ・小野田坂道役)対談
2人の小野田坂道
坂道と自分を重ねあわせて泣いてしまった最終話
──ドラマは原作の最初からですが、アニメはインターハイ終了まで、舞台は坂道たちの後輩が入ってくる「~総北新世代、始動~」までが終わりました。振り返ってみて印象に残っているシーンはありますか?
山下 うーん、難しいですね。考え出すと何個も出てきちゃいます。最終話の表彰台にみんなで「せーの」で登るシーンもだし……。坂道を演じているとどうしても総北目線になるんですけど、あのシーンはみんなで積み重ねてきたものの集大成になる部分で、総北の絆ってすごくいいなって感じるところです。そのあとの、総北メンバーをアキバに連れて行って、1人でいろいろ抱え込んでいた坂道がみんなに「ありがとうございました」って感謝の気持ちを伝えるシーンも、実際に僕、その場で泣いてしまったりして……。
──それは坂道と自分を重ねあわせて?
山下 はい。僕としても2年間くらい演じてきた作品で、毎週毎週アフレコしていたので。周りのキャストさんもホントに素敵な先輩たちで、実際に支えてくださっていたので、「終わるんだ」っていう気持ちと「ありがとうございました」っていう気持ちがあふれて、感極まってしまいました。
──そうだったんですね。小越さんはいかがですか?
小越 今泉くん、鳴子くんとの1年生トリオで走れるのがすごく楽しいです。前回の舞台(「舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~」)で初めて3人で走れたんですけど、今回のドラマでも鳴子くんに根性注入されるところですごく力が入りましたし。あとはウエルカムレースでママチャリが回収されちゃって、そこからロードレーサーを渡されるシーンもすごく好きですね。坂道の走りたいって気持ちがあふれてて。
山下 いいよね……! わかる。
小越 あの原作の表情とかがまたすごいんですよね。
山下 必死な表情がね。
──原作の話題も出ましたけど、渡辺航先生とお話されたりはしましたか?
山下 アフレコや打ち上げに来ていただいたり、アニメが始まる前にいろいろお話を伺ったりはしました。すごい方だなって思います。あ、そうだ。打ち上げのときに挨拶というかスピーチをしたんですけど。ああいうの僕すごく苦手で。たくさん人がいる厳かな場でしっかりしゃべんなきゃいけないっていうのが……。「わあああ」ってなって、頭真っ白になっちゃって、「ホントもう幸せでした!」みたいな感じになっちゃったんです。正直、全然うまくしゃべれなくて。
──ええ。
山下 そのあとに先生に挨拶に行ったら、「君のあの挨拶を聞いて、やっぱり坂道なんだなって感じたよ」って言われて。すごくうれしかったですね。
小越 僕は舞台のときに挨拶させてもらったくらいなので、事前番組で演技に触れてくださったのがすごくありがたかったですね。初めて直接的に言葉をもらったので、そんなふうに思われていたんだなって、初めて知りました。
──番組で渡辺先生は、「小越くんらしい坂道くんになってて、安心して任せられる」とおっしゃっていましたね。ところで、最近は俳優さんが声優業をやられることも多いですが、小越さんは声優をやってみたいという思いはありますか?
小越 単純に、やってみたいなとは思います。だいぶ昔に声優のレッスンを受けたんですよ。絵を見ながらしゃべったりしたんですけど。そのときに声優のお仕事をしてる人に聞いたのが、座る位置。「ここはメインの人が座るところだから座っちゃだめだよ」みたいな話……(笑)。
山下 あはははは!(笑) 確かに、新人の子が真ん中にどーんと座るとイメージがよくないかもしれませんね。これ、すごくリアルな話だなー(笑)。
原作を忠実に再現したドラマ
──最後に、山下さんがドラマ「弱虫ペダル」に期待することや気になることなどあればお願いします。
山下 やっぱり実写で「あのシーンをどう表現するんだろう」っていうのは気になりますよね。坂道がケイデンスを30回転上げるところをどう表現するんだろうとか、真波くんの羽根はどうなるんだろうとか。マンガやアニメだから表現できることを実写ドラマでどうやるんだろうっていうのはやっぱり気になりますし、ドラマにはドラマのいいところが絶対あるので、すごくワクワクしてます。
小越 どのシーンも気合い入ってます。ロケーションも原作に合ったところを探してきて撮ったりだとか、自転車も原作を忠実に再現してますし、スタッフさんもマンガを読み込んで、「原作ではこれが印象的だからこうやりたいよね」って話しながら撮影してます。ドラマでしか出せない面白さがある中で、もちろん原作を大切にして作っているので、細かいところもすごく楽しめると思います。何回も観ていただけたらうれしいですね。
──マンガとドラマを見比べてみるのも楽しそうですね。アニメもスピンオフ「SPARE BIKE」が9月に劇場上映されて、来年には3期が始まります。
山下 3期は新世代のキャラがドバっと出てくるので、また違った空気感になるんじゃないかなって思います。積み重ねてきた熱はそのまま取っておいて、そこから新しい、パワーアップした「弱虫ペダル」になればいいなって思います。僕も2年生になった坂道をどういうふうに演じたらいいかなとか、あのシーンはどうしようとか、原作を読みながらワクワクドキドキしてます。これからも全力で愛を持って演じていけたらいいなって思います!
