「組長娘と世話係」は鬼畜なイケメンヤクザと、お年頃の女の子によるハートフルコメディ。コミックライドピクシブで連載されており、単行本は最新3巻が2020年1月24日に発売される。3巻では通常版に加え、ドラマCD付きの限定版、さらにドラマCDと台本付きの特装BOXを展開。これを記念しコミックナタリーではドラマCDで主人公・霧島を演じる細谷佳正にメールインタビューを行い、本作の魅力や霧島への印象、石川界人演じる霧島の舎弟・杉原の声を聞いてどう思ったかなどの質問に答えてもらった。最後には原作者・つきや描き下ろしマンガもあるのでお見逃しなく。
構成・文 / 西村萌
28歳の霧島透は、極道・桜樹組の若頭。敵と判断した相手には容赦なく、通称“桜樹の悪魔”と呼ばれていた。そんなある日、桜樹組の組長から呼び出しが。一体なんの用かと思えば、組長は一人娘・八重花のお世話係を霧島に任命し……。
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簡単そうに見えたはずが、ますます髪をグチャグチャにしてしまう霧島。舎弟の杉原がからかってくると、彼の長い髪を引っ張りながら「ちょっと後でつきあってもらおうか」と練習台になるよう脅す。
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霧島は八重花を小学校に送り届ける途中、敵の組に尾行されていることに気付く。八重花に「だるまさんが転んだをしよう」と提案し、目をつむらせている間バレずに倒してみせた。
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授業参観があると遠慮して言えなかった八重花だが、お便りを見て気付いた霧島が小学校に。八重花に喜んでもらいたい一心だったが、周りのママさんたちの目線に耐えられなくなる。
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霧島の歩み寄りで、ようやく心を許してくれるようになった八重花。次第に八重花は、ずっと気がかりだったお母さんに対しての本音を霧島に打ち明けるまでになる。
- 細谷佳正はじめ、豪華キャストが再び集結
- 「組長娘と世話係」の1・2巻発売時にYouTubeで公開されたPVに引き続き、細谷が主人公の霧島透役を担当。また八重花役で和多田美咲、霧島の舎弟・杉原恵役で石川界人も続投するほか、桜樹一彦役で竹内良太、黒崎香菜美役で小林未沙が新たに出演する。
- 原作者・つきや書き下ろしエピソードを収録
- 単行本1巻のエピソードが中心となるドラマCDだが、ラストには書き下ろしの「酒とヤクザと悩み相談」が収録されている。八重花をお留守番させ、夜のバーで飲んでいた霧島と杉原。お酒も回ってきた頃、杉原が霧島に対して日頃の鬱憤をぶちまけてきて……!?
──細谷さんが考える、「組長娘と世話係」の魅力はなんでしょうか。
つきや先生が本当に自分が描きたいものを描いていらっしゃるところに、僕は魅力を感じました。商業的なものや、客層にサービスしたものではなく、本当にやりたいことをやっていらっしゃるんだなと、僕は読んで感じたので、そこが本当に尊いし、魅力的だなと感じます。
──霧島にはどのような印象を持っていますか?
つきや先生は、「本物の極道」という存在を知っていらっしゃるのではないかな?と感じるほど、自分の中で霧島の存在感や、心の動きのようなものにリアリティを感じました。初めて原作を読ませていただいた時期が、影響しているのかもしれませんが、僕は霧島に対して「理不尽な出来事や、不幸、つらさ、怒り、悲しみといったたくさんの感情に闘争心を剥き出して、闘ってきた過去があって。そうやって闘うことに疲れてしまって、何かを過去に捨ててきた男」という印象を持ちました。僕は、そうやって感じた気配と、つきや先生の「組長娘と世話係」が出来るまでのエピソードを読んで、「霧島はつきや先生なのではないか?」と思いました。たくさん闘って、たくさんの苦労を経験して、本作を生み出した……。そこにつきや先生と重なるものがある気がしました。僕も同じような事をその時期経験して、同じような心持ちだったので、親しみを覚えました。
──お気に入りのキャラクターと、その理由を教えてください。
霧島。理由は共感できたからです。
──原作で好きなエピソードはどこですか?
つきや先生のエピソード。
──霧島と八重花の関係をどう思われますか?
勇気を持って自己主張を続けた結果、何かに到達した人間(霧島)と、いろんなしがらみから自己主張を避ける人間(八重花)。その2人が一緒にいることで、お互いが何かに気付いたり、癒されていくのかも知れないなと思いました。
──ドラマCDの収録にあたり、霧島の声作りで工夫した点があれば教えてください。
1人で収録で、すべての相手役のセリフを聴くことが出来ない収録だったので、それが大変でした。
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細谷佳正インタビュー + つきや描き下ろしマンガ