ラークとクンの再会にグッ
──ちなみに植村さんのタイプなキャラクターを挙げるとすると?
うーん……じゃあ、ラークで!
──意外なチョイスが(笑)。ラークは愛嬌たっぷりな、爬虫類のような獣人のキャラクターです。
こんなに強そうな見た目なのに、マスコットキャラ的な感じだったり、ちっちゃくなっちゃったり、チョコバーが好きな大食いだったり。今放送されているエピソードだとおふざけ要員な印象が強いですが、すごく熱くて素直なんですよね。癒されますし、クンとの再会シーンでもクンと夜への思いを語っていて、「仲間に恵まれてよかったね……!」と思いました。
──仲間同士の絆も、「神之塔」の大きな魅力ですよね。絆を感じられるシーンの中で、特に好きなところはありますか?
アルレンの手でビオレがクンと再会するけど、ビオレは自分が夜だということを隠しているがゆえに、ぎこちない芝居で逃がそうとするシーンがあるじゃないですか。クンがちゃんと見抜いていることも含めて、あそこはすごい!と思いました、生死がかかったシーンなのに、軽妙にやり合っているところに余裕を感じて……。強い人たちなんだなと改めて感じました。
──言葉で表現しなくても伝わる関係性にグッときますよね。植村さんもグループ活動を長年続けていたので、ご自身の経験とリンクする瞬間がありましたか?
そうですね。ライブのときは、体調不良で出演できないメンバーがいることもあるんですけど、Juice=Juiceはそういうとき、いつにも増してパワーが出るんですよ。休むメンバーの歌のパートは別のメンバーが担当するので大変ですが、逆境をプラスのエネルギーに変えていく。それは仲間がいてこその感覚だなと思いましたね。自分が病欠した公演を後から映像で観て、すごいパワーを感じると「うわあ、ありがとう!」と心から感謝するし、そういうときに仲間とのつながりを感じます。今はJuice=Juiceのライブを外から観られるのが新鮮で楽しくて。また違った形で、メンバーとのつながりを感じていますね。
──卒業した植村さんは、2期の冒頭での、仲間と離れて奮闘してきたビオレの姿に少し重なるかもしれないですね。
確かに。冒頭ではわからなかったけど、ビオレは仲間を人質に取られていたんですよね。「それはもう、強くなるしかないよね……」と切なく思いながら見ています。そういえば……ビオレの体、以前に比べてバキバキになっていませんか? 原作で肌が見えるシーンがあって、「あばらのこんなところに筋ってできるもの?」と、びっくりしました(笑)。相当つらい日々を乗り越えた人にしかできない勲章ですよね。
──そんなに細かい部分までチェックしているんですね!(笑)
すごく見てしまいます(笑)。重厚なストーリーとコミカルな描写、迫力のバトル描写が全部入っているのが「神之塔」のすごさですよね。先に何が起こるかわからない展開に引き込まれて、気が抜けないです。ポップなシーンでほのぼのしていたと思ったら、次の瞬間には「ケンカするほど仲良し」なんて言葉では収まらないくらいの争いが始まっていたり(笑)。とにかく濃厚で、気を抜いていると脳が情報を処理しきれないから、次の週の放送を迎える前に、過去のエピソードをLINEマンガで復習したりします。
「神之塔」を観たあとは、少し生きやすくなる気がする
──こうしたハラハラする展開の作品って、植村さんのように若い女性の方は、あまり自分から進んで手に取らない方も多いと思うんです。そうした方々に「神之塔」を薦めるとしたら、どういうポイントを推しますか?