小越 舞台も前回から新世代が始動ということで、3年生が抜けて1年生が入ってきて、それだけでもすごく雰囲気が変わって。総北の大きな色は変わらないですけど、また違った感じになったのはすごく面白かったですね。
──「はじめまして」から始まった対談でしたけど、今後おふたりがまた交流する機会があるかもしれないですよね。なんと呼び合いますか?
山下 えっ、そうですね! 坂道を演じてるときの雰囲気がすごくかわいくて天使のようだったので……“オゴエル”で!(笑)
小越 新しい!(笑) そんなの出されたら、超えるもの何も出せないですよ!
ドラマ「弱虫ペダル」と併せてこちらもチェック!
- Contents Index
- ステージナタリー 小越勇輝×郷本直也×馬場良馬 座談会
- コミックナタリー 小越勇輝×山下大輝 対談
BSスカパー!オリジナル連続ドラマ「弱虫ペダル」
2016年8月26日(金)
21:00~ 放送スタート 〈全7話〉
※第1話無料放送
あらすじ
アキバをこよなく愛するオタク高校生の小野田坂道。
運動が大の苦手で高校に入ったらアニメ研究部に入ろうと心に決めていたが、入学と同時に部員不足でアニ研は事実上の廃部状態に!
5人の部員を集めれば部を復活させられる事を知った坂道は、必死に部員集めに奔走する。
そんな中、ひょんなことから出会った今泉俊輔に自転車勝負を申し込まれてしまう。
尻込みする坂道だったが、勝てば今泉もアニ研に入部すると聞きレースに挑む事になる。
原作:渡辺航(秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載中)
監督:棚澤孝義
脚本:吹原幸太 ほか
キャスト
小野田坂道:小越勇輝
今泉俊輔:木村達成
鳴子章吉:深澤大河
金城真護:郷本直也
田所迅:友常勇気
巻島裕介:馬場良馬
手嶋純太:鯨井康介
青八木一:八島諒
古賀公貴:輝馬
杉元照文:平井浩基
寒咲通司:安里勇哉
寒咲幹:桜井美南
橘綾:野口真緒
福富寿一:滝川英治
荒北靖友:鈴木拡樹
東堂尽八:北村諒
新開隼人:宮崎秋人
泉田塔一郎:青木空夢
黒田雪成:秋元龍太朗
真波山岳:植田圭輔
御堂筋翔:林野健志
©渡辺航(週刊少年チャンピオン) 2008/スカパー!・東宝・舞台「弱虫ペダル」製作委員会
「弱虫ペダル SPARE BIKE」2016年9月9日より2週間特別上映
「弱虫ペダル SPARE BIKE 巻島裕介」あらすじ
春、総北高校に入学した巻島裕介。これまでたった一人で走ってきた彼は総北の自転車競技部に入部することで、自らの自由な走りで周囲から認められ、広い世界に羽ばたくことが出来る、と胸を躍らせていた。しかし、彼の独特なダンシング走法は、部の先輩たちから嘲笑され、走り方を直すように言われてしまう。「自転車は自由だ」と信じていた巻島は……。
「弱虫ペダル SPARE BIKE 東堂尽八」あらすじ
オシャレなことがモットーの中学二年生・東堂尽八は、箱根の街に生まれ育った、老舗温泉旅館の嫡男。ある日、ロードバイクに乗る友人・糸川修作から自転車レースに誘われるも、ヘルメットで髪が乱れる理由から拒否。しかし試しに2人で競うように箱根の山を走ってみると、東堂の心の中にひとつの衝動が生まれ──。
スタッフ
原作:渡辺航(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
監督:鍋島修
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
キャスト
巻島裕介(CV:森久保祥太郎)
寒咲通司(CV:諏訪部順一)、金城真護(CV:安元洋貴)、田所迅(CV:伊藤健太郎)
小野田坂道(CV:山下大輝)、今泉俊輔(CV:鳥海浩輔)、鳴子章吉(CV:福島潤)、寒咲幹(CV:諏訪彩花)
東堂尽八(CV:柿原徹也)
糸川修作(CV:阪口大助)、皆水(CV:伊瀬茉莉也)
福富寿一(CV:前野智昭)、荒北靖友(CV:吉野裕行)、新開隼人(CV:日野聡)、泉田塔一郎(CV:阿部敦)、真波山岳(CV:代永翼)
©渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダルSB製作委員会
アニメ「弱虫ペダル」第3期 2017年1月放送スタート!
小越勇輝(オゴエユウキ)
1994年4月8日生まれ。東京都出身。2010年よりミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンにて、主人公・越前リョーマ役を4年にわたり務める。そのほか出演作に「仮面ライダーキバ」「ロック☆オペラ『サイケデリック・ペイン』」、舞台「東京喰種トーキョーグール」、舞台「弱虫ペダル」など。2016年9月からは「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~幕末天狼傳~」にて堀川国広役を演じる。
山下大輝(ヤマシタダイキ)
9月7日生まれ。静岡県出身。主な出演作に「弱虫ペダル」(小野田坂道役)をはじめ、「僕のヒーローアカデミア」(緑谷出久役)、「磯部磯兵衛物語」(磯部磯兵衛役)、「とんかつDJアゲ太郎」(勝又揚太郎役)、「あんさんぶるスターズ!」(朔間凛月役)、「刀剣乱舞」(厚藤四郎役、今剣役)、「少年ハリウッド」(佐伯希星役)など。