アニメ「殺し愛」大西沙織(シャトー・ダンクワース役)×下野紘(ソン・リャンハ役)|「アフレコが始まるまで妙にドキドキ」「叫べないのがつらくて」素の自分とギャップのあるキャラクターを、2人はどう演じた?

リャンハは叫んだりしない。それがつらくてつらくて(下野)

──もう収録は最後まで終わっているということでしたが、全編を通して印象に残ってるシーンはありますか?

ホー(CV:前野智昭)。リャンハがかつて所属していた組織の元構成員。

大西 具体的なシーンではないのですが、今回けっこう戦っている場面が多くて。シャトーは割とホーさんとかに蹴られたり、首を掴まれたりしていたので、息が詰まる演技みたいなのがすごく多くて。クラクラしてしまうことがよくありました。普通にセリフをしゃべるよりも疲れるというか、大変なんですよね。

下野 大西大変だなって思って見てました(笑)。僕は逆に、それができなくて。リャンハって強いじゃないですか。傷付いたりしても、あんまり「ぬあー!」って叫んだりしないんですよ。攻撃するときにも「はあっ!」って声を出したりしない。さっきの引き出しの話じゃないけど、僕が今までの声優人生でやってきた経験からすると、どうしても条件反射でいろいろ反応したくなるんです。それをぐっとこらえて、スマートに蹴りを入れたりしなきゃいけないのが、つらくてつらくて。「絵はめっちゃ動いてるし、すごい力強く蹴ってるのになあ」「でも何も言えないんだよなあ」って。

大西 半分分けてあげたかったです。

下野 けっこうそういうシーン、多かったもんね。

大西 多かったですね。シャトーも別に弱いわけではないのですが、なんかこう、物語のポジション的にやられるところが多くて。

下野 でもシャトーがやられなかったら、あとやられるのジムだからね。

大西 だめ! ジムはだめー!

──今お話に出たジムは、原作では“インド人”と呼ばれているキャラクターで、アニメでは天﨑滉平さんが演じられますよね。ほかのキャストの方とのことも、ぜひお聞きしたいです。

右がジム(CV:天﨑滉平)。リッツランサポート商会の経理担当。

大西 天﨑さん大変そうだなって思ったのが、ジムのセリフが全部カタカナなんですよ。

下野 大変そうだったよね。リテイク出されても、「今の節の何が間違いだったの?」って思っちゃうもん。

大西 でもジムと社長(エウリペデス・リッツラン)がいてくれるシーンは、ホッとできるみたいなところはありました。シャトーとリャンハだけだと、やっぱり緊張感があって。

下野 今回、マンガでは描かれていない部分が、放送後に公開されるオーディオドラマで描かれているんですが、本編とは違った顔、違った雰囲気を見せるキャラクターが多いんです。そのギャップも面白いので楽しんでいただけると思います。

アニメは原作のいろんな魅力を、あますことなく観られます(大西)

──アニメの放送は1月12日にスタートします。原作からのファンだという人と、アニメで初めて「殺し愛」に触れる人、それぞれにメッセージをいただけますか。

大西 まず原作を読んでいらっしゃる方に。私もいち読者としてマンガを全部読んでいるのですが、本筋とは別に、間に小話的なものが挟まっているのを、アニメではどういう時系列でやっていくのかなというのが疑問だったんです。でもアフレコが全部終わった今、改めて振り返ると、すごくきれいに1本のお話にしてくださっているなと思ったんですね。そういう部分も含めて、原作のいろんな魅力をあますことなくアニメで観られると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。アニメでどこまでやるのかなというところも楽しみにしてもらいつつ、アニメから入られる方は、続きが気になってもすぐマンガで読めるので、ぜひ原作も併せて楽しんでいただけるとうれしいです。

下野 アニメーションでしか描かれていない部分も、原作にしか描かれていない部分も、どちらもあるので、アニメからという方は、まずアニメを観て、次に原作に触れてというように、どちらも楽しんでいただけたらいいなと思います。原作を読まれている方にも、シャトーとリャンハがどうなっていくのかわかっていても楽しめるような仕上がりになっているかと思います。先ほどもお話ししましたが、マンガにない部分がオーディオドラマとして描かれていたりもして、こちらは本編からも若干脱線したような形で(笑)。時系列的にここっていうのは存在するのですが、「果たしてこのやり取りが本当にあったのかな?」という、ちょっとコミカルな部分も楽しめるような仕様になっておりますので、原作を読んでいる方でも新鮮に楽しめるのではないかと思います。ぜひアニメを観ていただけたらうれしいです。

左から大西沙織、下野紘。

──今日は特番で披露されるサバゲー対決の収録の直前に取材をさせていただいているので、その話も少し伺わせてください。おふたりはサバゲーの経験はあるんですか?

下野 僕はサバゲー経験もありますし、あとシューティングバーにも行ったことがあります。何発いくらみたいな感じで貸し出してくれて、お酒を飲みながらみんなで遊んだりできるスペース。いろんな種類のモデルガンが使えて、俺が行ったところは一度に百何十発って弾が出るショットガンなんかもあって。あれはもう的を狙って撃つとかじゃなくて、ストレス発散のためだけに存在するものなんだろうな。

大西 へー! いいですね。知らなかったですが、ちょっと興味が出てきました。

下野 サバゲーのほうは、知り合いのカメラマンさんに誘われて行ったんですよ。山のほうでやらせていただきました。

大西 私はそういう経験が何もないです。サバゲーってペイント弾を撃つイメージだったんですけど、さっき会場を回ってたらBB弾がいっぱい転がってたので、おそらくあれを撃つんですよね? 痛くないようにしてもらえたらいいなと……。

──初体験の大西さんに、経験者の下野さんからアドバイスをするとしたら?

下野 アドバイスというか心の準備として、野戦で撃たれるよりも、屋内で撃たれるほうが痛いらしい。

大西 それは距離が近いからってことですか?

下野 たぶん。あと出合い頭でっていうのもあるみたい。

大西 なるほど……。でも、相手が下野さんでよかったかもしれないです。そんなに遠慮をしないで済む(笑)。よく知らない先輩とかだったらちょっと遠慮しちゃうけど、下野さんなら全然撃てますから。

下野 なにその忖度!?(笑)

──最後にサバゲーの意気込みを。

大西 先輩を倒すぞー!

下野 それ(棒読み)って書かれるぞ(笑)。僕はなるべく無駄弾を撃たずに、かつ大西の弾に一発も当たらないようにがんばりたいと思います。

2人のサバゲー対決は特番でチェック!

大西沙織(オオニシサオリ)
8月6日生まれ、千葉県出身。主な出演作に「ウマ娘 プリティダービー」(メジロマックイーン役)、「可愛いだけじゃない式守さん」(式守役)、「冴えない彼女の育てかた」(澤村・スペンサー・英梨々役)など。
下野紘(シモノヒロ)
4月21日生まれ、東京都出身。主な出演作に「鬼滅の刃」(我妻善逸役)、「僕のヒーローアカデミア」(荼毘役)、「進撃の巨人」(コニー・スプリンガー役)などがある。

2022年3月26日更新