「ソードアート・オンライン」の体験型“激ムズダンジョン”に攻略班が潜入!開発者による攻略のヒントも

去る4月14日、東急歌舞伎町タワーの4階に“次世代型アトラクション体験施設”THE TOKYO MATRIXがオープンした。同施設の第1弾アトラクションとして現在開催中の「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」では、アニメ「ソードアート・オンライン」とコラボしたダンジョンを展開中。作中に登場するVRMMORPG《アルヴヘイム・オンライン》の世界を舞台に、禍々しい装備を身に纏いプレイヤーたちに立ちはだかるキリトとアスナを倒すため、プレイヤーは高難易度ダンジョンの最深部を目指すことになる。

コミックナタリーでは開催を記念し、オープン前に「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」を体験。コミナタ攻略班を結成し、これから挑むプレイヤーの礎となるべく、肉体と頭脳、さらにチームワークを駆使してダンジョンに潜入してきた。クリア率1%を掲げる“激ムズダンジョン”に挑んだ我々の成果をレポートでチェックしてほしい。

※画面および投射映像は開発中のものです。
※各クエストの内容および画面は、改良のため予告なく変更されることがあります。

取材・文 / 粕谷太智撮影 / 清水純一

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」PV公開中

ダンジョンへ挑む前に

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」を手がけたのはソニー・ミュージックソリューションズの企画制作チーム。作中でも数々のプレイヤーを苦しめたアインクラッド攻略戦を思い起こさせるように、「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」はその難易度の高さが特徴の1つだ。なお5月11日現在、「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」の完全制覇者は出ていない。

そこで、我らコミナタ攻略班はなんとか成果をあげるべく、攻略前に総合ディレクターである松平恒幸氏から、攻略のヒントを授かることにした。


──これからダンジョンに挑戦するんですが、難易度が高いいわば“無理ゲー”って本当ですか? 最終ステージであるQUEST5のクリア率は想定で1%だとお聞きしましたが。

初見だとまずQUEST3を突破するのも、なかなか難しいんじゃないかと思います。もちろん体を動かすアトラクションに慣れている方ならQUEST3を初見で突破していく方もいると思いますが。私たちの意図としては、一度体験して終わりではなくて、何度もダンジョンに挑んで、そのたびに努力して、上達して、徐々にダンジョンの奥へと進んでいくという成功体験を味わってほしいんです。

総合ディレクターである松平恒幸氏。

総合ディレクターである松平恒幸氏。

──難易度は高くても、誰でも攻略できる難しさではあるんですね。

そうですね。回数を重ねるのはもちろんですが、重要なのは本気度です! 初回はクエストの内容を理解する必要もあるので、戸惑いながらプレイしがちですが、恥ずかしさを捨てて躊躇せずに挑戦する。意外に思うかも知れないですが、そういう人たちの成績はぐんといいんですよ。剣を振るときの気分はキリトで、ぜひスキル名を叫びながらプレイしてください!


松平氏から金言をいただいた我々コミナタ攻略班は、袖をまくり気合を入れ直した。

いざダンジョンへ、リンク・スタート!

施設に到着したら、まずは受け付けでパーティメンバーと一緒にエントリー。今回、コミックナタリーでは男性1人、女性2人でパーティを結成した。なお会場を訪れる前に専用サイトであるアノマリー・クエスト ポータル(参照:ANOMALY QUEST[PORTAL] THE TOKYO MATRIX)で、アカウント登録や施設内通貨・トポロの購入が必要。プレイ予約も可能なので、施設を訪れる前にまずはサイトをチェックしてほしい。

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」の参加方法。

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」の参加方法。

ダンジョンへ挑むプレイヤーには、攻略を進めるために必要な装備ハンドヘルドデバイスが手渡される。ハンドヘルドデバイスの剣の柄のようなフォルムが、プレイヤーの気持ちを昂ぶらせること間違いない。記者もこのデバイスを振り回したい衝動に駆られたが、ぐっと我慢。プレイヤーをダンジョンへと送り出すスターティングピットへと向かった。

