相手を奴隷にできる器具“SCM”を巡り、20名を超える人々がサバイバルゲームを繰り広げる群像サスペンス「奴隷区 僕と23人の奴隷」。シリーズ累計320万部超、2014年には秋元才加、本郷奏多のダブル主演で実写映画化もなされた人気作が、この4月に満を持して「奴隷区 The Animation」のタイトルでアニメ化される。
コミックナタリーではアニメ「奴隷区 The Animation」の放送開始にあわせて、荒川エイア役の山村響と、大田ユウガ役の鈴木崚汰にインタビューを実施。作品の見どころや共演者とのエピソード、苦労したセリフなどについて語ってもらった。記事の最後には2人の撮り下ろしフォトギャラリーも用意しているので、あわせて楽しんでほしい。
取材・文 / 小松良介 撮影 / 新妻和久
Slave Control Method、通称“SCM”。
欲望が渦巻く東京で、都市伝説のように噂されていた悪魔の器具。
それを使えば他人を“奴隷”にすることができるという。
ありふれた人生に退屈していた荒川エイアは、偶然出会った大田ユウガからSCMの存在を知らされる。ほんの些細な好奇心からSCMを使ったゲームに参加したエイアだったが、そこで繰り広げられていたのは、復讐、憎悪、色欲、愛情など、さまざまな思惑がうごめく勝負の世界だった。
参加者は不明。支配か、服従か──。壮絶なサバイバルゲームが幕を開ける。
山村響&鈴木崚汰 インタビュー
エッチな想像をしてました(鈴木)
──コミックナタリーはマンガとアニメのニュースサイトなのですが、おふたりはマンガはお好きですか?
鈴木崚汰 大好きです! 初めて親に買ってもらって読んだのは「家庭教師ヒットマンREBORN!」で、よく段ボールを切って“匣兵器(ボックスへいき)”とかを作ってました(笑)。
山村響 私はアニメを観てハマると原作マンガを読むタイプだったんですけど、子供の頃は「ヒカルの碁」がめちゃくちゃ好きで。お父さんがマンガを持っていたので、それをよく読んでました。囲碁をちょっと勉強したりもしましたが、自分でやるほうは全然ダメでしたね。
──ちなみに「ヒカ碁」の推しキャラは?
山村 塔矢アキラくんです。すぐに「ふざけるなっ!」ってガタッと熱くなっちゃう真面目なところが好きでした(笑)。
──ありがとうございます。4月12日から放送されるテレビアニメ「奴隷区 The Animation」ですが、まずは原作マンガを読まれた感想を教えていただけますか?
鈴木 実は僕、マンガの表紙のビジュアルを見てちょっと違うイメージを連想してました。
山村 おっと、どういうことかな?
鈴木 あの、表紙がちょっとエッチというか(笑)。誰かを奴隷にしていやらしいことをしたり暴力を振るったりするのかな、なんて考えちゃって。
山村 確かにタイトルのインパクトがすごいからね。
鈴木 そしたらいろいろな欲望を持ったキャラクターたちがSCMを使って勝負に挑むという群像劇になっていて。それぞれのバックボーンにあるドラマが読み応えたっぷりで、すごく感情移入しやすい作品だと思いましたね。
山村 SCMというアイテムはちょっと近未来っぽいけど、私たちの現実世界でもあり得そうな恐怖感があるよね。私もリアリティのあるドラマに惹き込まれて一気に全巻読んじゃいました。
すごく共感できる愛おしい存在です(山村)
──マンガを読んで、ご自身が演じるキャラクターについては、どういう印象を持たれましたか。
山村 エイアは、第一印象はカッコよくて、クールで、誰からも頼られそうな強い女性。でも物語を読み進めていくと、儚さだったり弱さだったり、1人の女の子らしいところがいっぱいあって。そんな優しくて弱い部分もあるからこそ、困っている誰かを助けたいという力を持てるんだと思ったら、とても愛おしい存在になりました。
鈴木 ユウガはエイアとは反対に、ガタイがよくて脳筋なイメージですね。でも、実は柔軟性のある頭脳派キャラクターだったので、知勇を兼ね備えていてカッコいいなと思ってました。
──それぞれ自分と似ていると感じる部分はありましたか?
