みんなアニメが大好きだから、めちゃくちゃうれしかった(JISOO)
──HANAにとって「Cold Night」は初のアニメ主題歌となりますが、オープニング主題歌を担当すると決まったとき、率直にどう思いましたか?
KOHARU もう……すごくびっくりしました!
JISOO みんなアニメが大好きだから、めちゃくちゃうれしかったです。
CHIKA アニメのテーマソングを歌うことは、私たちにとって夢の1つでした。
──「Cold Night」は自己否定や葛藤に始まり、強くなった主人公が「もう今までの私じゃない」と未来へ踏み出していく姿が描かれています。いのりの心情を描いた楽曲のように思えますが、つるま先生は最初に聞いた際、どのように感じましたか。
つるま すごく慎重で、確かな言葉選びをしている、ちゃんみなさんの歌詞が印象的でした。驚いたのは、歌詞の半分以上が、まるで“できない自分”をチェックしているかのような、ポジティブではない言葉なんですよね。冒頭の「Rain drop 目を覚ましてもsame old 何も変わらない」というフレーズは、少女の生々しい絶望感がリアルに伝わってきて。「泣いても変わらない」「あの子みたいにはなれない」など、悲しい自己否定を込めた、本当に暗闇の中で迷っている人の言葉で話してくれるので、その後に続く光の言葉を「私が使ってもいいんだ」と受け止められる感覚がありました。終盤は「I don't care(私は気にしない)」「I've got nothing but this fire(私にはこの炎以外に何もない)」と、ポジティブだけど無責任ではない言葉が丁寧に選ばれていて。曲調は明るく爽やかだけど、歌詞が乗ることで新しい感覚で聞こえて、「メダリスト」をこんなに理解してくれている、背中を押すような歌をいただけて本当にうれしかったです。
HANA (全員で拍手。中には涙を堪えるメンバーも)泣きそう……。ありがとうございます。
MAHINA 私たちも、ちゃんみなさんの書いてくださる歌詞が大好きなんです。つるま先生の感想をお聞きして「わかるわかる」と共感の嵐でした。
つるま よかったです。HANAさんの楽曲では、どの曲でも「自分を救うためにも、人に寄り添うためにも、自分のことを好きでいなければいけないよ」ということがしっかり描かれているじゃないですか。生きていくうえでそれが重要だと、一貫して伝えてくださっている。司といのりは一見王子様とお姫様のような関係性に見えてしまうかもしれないけど、私は、いのりはいのり、司は司で、それぞれが1人の人間として立ち上がろうとしている物語にしたいと思っているんです。作品とHANAさんの哲学が共通している気がして、光栄に感じます。
──HANAの皆さんはどのような思いを込めて「Cold Night」のレコーディングに臨みましたか? ちゃんみなさんから受けたディレクションも気になります。
JISOO ちゃんみなさんは、「『Cold Night』はとにかく歌心を大事にして」とおっしゃっていました。
MOMOKA みんなも同じかもしれないけど、私は自分の過去の経験と歌詞を照らし合わせて、その情景を思い浮かべながらレコーディングしました。
KOHARU YURIの「Rain drop 目を覚ましてもsame old 何も変わらない」という自己否定から曲が始まるんですが、そこからサビにどう持っていくかをすごく考えました。ちゃんみなさんに「サビは夢中でスケートリンクを滑っている感じで歌って」と言っていただいて、「なるほど!」と思いました。
YURI 私のそのパートは、ちゃんみなさんからの「独り言を言っているように歌ってほしい」というお言葉を意識して歌いました。「No No Girls」の4次審査で、少し似ている「朝に目を覚ましても変われない」という歌詞を自分で書いたことがあったんです。MOMOKAと同じように、私も過去の自分と照らし合わせながら歌いました。
つるま なるほど。皆さんはやはりいつも、与えられたフレーズにストーリーをどう付けるかを考えながらレコーディングに臨むんでしょうか?
KOHARU 私はそうですね。みんなも一緒かな?