全世界で人気があることも頷けるような、本当に間口が広い作品なんですよね。馴染みやすいキャラクターも多いから、「このキャラ、あの友達に似てるな」みたいに想像が膨らむことも多いんじゃないかな。そういう意味でも、私の中では人間味を感じるというか、二次元っぽさが薄い作品だという印象があるんです。私みたいにあまりアニメをたくさん観ていない人でも、ハマってしまう要素があるんじゃないかな。一度手に取ったら中途半端で終われない、こんなに見応えのある作品はなかなか出会えないと思いますね。もしこの言葉が響いた人がいたら、気軽に観ていただきたいです! 「ちょっと疲れたな」「現実逃避したいな」というときも、別世界に連れて行ってくれます。
──現実とかけ離れたファンタジーでありながらも、1人ひとりに人間味を感じるんですね。
はい。ストーリーが本当に心に響いて、「神之塔」を観た後は、少し生きやすくなる気がするんです。結局最後に残るものは何か、何が大切なのか、ということが追求して描かれていると思います。
──ちなみに「このキャラはJuice=Juiceのあのメンバーに似てるな」とパッと思いつく人はいますか?
うーん……(段原)瑠々はクンさんっぽいかなって! 裏までかける絶対的な司令塔。最近の瑠々ならうまく務めてくれる気がします。瑠々と接していると「そういう視点もあったんだ」って、絶対に私じゃ思いつかないような物事の見方に感心することが多いんですよね。
──新リーダーとして頼もしい存在ですね。ちなみに植村さんが、自分に似ていると思うキャラは?
うーん……いや、いないかな?(笑) 強いて言えば……食べることが好きだからラークで!
主題歌きっかけでJYPの沼にハマる
──最後に、植村さんの近況についても少しお聞かせください。6月にグループを卒業してからは、どんな日々を過ごしていますか。
とても穏やかに過ごしています。自分の中で力が抜けてしまったのか、卒業直後は1カ月くらい体調を崩してしまったんですよ。その後回復してから、気になったお店に足を運んだり、友達と遊んだりしていました。アイドル時代は土日にライブが入っていたので、1週間は5日みたいな感覚があったんです。卒業してから「そうか、1週間って7日もあるんだ!」という気づきがありました(笑)。
──(笑)。では今はやっと、新生活のペースに慣れてきたところですかね。
はい! あと、最近はK-POPにどんどんハマっています。もともとTWICEさんが好きだったんですが、「神之塔」をきっかけにStray Kidsさん、NiziUさんをはじめ、JYP(エンターテインメント)の沼にどっぷりハマって。お友達にも好きな子が多くて、今度ライブにも行く予定です!
──そうだったんですね! オープニング、エンディング主題歌を2期では「王子の帰還」でNiziUさん、「工房戦」で1期と同じStray Kidsさんがそれぞれ手がけていますが、聴いてみていかがでしたか?
同じアーティストがオープニングもエンディングも担当するというのは、アニメと同化している感覚を覚えて引き込まれますよね。楽曲のクオリティも高くて、世界観が統一されているところも魅力的です! NiziUさんは、それまでの楽曲とガラリとコンセプトが変わってカッコよくて。特に「BELIEVE」が好きで、ずっと聴いています。
──今後はどんな活動をしていきたいですか?
自分が活力に溢れていないと元気を届けられないので、今はダンスやピラティスに行ってみたり、とりあえず体を動かしてみたり。もともとインドアなんですけど、趣味を広げようと動いています。その中で新しい自分に出会うことも多いですね。今後も楽しみながらいろいろなことに挑戦して、皆さんに元気を届けていきたい。なんでもやってみたいです!
プロフィール
植村あかり(ウエムラアカリ)
1998年12月30日、大阪府出身。2012年にハロプロ研修生に加入し、翌2013年にハロプロ研修生から結成された新グループ・Juice=Juiceのメンバーに選出される。2021年にはJuice=Juiceの3代目リーダーに就任。2024年6月14日に日本武道館で行われた卒業公演「Juice=Juice Concert Tour 2024 1=LINE 植村あかり卒業スペシャル」をもって、Juice=Juiceおよびハロー!プロジェクトを卒業した。現在はMBSで放送中の番組「西乃風ブラン堂」に出演中。今年5月には写真集「Strelitzia」を発売した。
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原作「神之塔」はLINEマンガで連載中