「王道なのに先が予想できない!」(夜役・市川太一)「男の子が好きそうなものばかり」(クン役・岡本信彦)「最終回後に1話から見返して!」(ラヘル役・早見沙織)キャストが語るアニメ「神之塔 -Tower of God-」の魅力

「神之塔」は“男の子が好きなもの”ばかり

──メインキャラクター以外にも、ユニークなキャラクターが多いのが本作の魅力だと感じますが、皆さんは好きなキャラクターはいますか? SNSを見ているとラークやアナクが人気のようですが。

三宅健太演じるラーク。

市川 ラークは原作でも好きでしたが、三宅さんが演じてくださったおかげで、よりその魅力が掘り下げられたと感じます。だから人気なのはすごく納得です。特殊な設定や心理戦などがあって、意外と頭を使う「神之塔」において、ラークって癒しの存在なんですよね。単純に見ていて面白いキャラクターなので。

早見 私はレロ・ローさんが好きです。いかにも妖艶だし、それでいてモノローグも意外と多くて、人となりも見えて親しみやすい。津田健次郎さんのお声も相まって素敵です。

岡本 確かに。ユハンに対して「インスタント(コーヒー)かい!」ってツッコんだり。

市川 レロ・ローはギャグシーンもありますもんね。

深町寿成演じるハツ。

岡本 僕はハツが好きです。アナクって強いじゃないですか。でも最初の選別試験でハツはそんな彼女と互角にやり合っていたから、「ハツも人気が出そうだな」と僕は勝手に思ってはいたんです。まあその後に「上には上がいる」みたいな感じになりましたが、その格上と対峙するときもカッコいいですし。

──岡本さんはそういったバトル面を特に楽しまれているんですね。

岡本 はい。「神之塔」って男の子が好きそうな要素が随所にあるとずっと思っているんですよ。まず基本的にバトルロイヤルや試験みたいなのって好きじゃないですか。

市川 好きですねー。

岡本 「こいつとこいつが戦ったらどっちが勝つか」みたいに、勝手に脳内で戦わせちゃうし。男の子はやっぱり強さの話が好き。僕だって塔の頂上まで登って願いが叶うなら、「ドラゴンボール」のフリーザが名乗っていたみたいに、宇宙最強になりたいですもん。

末柄里恵演じるエンドロシ。第7話「ご飯と鬼ごっこ」では激闘の末、アナクとエンドロシの確執が解消される。

一同 (笑)。

岡本 しかも「神之塔」はその強さがキャラクターの見た目では判断できないのが面白くって。例えば日本だと怒りっぽいキャラクターが強いって珍しいから、アナクがそこまで強キャラなのが意外ですよね。逆にあまり感情的にならず、余裕でほくそ笑んでいるキャラクターのほうが強いイメージがあるから、エンドロシだと強いとわかるんですけど。

──わかります。そもそも「神之塔」はキャラクターデザインが楽しいですね。日本の作品ならアナクをあそこまで緑の肌にしないだろうし、ラークなんてただのワニじゃないですか。しかも他人を「亀」呼ばわりするという。

市川 そうなんですよ。メイン以外にも気になるキャラクターが多くて、ついつい隅々まで見てしまいます。

──「ワンピース」のゾロみたいな格好してるキャラクターもちょこちょこと画面に映ったり。

早見 ははは(笑)。

市川 いましたね! 僕も先ほど岡本さんがおっしゃったのとは少し違う意味で、意外性があると感じています。「神之塔」の、塔の頂上に登ったら何でも願いが叶うという設定は王道ファンタジーだと思うんです。でも物語は全然予定調和ではなく、先が予想できない展開が多い。そこが「神之塔」の一番の魅力だと感じます。

これまでのラヘルの行動に注目を

──最後に今後放送される終盤について聞かせてください。先に拝見したところ、とても大きなターニングポイントがあるようですが、あの回でのアフレコ現場はどんな雰囲気でしたか?

市川 毎回、翌週分の台本を現場でもらうんですけど、その回の台本をもらったときは「ついに来週ですね」という話をした覚えがあります。

早見 「いよいよここまで来たか……」という感じでしたよね。

第1話「BALL」より。ラヘルはともに過ごしていた夜を置いて神の塔の頂上を目指し始める。その真意は……?

市川 ネタバレになるから詳しくは言えないけど、原作を読まずにアニメでこの物語に触れている人は驚くと思うんです。そのターニングポイントが来たら、ぜひ一度これまでの物語を振り返ってほしいですね。

早見 私は、最終回後に1話から見返してほしいです。終盤のラヘルの思いや、そこに至るまでの、夜たちとは別軸で動いていた彼女の気持ちの変化に齟齬がないようにお芝居してきたので。

──岡本さんは終盤を迎えるにあたってどんな思いですか? ラヘルの話が増える分、クンの影が少し薄くなるかもしれませんが……。

岡本 でも、僕はもはやクンはこの作品のヒロインなんじゃないかと思っていますよ。

──ラヘルが普通のヒロインではない分、ですね(笑)。

岡本 そう。あと早見さんがラヘルのことを「別軸で動いてる」と表現していましたけど、別軸で動いているキャラクターはほかにもいるんですよね。アニメだけではわからない話になってしまうんですが、監督からその話を聞いて、この作品はめちゃくちゃ奥が深いなと感じていて。

──市川さんは別のインタビューで、このアニメの物語を「序章」と表現されていました。確かに原作だと、現時点で400話以上ある中で、アニメ第10話はまだ60話前後なんですよね。

早見 まだまだ先が長い!

岡本 ここから先で明らかになる謎や回収される伏線もたくさんあるし、やっぱりすごい作品だと思います。僕、つい「神之塔」の強さランキングみたいなものを見ちゃったんですけど、このあともすごいキャラクターが登場するみたいじゃないですか。

市川 とんでもなく強いキャラクターがどんどん出てきますよ。

──原作については、特集第3回で市川さんにたっぷり語ってもらいましょう! 本日はありがとうございました。