(KOHARU以外のHANAメンバーが一様に頷く)
CHIKA 私のフェイク部分は、フィギュアスケートでトリプルアクセルを飛んだときのような爽快感を想像しながら歌いました。
自分のことが信じられなければ、周りの人を信じればいい(NAOKO)
──「Cold Night」は「I don't believe in myself(自分自身を信じられない)」の一文で始まり、「I don't believe in myself but I don't care(自分自身を信じられない、けど気にしない)」と、主人公が少しずつ自信を持っていく過程が描かれています。自信を持ち続けることはとても難しいですが、皆さんは自信を持つためにどのようなマインドセットをしていますか?
つるま それは本当に私の課題で……。自信を持つことはすごく難しくて、「人生は自信を獲得する旅なんじゃないか」と思いながら、日々できていることを都度確認して歩んでいる気がします。私自身、いのりに似た部分があるんです。理想の姿ばかり追い求めて、視野がどんどん狭くなって、今自分がいる場所がわからなくなってしまう。そういうときは担当編集の皆さんや、いつも周りから思いを伝えてくださる皆さんとコミュニケーションを取ることで、自分の現在地を確認します。もっとポジティブに取り出せるようにしたいけど、それが今の私の自信の持ち方ですね。
JISOO 私は自信が全然ないんです。「メダリスト」の中で、絵馬ちゃんがそれまでの努力を自信に変えて、プログラムをしっかり完成させたシーンがすごく印象的でした。あんなふうに自信がつくまで準備することが自信を作れる方法だと思ってはいるんですが、練習をしてもしても、自信を持てない時期が長くて。最近は自分で自分を信じられないときは、周りの人の言葉を信じて生きています。特にちゃんみなさんは「JISOOが自分を信じられなかったら、私を信じて」と言ってくださるんです。
つるま 皆さんにとって、本当にちゃんみなさんは心強い味方ですね。
NAOKO 本当にそうです。私もJISOOと同じく、周りの人のおかげで自信を持てています。自分のことが信じられなければ、周りの人を信じればいい。支えてくれる方々への感謝や、恩返ししたい思いがあるから、自分は自信を持ってがんばれるのだと実感しています。
オープニング映像を観たときは、うれしすぎて鳥肌が立ちました(MAHINA)
──「Cold Night」が流れるオープニング映像もご覧になったと思いますが、いかがでしたか?
MAHINA うれしすぎて……! 鳥肌が立ちました。
NAOKO YURIの声が聞こえた瞬間に「あ、HANAが来た!」と思って。続いてみんなの声が聞こえてきて、本当に感動しました。
JISOO 涙が出ました……。
MOMOKA 「どんな映像に仕上がるんだろう」と思っていたんですが、想像以上に感動的な仕上がりですごくうれしかったです。やっと実感が湧きました。
CHIKA アニメの世界に自分の声が流れて、それに合わせてキャラクターが踊ってくれていることが不思議でした。
──オープニング映像の中で踊っている選手の数はいのりを含めて7人と、HANAの皆さんと同じなんですよね。
MOMOKA そうなんです!
KOHARU 最後に花が咲いていて……!
MAHINA それと、司先生の過去も描かれていて、「こんなの泣いちゃう」と思いながら観ていました。
つるま 第2期では司と夜鷹純が初めて話すシーンが描かれるので、「この2人を描いてほしい」とリクエストさせてもらいました。第1期に引き続き、私もオープニング映像の制作に少し参加させていただいたんです。HONEYs(HANAファンの呼称)の皆さんにも、「メダリスト」ファンの皆さんにも気に入ってもらえるものはなんだろうと考えながらアイデアを出しました。すごく意気込んでしまって……自分のイメージを動画にして「こういうのはどうですか?」と、ENGIさんに提案したこともありました(笑)。
HANA ええー! そうなんですね。すごく素敵です。
つるま 監督が本当に寛容な方なので、いろいろと一緒に作業させていただきました。
これからの活動に生かしていきたいし、よりストイックでありたい(KOHARU)
──「メダリスト」をきっかけにHANAを初めて知る方も増えると思いますが、「Cold Night」を通じてHANAのどういった部分をアピールしていきたいですか?
