ドラマ「I

ヒロインの中で一貴に一番似ているのは伊織

──ご自身と一貴とで似ているなと感じる部分はありましたか?

岡山天音扮する瀬戸一貴。

岡山 一貴って弱くはありますけど、芯の部分では美しい心を持っていると思うので僕なんかが「ここが似ている」と言ってしまうのはおこがましいですね(笑)。でもビジュアル的なところだと、白石さんからは(鼻筋と目の間を触りながら)「この部分が似てる」って言われました。

白石 言いましたっけ、そんなこと(笑)。

岡山 僕もどういう意味で似ているのかよくわからないんだけど(笑)。ビジュアルの撮影をしたときに「原作の一貴と似てなくない? 大丈夫かな」ってこぼしたんです。そうしたら白石さんが「いや、似てますよ。鼻筋と目の間が似てます」って。

白石 あっ、思い出しました! 一貴って伊織ちゃんとのシーンでは特にそうなんですけど、原作だとけっこう険しい顔をしているんですよ。

──確かに伊織に対して逆走してつんけんした態度でいるときは、そういった表情を取ることが多いですね。

白石 だからそういうときの一貴と、岡山さんが険しい表情をしたときの鼻筋と目の間のあたりが似ていると言ったんだと思います。

岡山 そこが似てるって、もはや遠回しに似てないって言っているのと同じだよね。「似ている部分そこしかないの?」って(笑)。白石さんは伊織ちゃんと似ているなと思うところってある?

白石聖扮する葦月伊織。

白石 伊織ちゃんって一貴のことがずっと好きなのに、言葉にうまく出せなくて基本的には不器用な子だと思うんですよね。一貴が逆走しちゃったときの言葉に対して、自分も思っていないことを言ってしまったりしますし。私も「この人のことが好きだな」っていう人に対してうまく言葉にできないほうなので、そういう部分は「ちょっとわかるな」って思いました。

岡山 伊織ちゃんが不器用っていうのはまさにその通りだよね。僕はヒロインの中で一貴に一番似ているのは伊織ちゃんだと思っているんです。ほかの3人はけっこう大人な面があっていろいろなことを小器用にできるタイプですけど、伊織ちゃんは一貴みたいに逆走してしまう。

白石 一貴もそうですけど、それはお互いのことをずっと一途に思っているからなんでしょうね。それだけ気持ちが強くなるというか。

岡山 伊織ちゃん以外のヒロインで好きな子っている?

白石 最初は泉ちゃんが気になりましたね。私は伊織ちゃん目線で原作を読んでいたんですけど、いつきちゃんは一貴の幼なじみという要素があるから、ひとつ超えられない壁がある気がしていて。いつきちゃんと一貴が付き合うならしょうがないかなって思ってしまう部分があるんです。でも泉ちゃんって途中から現れて特別な繋がりがあるわけではないのに、一貴にすごいアプローチしてくるなって思ってしまって(笑)。そういうグイグイくる部分は好きですね。

岡山 恋のライバルだから嫌いとかじゃなくて好きなんだ。

白石 面白い子だなと思いました。素直に気持ちを伝えられるのは最強っていう感じがします。

恋愛は全員が幸せになれるわけじゃないけど……

白石 岡山さんは一貴と自分の恋愛観で似ているなと思った部分ってあります?

岡山天音

岡山 うーん……。男の子って恋愛していたら一貴みたいな態度になる部分は少なからずあると思うんだよね。やっぱりヤキモチは焼きますし、逆走して思ってもないことを言っちゃったりするので。そういう部分は僕だけというわけではなく、特に10代の男子であれば共通して重なる部分なのかなと思うな。

──ドラマはすでに撮影をすべて終えていると伺いましたが、おふたりが印象に残っているシーンを挙げるとしたらどこになりますか?

「I"s」87話より。クリスマスイブのパーティで「告白できなかった」と落ち込む一貴に対しての伊織の一言。

白石 私はバレンタインデーに伊織ちゃんが一貴にチョコをあげようとするシーンが印象に残っていますね。伊織ちゃんが一貴に対して初めて素直になったシーンだなと思っているので。結末を言うとネタバレになってしまいますけど、最後は一貴に対して「オイッ!」ってなっちゃって、演じていて切なかったです。

岡山 一貴がまた逆走しちゃってね。僕は一貴の告白のシーンが印象に残っていますね。電車内のシーンなんですが、その場面を撮るためだけに大阪まで行ったんです。終わったらとんぼ返りしたのでまったく大阪を楽しめなかったというか(笑)。

──では最後に、おふたりが考える「I"s」の魅力を教えていただけますか。

白石聖

白石 一貴の妄想シーンをはじめ、お色気な描写がたくさんある作品という印象が強い人も多いと思うんですけど、もちろんそれだけではなくて恋愛がとても丁寧に描かれていますよね。

岡山 うん。10代のある一定の期間にあるキラキラした瞬間が詰め込まれていると思います。大人になるといろいろなことに対する感覚が10代の頃からは変わってきて、当時のままではいられない部分もあると思うんですけど「I"s」を観ると10代の頃の感覚に引き戻してもらえるんじゃないかと。

白石 三角関係とか四角関係になれば特にそうですけど、恋愛って必ずしも全員が全員幸せになれるわけじゃないんですよね。「I"s」ではキャラクターが恋愛で誰かを傷つけてしまったりすることもありますが、その中でそれぞれが成長する部分もしっかり描かれている作品なので、原作ファンの方はもちろん、これまで作品を知らなかった世代の人たちにも観ていただければと思います。

左から岡山天音、白石聖。