山村 周囲から「こう思われている」というイメージに支配されて、本当の自分がどんどん沈み込んでいく部分にすごく共感しましたね。私もしっかりしてそうとかクールって言われがちだけど、本当の自分は全然そうじゃないので……。でも、無意識のうちに「そうしなきゃいけないのかな」と思って行動してしまう節があったので、作品を読んでいてハッとさせられました。
鈴木 確かに山村さんはクールっぽく見えますが、実際にお話したらすごく気さくな人だなって思いました。
山村 おお、本当? やっぱりしっかりしてなかった?(笑)
鈴木 しっかりしてたかどうかは……(笑)。でも芝居中はいつもリードしてくださるので、すごくありがたいなと思ってます。僕とユウガはまず見た目が似ていますね。髪型とか体格とか。
山村 うん、初めて崚汰くんに会ったときにも言った気がする。「あ、ユウガだ」って。
鈴木 覚えてますよ(笑)。あと性格的に言えば、ユウガの中にある根拠のない自信は似てるかなって思いました。僕も「これくらいなら行けるっしょ」って無茶をするときがありまして。ただ、どちらかと言うと一歩引いて全体を観察するタイプなので、彼ほど自信満々ではないかなって思います。
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群像劇は会話の空気感が大切(山村)
- テレビアニメ「奴隷区 The Animation」
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- 放送情報
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- TOKYO MX:2018年4月12日(木)より毎週木曜25:05~
- BS11:2018年4月12日(木)より毎週木曜25:00~
- AT-X:2018年4月13日(金)より毎週金曜24:30~
- スタッフ
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- 原作:『奴隷区 僕と23人の奴隷』(双葉社アクションコミックス)オオイシヒロト 岡田伸一
- 監督・シリーズ構成:倉谷涼一
- キャラクターデザイン・総作画監督:ごとうじゅんじ
- プロップデザイン:枝松聖
- 美術監督:倉田憲一
- 色彩設計:津守裕子
- 撮影監督:藤田智史
- 3Dモデリング:伴善徳
- モニターワークス:長谷川朋史
- 2Dデザイン:越阪部ワタル
- 編集:櫻井崇
- 音響監督:阿部信行
- 音楽:長田直之
- 音楽プロデューサー:安田spacey尊行
- 音楽制作:SPACEY MUSIC ENTERTAINMENT
- 制作:ゼロジー×ティー・エヌ・ケー
- キャスト
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- 荒川エイア:山村響
- 大田ユウガ:鈴木崚汰
- 葛飾ジュリア:千本木彩花
- 新宿セイヤ:緑川光
- 豊島アヤカ:木下鈴奈
- 中央アタル:小西克幸
- 世田谷ツバキ:興津和幸
- 立川シンノスケ:森久保祥太郎
- 港タキオ:白井悠介
- 足立シヲリ:八島さらら
- 中野タイジュ:村瀬歩
- 文京ゼンイチ:稲田徹
- 墨田ズシオウマル:宮田幸季
- 目黒マサカズ:川津泰彦
- 杉並ルシエ:西田望見
- 千代田マリア:早川沙希
- 板橋ゲッコウ:河西健吾
- 品川ゼロ:國立幸
- 練馬ムオン:堀内賢雄
- 北ミナミ:上村彩子
- 渋谷サチ:結城光
©オオイシヒロト 岡田伸一/双葉社・エブリスタ
©「奴隷区 The Animation」製作委員会
- オオイシヒロト・岡田伸一
「奴隷区 僕と23人の奴隷①」 - 発売中 / 双葉社
- 山村響(ヤマムラヒビク)
- 2月10日生まれ、福岡県出身。2008年に「熱走! 亀1グランプリ」のキャサリン役としてデビュー。主な出演作に「Go! プリンセスプリキュア」の天ノ川きらら(キュアトゥインクル)役、「フレームアームズ・ガール」のアーキテクト役、「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」のハルナ役など。hibikuの名義で歌手としても活動している。
- 鈴木崚汰(スズキリョウタ)
- 12月22日生まれ、愛知県出身。2016年、日本テレビのバラエティ番組「アイキャラ2」内の企画「桐原アイ ショートアニメ」にて、憧れの先輩役でデビュー。主な出演作に「ネト充のススメ」の林役、「王様ゲーム」永田輝晃役など。「フリクリ オルタナ」には相田弁役として出演する。