ギアスの新たな道を示した“誓いのシーン”
──最終幕で印象的だったのが、改めてサクヤがアッシュにギアスをかける誓いのシーンでした。あれは、「コードギアス」シリーズ屈指のロマンチックなギアスのかけ方だったなと。
天﨑 この誓いのシーンで、アッシュがロゼのウィッグを外すところが印象的で。ファンの方の感想を読んでいたら、このウィッグを外す動きが、花嫁のベールを下ろす表現に見えたと書かれている方がいたんです。そう思うと、ロゼの姿がとても美しく、尊いものに見えてすごく素敵ですよね。
古川 ここって、他者に振り回されて生きてきたアッシュが、やっと自分の意志を持って行動したシーンだと思っているんです。ここまでのアッシュとロゼの関係性の変化や過去に重護がアッシュに託した願いとか、そういうものがいろんな意味を持った結果、アッシュから「もう一度俺にギアスをかけてくれ」という言葉が出たんですよね。 追い詰められた2人が、手を取り合って協力しましょうと、ただ再契約をしたのではなく、また別な絆の深まり方をしたからこそアッシュは「イエス ユア マジェスティ」と言葉を返せたんじゃないかなと。ここで、「反逆のルルーシュ」という過去の偉大なる作品とは別の終着点にたどり着くための礎が固まった気がしたんです。本当に最終幕を象徴するシーンだなと。
天﨑 確かに。“ギアス”って呪いというイメージがあるし、このシーンでも「ギアスの呪い」というワードが出てきていて。でも、このシーンは「呪い」というだけではない道を示せている感じがしますよね。
古川 ギアスを使ったことで起きてしまういざこざって、血みどろの争いにまでなってしまう印象があって。それがアッシュとサクヤに関しては、お互いがしっかりと向き合って、再契約という方向に行ったのも印象深いなと思いました。
──誓いのシーンを経て“エンゲージ”の意味も変わった気がしました。
古川 それはありますよね。やっぱり狙っていたと思います。
天﨑滉平のとんでもない技に古川慎、大興奮
──再契約のシーンでは、天﨑さん演じるロゼの声が、サクヤの声のようにも聴こえて。第3幕の舞台挨拶で古川さんがおっしゃっていた「天﨑滉平のとんでもない技」というのはやはり……。
古川 天﨑滉平という人間は、第1幕から時間をかけて、徐々に徐々に徐々に皇サクヤとしての声帯を完成させたんですよ! その完成された声が聴けるのが、最終幕の最後のロゼとアッシュとのやり取りなんです。もう天才かと! すごい技を持っているなと思いましたね。
天﨑 いやー、うれしい! 最終幕を観た方にも好意的に受け取っていただけたようでよかったです。あのやり取りって完全にサクヤの心情なので、サクヤの声でしゃべってもいいんですよね。もうアッシュも(ロゼが)サクヤだと分かっているし、あの後サクヤがギアスをかけるという流れもありますし。大橋(誉志光)監督の中でも、上田さんがサクヤの声で演じる案もあったそうなんですが、僕の演技を見て、これでいけると思って使っていただいたというのを聞いて、すごくうれしくなりました。あのシーンをロゼでやれて本当によかったです。
──演じる難しさはなかったですか?
天﨑 皆さんにそう聞かれるんですが、あまり難しくは感じなくて、むしろ自然にそうなったというか。ロゼを演じるうえでは、サクヤが仮の姿を演じている人物だということを意識してずっとやっていました。ロゼの姿でないときのサクヤも自分のことだと捉えてこの物語を生きてきたからこそ、自然にあのシーンを演じられたのかなと思います。役作りとして、ここまでやれたのは本当によかったです。
──思わず何度も観返したので、ここで答え合わせができてよかったです。
天﨑 どっちの声かわからなかったなんて感想もあって、うれしかったですね。
未来につながる余地を作った、“泣き”の演技
──最終幕の劇場公開が始まりましたが、ディズニープラス「スター」でも後日全話配信されるので(毎週1話ずつ配信中)、これからもっと作品に触れる方が増えると思います。これから最終幕を観る方や、配信で再び観ようとしている方にメッセージをいただけますか?
天﨑 第3幕まで見てくださった皆さんには、それぞれ推しキャラもいると思います。だから思い入れを深く持ってるキャラクターに注目して観ていただきたいという思いもありつつ、全体を捉えたときに、アッシュ、サクヤ、そしてロゼの物語がどこに帰結するのか、そこはしっかり見届けていただきたいです。
古川 僕はこれから続きを作れるだけの余地をふんだんに残した作りにもなっているなというのを、演出やセリフ回しから感じていて。ラストシーンでいうと、僕は最初は諦めたような声で演じたんです。ただ「もっと泣いてくれ」とディレクションをいただいて。それがどうしてかを考えたときに、ここでもっと泣いたほうが未来につながるんだなと納得できたんですよね。それは、プロデューサーである谷口(廣次朗)さんをはじめとしたスタッフやいろんな方が、この「奪還のロゼ」に「コードギアス」シリーズの中でも今後大きなものになっていくポテンシャルを感じてくれているからだと思うんです。「反逆のルルーシュ」と並べられるような力を「奪還のロゼ」が持っていると示していくためには、皆さんの力が必要不可欠なので、「コードギアス」の1つとして、作品を広めていただけるとありがたいです。
──舞台挨拶でも皆さんの続編への意欲を感じました。
古川 もちろん期待はしています。
天﨑 舞台挨拶で、続きが観られるように谷口プロデューサーにみんなでギアスもかけましたしね。
古川 でもね、ギアスをかけたからといって安心せずに、「奪還のロゼ」を応援していただきたいです。
天﨑 1回観ただけじゃ気づけない部分はたくさんあると思うんです。皆さんどんどん新しい発見が生まれると思うので、何度も観てお気に入りのシーンを見つけていただけたらうれしいです。
プロフィール
天﨑滉平(アマサキコウヘイ)
10月22日生まれ、大阪府出身。主な出演作に「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」(久世政近役)、「杖と剣のウィストリア」(ウィル・セルフォルト役)、「義妹生活」(浅村悠太役)、「アイドルマスター SideM」(東雲荘一郎役)、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(タカキ・ウノ役)、「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」(山田三郎役)など。
天﨑滉平 (天崎滉平) (@amasakikohei) | X
古川慎(フルカワマコト)
9月29日生まれ、熊本県出身。トイズファクトリー所属。主な出演作に「ワンパンマン」(サイタマ役)、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(白銀御行役)、「転生したらスライムだった件」(ベニマル役)、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」(シャディク・ゼネリ役)、「小市民シリーズ」(堂島健吾役)、「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(志々雄真実役)など。
「コードギアス 奪還のロゼ」が日本各地のタワーをジャック!8月16日夜にライトアップ実施
「コードギアス 奪還のロゼ」最終幕の公開を記念し、8月16日夜に日本各地のタワーを“奪還のロゼ”カラーに染め上げるタワージャック企画を実施。ライトアップは東京・東京タワー、神奈川・横浜マリンタワー、愛知・オアシス21、兵庫・神戸ポートタワー、北海道・さっぽろテレビ塔、福岡・福岡タワーで行われる。東京タワー、横浜マリンタワー、神戸ポートタワー、福岡タワーでは、記念ポストカードの配布も実施。会場で暗号「ホッカイドウブロック」を伝えて、記念品を手に入れよう。なおライトアップの時間とポストカードの配布方法・場所はそれぞれ異なるため、各タワーの公式サイトで確認を。