MOMOKA 表に立つ存在って、完璧でなければならないというイメージがあると思うんです。私たちは歌詞の通り何度も転んで、それでも諦めずに立ち上がってきたグループなので、私たちのそういう部分を知っていただけるとうれしいです。
CHIKA 様々なことを経験してきて、やっとHANAで咲いた私たちは、「メダリスト」と重なる部分も多いと思います。努力をする美しさが描かれている作品なので、「メダリスト」をきっかけにHANAを知っていただけるのは本当にうれしいです。
つるま 勝手に重ねてしまって恐縮なんですが、HANAさんとちゃんみなさんの関係性は、マンガ家と物語の関係に似ているな……と、個人的に感じていて。私はいのりと司を描くにあたって、2人を自分の代弁者にしてはいけないと思っているんです。きっとちゃんみなさんにとっても、自分の声で発する言葉と、HANAさんに歌ってもらう言葉って、同じものではないですよね。でも“No FAKE”を掲げているから、ちゃんみなさんの中でも真実であり、メンバーの皆さんにとっても真実である言葉を探しながら、歌詞を書かれていると思うんです。しかも、すごく個性がある7人それぞれにとって、本当の言葉になるものを選んでいる。それってすごく愛だし、尊いなって。私は物語で“FAKE”を作っているけど、できる限り本物であることを目指しているので、ちゃんみなさんはとてつもない作業をしているなと、いつも感動します。そのちゃんみなさんとHANAさんの共通点が曲を聴く私たちとの共通点にもなって、やがて真実になるから、HANAさんの音楽はこんなにも多くの方々の胸を打つんだと思います。
MOMOKA こんなに深く自分たちのことを語ってくださることに感動です。
──今日は初めてお話ししてみていかがでしたか?
KOHARU お話しすることで自分たちの解像度が上がって、HANAのことを教えていただいたような気持ちになりました。これからの活動に生かしていきたいし、よりストイックでありたいです。
CHIKA メンバーが挙げた好きなキャラクターがバラバラだったように、つるま先生がたくさんのキャラクターをそれぞれリアルに深く描いているからこそ、読者や視聴者の皆さんもさまざまなキャラクターに共感するのだと思います。本当に尊敬しています。
MOMOKA キャラクターそれぞれにファンがいるように、私たちにも1人ひとりのいいところを見て、個性を愛してくれるHONEYs(ファンの呼び名)がいるということを改めて実感しました。本当に素敵な時間でした。
つるま ありがとうございます。HANAさんはいろんな人の思いを背負っている存在というか、私たちの代わりに戦ってくれているようなイメージをしていたんです。でも今日お話ししてみて、皆さんがとても明るくて、幸せな雰囲気に満ち溢れていたので、なんだか目を覚まさせられたような気持ちになりました。いろんな苦しさを知ってるはずの皆さんが、今朗らかで自由な心を持ち、実力を最大限に発揮して活動をされているからこそ、こんなに美しくて眩しいと感じるのだと。そして皆さんを支える方々がいることを実感して、今世界の中心にこのような女の子たちがいること、それを守っている人たちが何人もいることはなんて素敵なんだろうと思いました。皆さんの輝きを忘れないですし、これからも心から応援しています。
プロフィール
つるまいかだ
愛知県出身。2018年に講談社の主催する即日新人賞・in COMITIA123にて、「鳴きヤミ」で優秀賞を受賞する。2020年5月に月刊アフタヌーン(講談社)で「メダリスト」で連載デビュー。「メダリスト」は14巻まで刊行されている。
HANA(ハナ)
ガールズグループオーディション「No No Girls」で選ばれたCHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7人組グループ。2025年1月にプレデビュー曲「Drop」をリリースし、4月にシングル「ROSE」でソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビューを果たした。TVアニメ「メダリスト」第2期のオープニング主題歌「Cold Night」は、2026年1月24日に配信、1月28日にCDでリリースされる。また2026年3月より全17都市をまわる、HANA初の全国ホールツアーを開催する。
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