剣の柄のような見た目をしたハンドヘルドデバイス。

剣の柄のような見た目をしたハンドヘルドデバイス。

待合スペースから見たスターティングピットの外観。プレイヤーデータがくっきりと外からも確認できる。

待合スペースから見たスターティングピットの外観。プレイヤーデータがくっきりと外からも確認できる。

3つのスターティングピットにそれぞれ入った記者たち。モニターになっている壁面にパーティ名“コミナタ攻略班”の文字が映し出される演出が、またテンションを上げてくれる。さらに所定の場所へハンドヘルドデバイスをかざすと、事前に登録しておいたプレイヤーデータが、外からも見える壁面のモニターに登場。順番を待つほかのプレイヤーが、モニターを見て高レベルプレイヤーにざわつくというシチュエーションを思わず妄想してしまった。そしていよいよダンジョンへ。各々が心の中で「リンク・スタート!」と叫び、ダンジョンへの一歩を踏み出した。

QUEST1:クリア率99%
ソードスキルで敵を蹴散らせ!

QUEST1で、コミナタ攻略班を待ち受けていたのは壁一面を覆う横幅7m、縦2.8mの巨大なモニター。ここでは、全身のモーションキャプチャを使い、自身のアバターを動かして迫りくる敵モンスターを撃退していく。ここでプレイヤーの剣となるのが、先ほど授かったハンドヘルドデバイス。さっそく振り回すチャンスが到来だ。

両手を挙げると、自分のアバターもバンザイしてくれる。

両手を挙げると、自分のアバターもバンザイしてくれる。

ここでは自分の分身となるアバターを体の動きを使って操作するのだが、その精度にも驚く。センサー装着なしで、体の動きがほぼそのまま投影されるので、ストレスなくゲームに集中できる。

さらに特定のモーションで発動するソードスキルをお見舞いして、敵を薙ぎ払う爽快感がプレイヤーをいっそうゲーム世界へ誘ってくれる。なお剣を水平に構えてチャージすることで発動するホリゾンタル、垂直に構えてチャージすることで発動するバーチカルなど、ソードスキルの発動にはファンがうれしい原作再現も用意。ゲーム終盤には、“連携攻撃”と呼ばれる時間が設定されており、ここで一定のモーションを達成すると攻撃イベントが発生。強力な斬撃が敵を襲う。

目の前に迫るモンスター。照明の雰囲気もさながら洞窟の中のよう。

目の前に迫るモンスター。照明の雰囲気もさながら洞窟の中のよう。

攻略を掲げてダンジョンに潜った我々だが、剣を振るう爽快感や、ほぼ負けることのないザコ敵をバッサバッサと切り倒していく気持ちよさに、ただ叫んでいるだけであっという間に終わってしまった。

剣を構えてチャージすることで、アバターの剣が光りソードスキルを繰り出せる。クライマックスでは、溜めた斬撃が激しく敵を襲う。

剣を構えてチャージすることで、アバターの剣が光りソードスキルを繰り出せる。クライマックスでは、溜めた斬撃が激しく敵を襲う。

QUEST2:クリア率80%
ダンジョンを駆け回って謎を解け

続いてのクエストの舞台は全長約60mの長い廊下。全クエストの中でも最大のプレイエリアを使って行われるのは、指定された数字を3つ探し出すというミッション。「4000」を見つけ出せといったものや、「4000~5000の間の数字」を見つけ出せといったものなど3つの指令が用意されている。一見簡単そうに感じるが、始まってみるとこれが想像以上に苦労する。

クエストを進めるごとにユイが登場。ナビゲーターとしてクエストの解説などでプレイヤーを手助けしてくれる。

クエストを進めるごとにユイが登場。ナビゲーターとしてクエストの解説などでプレイヤーを手助けしてくれる。

QUEST2の広い廊下。

QUEST2の広い廊下。

まず数字は、象形文字のように表示されており、その読み方を解読する必要がある。そこまではいいのだが、さらに「4000+1000」「400×100」のように、足し算や掛け算で表示されている場合もあり、頭の中でそのつど記号から数字へ変換するので、注意深く見ていかないと簡単に見逃してしまうことに。そうなれば、壁にズラッと並ぶ数字を見つけるために広いエリアを行ったり来たり……、廊下には屈まないと通れないバーやクッションでできた柔らかい床など、障害物も用意されているという手の込み具合で、パーティ内でエリアを分担しないと、とにかく体力を削られる。

低い位置に設置されたバーや柔らかい床がプレイヤーの体力を奪う。

低い位置に設置されたバーや柔らかい床がプレイヤーの体力を奪う。

極めつけに、表示される数字は時間が経つと変化。さきほどまでチェックしていたエリアに今は正解が表示されているなんてことも起こり得るのだ。声をかけ合いながら素早く数字を探していくチームワークが試される

