コミックナタリー Power Push -征城悠馬「ロング・ディスタンス」
新條まゆ×SCREEN mode 話題の駅伝BL、“謎の作家”はまゆたんだった! 新たなスタートと、スクモとのコラボを語る
趣味に走ってしまいました
──「ロング・ディスタンス」は、確かに筋肉の描写がすごいですよね。
新條 とにかく脱がせようと思っていて。やたら肩を出したり、やたら脚をアップにしてみたり。
勇-YOU- 陽太くんも、家ですごい半パン履いてましたよね! 俺、脚フェチなんでちょっとドキッとしました(笑)。
新條 脚はいろいろ描き直したりしましたね。こうじゃない、とか言いながら。実を言うと、かなり趣味に走ってるんです(笑)。これって、どっちかっていうと短距離選手の体つきなんです。
勇-YOU- ああ、そうですよね。長距離選手はもうちょっとほっそりしてるイメージがありますね。
新條 そう、細いんですよ。だからこれはちょっとムキムキすぎるんですけど、そこはごめんなさい。趣味に走ってしまいました。まあマンガなんだから、多少筋肉つけてもいいかと思って。サービスです(笑)。この腰のラインとか出せなかったら、私もう描いてる意味ない……(笑)。
──男性から見て、BLって抵抗ありますか?
雅友 特にないですね。人間愛を標榜してるので(笑)。過去にもBLアニメで「LOVE STAGE!!」の主題歌を担当させていただいたりもしてますしね。
勇-YOU- それに「ロング・ディスタンス」は今の時点ではBLって概念で見てなくて、純粋にストーリーが気になります。
新條 どちらかというと、人間ドラマを重視したいなとはすごく思ってます。もちろんBLもあるんですけど。
雅友 カット割りも、映画のようですよね。音楽を付けたくなるような、映像のような感じがあります。
新條 うれしいです! 背景とか雰囲気というのは大事にしているので。
──同じBLでも、「ロング・ディスタンス」と「純欲」では、作風が全然違いますね。
新條 「純欲」とは作品のノリも違いますしね。
雅友 「純欲」の曲を作るとしたら、確実にもっと明るい曲になりますからね。それこそ(TVアニメ「LOVE STAGE!!」OPテーマの)「LφVEST」みたいな。
勇-YOU- そうだね、ハチャメチャな感じのね。
これから先は、やったことのないものをやりたい
──新條さんは2014年に、あるインタビューで「もう少女マンガは描かない。BLしか描かないと思います」と宣言されてましたが、その理由を改めてお聞きしたいのですが。
新條 やっぱり、恋愛モードに気持ちがいかないというか。BLって自分が感情移入するっていうよりは萌えて描くものですけど、少女マンガの恋愛は自分が感情移入しないといけないんですね。この歳になってくると、もう若者の恋を忘れちゃってるんですよ(笑)。ときめきとか、そういう若気の至りみたいなところがすっ飛んでいるので、もう描けないかなあって。
──それはいつ頃から思い始めていたんですか?
新條 結構前から思ってたいんですけど、やめるタイミングもなかなかなくて。まだ描けるかなって思いながら描いてると、つらくなってきましたね。
──では一旦、少女マンガ家は廃業して。
新條 そうですね。でも何か感覚を取り戻したら、例えば少女マンガじゃなくても、女性誌で30代、40代の恋愛ものだったら描けるかもしれない。しかも、そういう作品ってやったことないので。今までやったことのないものを、これから先は1作1作やりたいなという気持ちがすごく強くて。
勇-YOU- 大人の恋愛ってやつですね。
──新しいステップということでは、SCREEN modeも共通するものはあるのではと思いますが。
雅友 僕らの場合は、もう全部が新しいですから(笑)。新しいステップしかないので、1歩1歩、新雪を踏みしめるように進んでます。
勇-YOU- 新雪(笑)。そうですね、チャレンジというか、毎回新鮮な気持ちでがんばってます。
「これ以上… 俺から何も 奪わないでくれ──……」
高校駅伝の全国大会・通称「都大路」で活躍し、大学駅伝界からの注目を集めている佐藤陽太と信堂陵介。複雑な家庭環境に置かれながらも、兄弟の世話をしながら練習に励む陽太。一方、地方の大病院の一人息子である陵介は、将来は医師になることを父親から義務付けられている。幼馴染でチームメイトでもある2人は、同じ大学に進み、憧れの「箱根駅伝」でたすきを繋ぐことを夢見ていた。しかし…2人を待ち受けるのは、非情な未来だった──。
新條まゆ(シンジョウマユ)
1973年1月26日、長崎県生まれ。1994年、少女コミック増刊(小学館)にて「あなたの色に染まりたい」でデビュー。人気ロックバンドのボーカリストと普通の女子高生のラブロマンスを描いた「快感♥フレーズ」が1000万部を超える大ヒットとなり、海外13カ国でも翻訳出版される。作品に登場するロックバンド・Λuciferは、実在のミュージシャンでバンドを編成しデビューを果たした。その後、過激な性描写を交えて描く「覇王愛人」や「ラブセレブ」などヒット作を生み出し、デビュー14年目に小学館より独立。りぼん、マーガレット、ジャンプスクエア(すべて集英社)、月刊ASUKA、月刊ガンダムエース(ともに角川書店)、月刊ヤングマガジン(講談社)など、多くのマンガ誌で精力的に作品を発表する。現在は初のボーイズラブ作品に挑戦。「教師の純情 生徒の欲望」と、「ロング・ディスタンス」(征城悠馬名義)の2作品をWeb連載中。
SCREEN mode(スクリーンモード)
サウンドプロデューサー・雅友(太田雅友)と、洋画吹替やアニメ、ゲームへの出演で活躍する声優・勇-YOU-(林勇)によるバンドとして2013年に結成。「SCREEN mode」というバンド名は「音の『SCREEN』を、さまざまな『mode』に変化させながらリスナーの心に焼き付けていきたい」という思いから名付けられた。2013年11月にシングル「月光STORY」でメジャーデビューして以来、アニメソングを数多く手がけ、コンスタントにシングルを発表。2014年10月には1stミニアルバム「NATURAL HIGH DREAMER」をリリースし、同年11月には東京・渋谷CLUB CRAWLで初のワンマンライブを開催。チケット即完のプレミアムライブとなった。2015年4月に通算5枚目となるシングル「アンビバレンス」、7月に1stフルアルバム「Discovery Collection」をリリース。11月には初のワンマンライブツアー「SCREEN mode LIVE TOUR 2015 ~Discovery Collection~」を行う。