同期ちゃんは不憫で泣いているのが一番かわいい

──続いて「同期ちゃん」について伺います。こちらは同期ちゃん役が稗田寧々さんというフレッシュなキャスティングでしたが、どういう経緯で決まったのでしょうか？

古賀　今回はキャスティングマネージャーさんが付いてくださって、提示された方をよむ先生が聴いてイメージに合う方を選んでいったという流れです。稗田さんは主役が初めてだったそうですが、すごくがんばって同期ちゃんのかわいい部分を引き出してくれたんじゃないでしょうか。これから先も楽しみな子です。

──同期ちゃんのいじらしい部分がすごくよく表現されていまいた。

古賀　はい。各話のタイトルコールも当日急にお願いしたんですけど、しっかりイメージに合わせてもらえたので、とてもいい感じでした。

──小川監督はよむ先生原作のアニメ「みるタイツ」で監督をされましたが、先生の作品の魅力はどういうところにあると思われますか？

小川　「みるタイツ」はとにかくタイツ推しの作品で、依頼の内容も「これまでのアニメにないようなタイツの質感を」ということだったので、どうしてもよむさん＝タイツというイメージがありました。でも「同期ちゃん」を観たら、タイツだけでなくキャラクターがしっかりかわいくて。特に同期ちゃんは少しかわいそうなところもありますが、そこが大きな魅力ですよね。

古賀　よむさんがTwitterでも毎回同期ちゃんを上げて落とすという流れをやっているから、かわいそうだけどアニメでも彼女が不憫になるのをオチとさせてもらっています（笑）。

小川　やっぱり同期ちゃんが不憫な方向にいったあとに見せる、泣いたり喜んだりといった表情の豊かさがいいですよね。後輩ちゃんや先輩さんに奪われそうになるうしろで泣いてたりするのが一番好きです（笑）。

古賀　でもやっぱりかわいそうだから、できるだけCパートで毎回そのフォローが入るように作りました。同期くんからのフォローをアニメオリジナルで足したりとか。あと同期くんに対して「そういうとこだぞ」と視聴者にも思わせるように話を組み立てていったので、少しかわいらしいラブコメになったかなと思います。

必見！どちらの未配信エピソードも肌色多め

──古賀監督は「同期ちゃん」で全話コンテ・演出もされましたが、お気に入りの話はありますか？

古賀　同期くんと同期ちゃんがエレベーターに閉じ込められるという1シチュエーションの第2話です。あの話はアニメーターさんにおひとりで原画を担当してもらったのですが、ショートアニメではありえないぐらいぬるぬるに動かしてもらって、かなり見応えのある話になりました。

──最終回のラストで同期ちゃんたちを踊らせたのも、なかなか思い切りましたね。

古賀　あれはせっかく最後だから、何かスペシャル感のあるものを入れようと思ってやりました。大変でしたけど、若手の子ががんばってくれて見やすいものに仕上がったんじゃないでしょうか。それ以外だと特定のシーンではないですが、原作イラストを再現しているところは、よむさんのタッチに寄せるために特効をしっかり入れたりしました。今回はそういった前から試してみたかったことをやらせてもらえたので、ショートアニメだけど割と満足感のあるものになりました。特にBlu-rayではオンエアに乗せられなかった効果なども足していたりするので、ぜひ改めて見直してほしいです。

──「たわわ2」もリテイクなどはされているんでしょうか？

小川　どうしても修正が間に合わなかったカットや、見直して胸の揺れがぎこちないところなどは少し調整しました。揺れたあとにぴたっと止まるなど違和感のある部分は、少し動画枚数を増やしたり、もう1回上に揺れるようにしたりといった補正をしています。

──どちらの作品もBlu-rayには未配信エピソードが収録されています。詳しくは話せないかもしれませんが、最後にその見どころを教えてください。

古賀　「同期ちゃん」の未配信エピソードは原作のイラストの間にはこんなことがあったんじゃないかな、というのを膨らませたオリジナルエピソードです。よむさんらしさを出しつつ、今回の1クールで描けなかったことや配信ではできなかったことを盛り込んでいるというか……まあ肌色成分が多いので（笑）、ぜひ観てほしいです。

小川　「たわわ2」も肌色成分多めです。未配信エピソードでもやっぱり登場キャラクター全員を観たかったので、みんなで海に行かせました。たわわなみんなの水着が観られるし、配信分のエピソードより尺も長いので、こちらもぜひご覧ください。