壁に映る数字群。

壁に映る数字群。

ただ、このエリアのクリア率が80%と高い要因は、制限時間にゆとりがあるからだろう。ハンドヘルドデバイスで数字にタッチすることで、正解・不正解が判定されるのだが、不正解の場合は時間短縮のペナルティも用意されている。我々、コミナタ攻略班も幾度となく間違ったのだが、時間が余裕を持って設定されているおかげで、声かけ、エリアの分担など攻略法を見つけていく余裕も生まれ、なんとかこのクエストを突破できた。

QUEST3:クリア率10%
体力&頭脳、2段構えのミッションを突破せよ!

QUEST2ではギミックに難しさの一端も感じたが、パーティメンバーとのチームワーク、2つのクエストクリアで自信もつけ始めていたコミナタ攻略班の面々。しかし、松平氏の言葉通りなら初挑戦者が振り落とされるのが、クリア率が10%へとがくっと下がるこのQUEST3だ。

QUEST3の入り口で挑戦する3つの部屋がランダムに選ばれる。

QUEST3の入り口で挑戦する3つの部屋がランダムに選ばれる。

QUEST3は全8部屋の中からランダムに選ばれた3部屋をクリアすれば、次のQUEST4へ進むことができる。各部屋にはリーファやシノンなどおなじみのキャラクターが待ち受けており、彼らとともにクエストに挑むことになる。今回、我々は最初の挑戦にシリカの部屋を選択した。

QUEST3、シリカの部屋の前にて。

QUEST3、シリカの部屋の前にて。

シリカの部屋では、植物系モンスターに足を掴まれ宙吊りにされたシリカという作中でおなじみの光景を目撃することができる。そんなかわいそうなシリカを横目に、モニターに映されたモンスターへボールを当てていくというのが今回のミッションだ。

ボールを投げるコントロールのよさももちろん必要だが、動く敵が止まったタイミングを狙う、ボスの口が空いた瞬間を狙うなど、さながらシューティングゲームのような攻略法が通用するので、ゲーム勘のある人ならばそこまで苦戦しないだろう。

QUEST3、シリカの部屋のフィジカルゲーム。宙吊りのシリカというおなじみの光景を拝める。

QUEST3、シリカの部屋のフィジカルゲーム。宙吊りのシリカというおなじみの光景を拝める。

かく言う我らコミナタ攻略班も時間を延長するアイテムの助けはありながらもなんとかクリア。しかし、QUEST3の難しさはゲーム難易度よりもその制限時間にある。QUEST3は、このボール当てのような体力勝負のフィジカルゲームと、頭脳勝負のデジタルゲームが1セットになっているのだが、制限時間が共通であることが、挑戦者を追い詰める。

我々もフィジカルゲームクリア後に「やったー!」と呑気にハイタッチしていたら、ゲームオーバーとなってしまった。喜んでいる暇などないのだ。ちなみに、シリカの部屋のデジタルゲームは一人称視点のキャラクターを操作するダンジョン脱出ゲーム。3人でボタンを分担して操作するチームワークも求められる。

QUEST3、シリカの部屋のフィジカルゲームより。

QUEST3、シリカの部屋のフィジカルゲームより。

この難易度を3回連続でクリアするのは至難の業だろう。また3つの部屋に入る順番はプレイヤーが選べるのだが、2部屋目、3部屋目になるにつれ難易度が上がっていくというのだからなお恐ろしい。攻略には得意なミッションを見つけ出し、攻略の順番も考慮する必要があるのだ。クリア率10%の壁は伊達じゃない。

攻略はまだ始まったばかり

コミナタ攻略班のダンジョン攻略はここで失敗に終わった……。ここまで約20分間のプレイだったが、体を思いっきり動かす場面もあり満足感は十分! ユイをはじめ常にキャラクターと接しているので「ソードアート・オンライン」の世界にどっぷり浸かれたという気分にさせてくれた。もう1回やればクリアできそうという絶妙な難易度もにくい。

QUEST3、シノンの部屋より。

QUEST3、シノンの部屋より。

通常のプレイではここで退場となるが、今回はなんとしても攻略情報を後のプレイヤーに残すべく、プレイを続行させてもらった。シリカを含めQUEST3の5つの部屋に挑戦! 我々の攻略はまだ始まったばかりだ。