「邪神ちゃんドロップキック」は神保町のボロアパートに暮らす厨二病の女子大生・花園ゆりねと、彼女が偶然召喚に成功してしまった、クズな性格の悪魔・邪神ちゃんが織りなすコメディだ。ユキヲによる原作はCOMICメテオにて連載されており、7月より放送されているテレビアニメには、野沢雅子、梶裕貴、三浦祐太朗ら、毎話さまざまなゲスト声優が出演。コミックナタリーは第6話に参加する生駒里奈のアフレコに密着し、その様子をレポートする。また撮り下ろし写真もふんだんに掲載しているので、そちらも併せてお楽しみあれ。
取材・文 / 宮津友徳 撮影 / 山本哲也
舞台となるのは東京・神保町にある六畳間のボロアパート。ちょっぴり残酷で厨二病の気がある女子大生の花園ゆりねは、古本屋で買った魔導書で悪魔召喚の儀式を行っていたところ、図々しくて卑怯な性格の悪魔・邪神ちゃんの召喚に成功してしまう。
勝手に召喚したものの、邪神ちゃんを魔界に帰す方法はわからないというゆりね。仕方なくアパートで共同生活を始めた邪神ちゃんとゆりねだったが、邪神ちゃん曰く「召喚者が死ねば魔界に強制的に送り返される」らしい。そこで邪神ちゃんは闇討ちや毒殺など卑怯な手も厭わずゆりねを殺そうとするも、いつも彼女に返り討ちにされてしまう。そんな中邪神ちゃんの友人である悪魔たちや、悪魔から人類を守るという天使などが次々と現れて……。
今後は声優の仕事にも挑戦してみたい
これまでにもナレーションなどで声の仕事を務めてきた経験はあるものの、アニメのアフレコに挑戦するのは本作が初めてだという生駒。「今回は出演と言っても一言だけなので、自分の中では『声優仕事を始めました』とまでは言えないかもしれないですね(笑)」と語り、「ただ今後声優業に挑戦していきたい気持ちはあります。今回の出演のお話をスタッフから聞いたときも、その第一歩だと思って受けさせていただきました」とオファーを受けた理由を明かす。
毎話ゲスト声優が出演するアニメ「邪神ちゃんドロップキック」。生駒が登場するのは第6話のBパート。残暑が続く中、邪神ちゃんがかき氷屋を無許可で公園に出店しひと儲けしようと企む、原作3巻収録の第32話「夏の魔物たち」に相当するエピソードだ。公園のかき氷屋に客として訪れた女子学生Aを演じた生駒は、スタッフからの指示をなんなくこなし、一発OKでアフレコを終了させた。映像に先行して音声を録音するプレスコ方式で行われた収録については、「ナレーションのお仕事は完成した映像に音声を乗せていたので、ラフの絵に対してセリフをしゃべるというのは新鮮な体験でした」と振り返る。
アイドル好きなら「邪神ちゃん」にハマると思う
「邪神ちゃんドロップキック」のメインキャラクターはすべて女性で固められており、男性キャラが登場する機会はほぼ皆無。「NARUTO-ナルト-」をはじめ、少年マンガが大好きだと公言している生駒に本作を読んだ感想を尋ねると、「普段はファンタジーとかバトルものばかりで、女の子だけが出てくる作品ってほとんど読まないんですよ。だから私にとって『邪神ちゃん』は未知のジャンルでした(笑)」とコメントしながら、「いろいろな悪魔や天使がでてきますけど、どのキャラも衣装がかわいいです! 特にゆりねちゃんの服が好きですね」と、ゆりねが常に着用しているゴスロリ服に興味がある様子。
この日のアフレコにはTシャツにデニムというラフなスタイルで参加した生駒に、ゴスロリ服を着ることもあるのかと尋ねてみると「自分では着ないですね(笑)。私は女子っぽくない性格で、どちらかというとサバサバした男基質なところがあると思っていて。普段の服装もそういう格好になることが多いです。でもマンガなんかでこういう格好をしている女の子はかわいいなと思いますね」と回答し、「アイドルが好きな方だったら、『邪神ちゃん』の中で展開されるゆりねと邪神ちゃんのやり取りは『かわいいな』と思って観ることができると思います。ビジュアルがかわいいキャラばかりなので、『邪神ちゃん』の中からも推しを見つけてください!」と自身のファンに対しメッセージを送った。
原作のある作品に出演する際の心構えは…
なお生駒は乃木坂46卒業後、7月に「魔法先生ネギま!」を原作とした舞台「魔法先生ネギま!~お子ちゃま先生は修行中!~」でネギ役で主演を務めるなど、これまでにもマンガやゲームを原作とした映画や舞台に多数出演している。
「邪神ちゃんドロップキック」への出演を第一歩に声優業に挑戦したいという彼女に、原作のある作品に出演する際の心構えを聞いてみると、「そのままにやらないっていうことですね。たとえばマンガを原作とした作品を舞台化したら、生身の人間が演じるわけですし、どうやっても原作をそのままには再現できない。だったら『原作のアイデアをお借りして、この作品を人間がやったらこうなるよ』って、最初から別物として見てもらったほうが見やすいんじゃないかなと思っているんです。私はそうやって演技をしていますね」と熱く語った。