お兄ちゃんは心配です（江口）

──内山さんはご自身が演じているつよぽんと、その彼女であるゆきりんについてはどう感じていらっしゃいますか？

内山　剛は4人の中で唯一カップルが完成した状態で出てくるんですよね。だから2人が会話しているシーンはイチャイチャでしかない。

島﨑　つよぽん・ゆきりんカップルは毎回すごくかわいいよね。いいカップルだよ。僕もゆきりんがかわいいって言ってますけど、恵一の相手になるであろう子はしばらく出てこないんです。その子は友達の妹で、誰の妹かはちょっとわからないんですけど……（江口を見る）。

江口　ええ。

島﨑　誰かの妹がね？

江口　……お兄ちゃんは心配です。

──（笑）。恵一はかなりマニアックな趣味を持っていますしね。

島﨑　しかもまっつんの妹、SとMに対して若干乗り気だからなあ。

江口　そうですね（笑）。でもまっつんも恵一がいい奴だってことはわかっていると思います。

島﨑　そうだよね。僕もしばらくは恵一の相手が出てくることを楽しみにしてます。それまではゆきりんラブな感じで。

内山　それ、恵一じゃなくて信長くんだよね（笑）。

松岡・江口　ははは（笑）。

島﨑　バレた（笑）。はい、“僕が”ゆきりんラブな感じで。

──それぞれの恋模様にも注目ですね。

内山　小早川さんとなっちゃんに関しても、1巻の段階で両思いのような感情が成立してる雰囲気がありますよね。

松岡　うん、確かに。

島﨑　小早川さんも夏樹にときめいている感じがある。

内山　あとはお互いが一歩踏み出すだけというような。でもそこが進んでいるようでいじらしいというか、この作品らしさのひとつなのかなと思います。

島﨑　みんな少しずつ不器用なんだよね。

どちらに転ぶかわからないところも楽しい（江口）

──今まで演じられたお話以外で、印象に残ってるエピソードはありますか？

松岡　里見先生のエピソードは印象に残ってますね。

島﨑　あ、恵一が負けるやつだ。好きになった保健室の先生がS過ぎて敗北するっていう。

内山　恵一を上回るドSだったっていう話だよね。まさかそんな人がいるなんて……と思ったら（笑）。

島﨑　いたんだよね（笑）。恵一も「俺Mになれないしなりたくないし……」って悟る話。

──「虹色デイズ」は男子4人が主人公という少女マンガには珍しい設定ですが、作品全体にはどんな印象をお持ちでしょうか。

島﨑　一応男子が主人公ではあるんだけど、男女それぞれの視点から描かれているので誰でも入り込みやすいですよね。読んでいて「こんな青春もあるのかな」って思えるところは素敵だなと思います。みんな遠い存在に思えるほどキラキラ輝いているんだけど、「絶対ないよ！」と言い切れるわけではないところがいいなと。あとはさっきも話しましたけど、小早川さんと出会う前に夏樹のお金を目当てに出てくる女の子がいて……。

内山　そこ刺さってるんだね（笑）。

島﨑　俺あの子すごく好きなんだよ。

内山　悪い女の子が好きなの？

島﨑　好きじゃないです！（笑）違うの、自分がそういう人に関わりたいわけではないんだけど、お話として見るのは面白いというか。あの女の子もさ、夏樹くんがお姉ちゃんからもらったブランドものを身に着けてるのをチェックしてて、「あいつ絶対金持ってる」って近づいてくるじゃない。夏樹くんはクリスマスプレゼントとして一生懸命マフラーを選んだりしてるのに。

松岡　切ないなあ……。

島﨑　その生々しい“悪女感”が見ていて面白かったなって。え、みんなはどうだった？

内山　いや、僕も悪女いいと思うよ。

島﨑　本当？ キタコレ、うっちーにも刺さってる！

江口　でもあのエピソードは本当に印象に残りますよね。主人公である夏樹くんがフラれるところからスタートするという。でも人生ってきっとそういうものだよなと思います。初めて付き合った人と最後までうまくいくことってなかなかないと思いますし。この作品は結ばれることもあれば別れることもあるよ、っていうさまざまな状況を描いているからリアリティもあるし、どちらに転ぶかわからないところも含めて見ていて楽しいなと思います。

正座をして待っていてください（松岡）

──ちなみになんですが、アニメ化が発表された記事に掲載したこれらの写真。それぞれ演じているキャラクターが表紙の単行本を手に、皆さんポーズを決めていますが、こちらにも大きな反響をいただきました。

江口　ふふふ、ありましたね（笑）。

──松岡さんとなっちゃんの角度が一致していることや、ジャケットを担ぐように単行本を持つ江口さん、つよぽんのように本を開いてる内山さんと、皆さんもしかしてキャラクターを意識して撮られたのかなと思ったのですが。

松岡　そうなんです。撮影のときにスタッフの方から「キャラクターのポーズを真似してください」とお願いされました。

──なるほど。

島﨑　……あのですね、僕が一番最初に撮ったのかわからないんですけど、僕だけ「◯◯してください」と言われてなかったんですよ。

松岡・江口・内山　ははは（笑）。

──確かに、島﨑さんだけちょっと違う気がするなと思っていたんです。

江口　あはは（笑）。本当だ。

島﨑　みんなそれぞれキャラと同じポーズを取ってるのに、僕だけ違う決めポーズをしていて。あの、皆さんに言っておきたいんですけど、僕だけNGを出したわけではないですからね。「いや、僕はそういうキャラの真似とかしないんで」って言ったわけではないですよ！

江口　あー。やっぱNGかあ。

島﨑　いや、ちが……。

松岡　ああ……NGかあ。

島﨑　あの……いや……。うん、俺NG出したよね。

一同　（笑）。

島﨑　嘘です、あれは事故です（笑）。本当に特に指定がなかったんですよ。ムチっていう小道具もなかったですしね。

スタッフ　撮影のとき、「島﨑さんにもポーズをお願いしたいけどムチがないね」ってスタッフ同士でも話してたんです。

島﨑　用意してくださいよー！

内山　でも人が持つと途端に生々しくなっちゃうから（笑）。

江口　実写はアカンね（笑）。

──（笑）。それでは最後に改めて、読者の皆様へのメッセージを、代表して松岡さんからお願いできればと思います。

松岡　先ほど昂輝さんもおっしゃっていたように本当に絵のクオリティも高いですし、原作のキャラクターたちがそのまま飛び出してきたかのような完成度になっています。僕たちも今は収録に励んでいるところですが、原作ファンの皆様の期待を裏切りたくないという気持ちで演技をさせていただいております。なので、皆様も第1話が放送されるときにはテレビの前でしっかりと正座をしていただいて……。

江口　そこまで？（笑）

松岡　待っていただけたら、きっと期待を裏切らない作品ができあがっていると思いますので、ぜひ見逃さないで観ていただけたらうれしいです。