BL作家に聞く、自作以外の推しBL|豊田悠、夏野寛子、藤咲もえ、三上志乃、みっしぇる、美山薫子、屋敷シマ、山本小鉄子の8人が回答 (2/2)

みっしぇる

ほかの作家のイチオシBL作品は?

「番長! 神絵師コイツです!」キヨヤス理解(プランタン出版)

「番長! 神絵師コイツです!」(プランタン出版)
キヨヤス理解

負け知らずの腕っ節と男気で、みんなに慕われる番長・ばんひさし。そんな彼を誰より愛する相棒・一色いっしきつかさは、伴をモデルに密かに同人誌を作り、募る気持ちを慰めていた。ところが、ひょんなことから自作同人誌が伴の手に渡ってしまう。焦る司とは裏腹に、伴は嫌な顔ひとつせず、興味を持って作者探しに乗り出し……。司は自分が作者であることを隠しながら、伴のそばで葛藤する。

コミックシーモアで読む!


ときめきと笑いが勢いよく交互に押し寄せてきて感情が忙しくなりながらも、読むのが止まりませんでした……。番長ヒサくんのギャップがすごいです。読んでいるこちらも好きになってしまうヒサくんの男前さ、そして天然かわいさがめちゃくちゃ刺さります。そしてそんなヒサくんを思い続けている司くんは脳内が毎回賑やかでかわいいです。自分の恋愛感情をマンガにすることで昇華している司くんの健気さが伝わる描写やそのマンガシリーズの長さから、ヒサくんを思い続けた月日とLOVEのデカさが感じられてニッコリしてしまいます。とにかく読んでいてすごく元気になりました!!

「ここだけは見て!」という注目シーン

メインの2人も最高なのですが、特にクラスメイトの女の子たちが素晴らしいです。会話がすごくリアルというかあるあるというか、夢女とカップリングの解釈違いの戦いはすごくわかりすぎて胸にくるものがあります。そしてラストのほうで読んでるこちらがフォ~~ウ!!となっているときに同じ気持ちになってくれる同士がいるというのはすごく心強くて(?)満足感がすごいです! モブももれなく全員好きになってしまうすごいマンガだと思います……!

自分のBL作品で読んでほしいのはこれ!

「チェリーピンクにシュガーハイ」みっしぇる(集英社)

「チェリーピンクにシュガーハイ」(集英社)
みっしぇる

幼少期、人が近づくとすぐ赤面してしまうのがコンプレックスだった雪白ゆきしろ伊吹いぶき。人が寄ってこないようにしようと、高校では生徒会長となって孤高のキャラクターを貫いていた。そんなある日、伊吹の過去を知る幼なじみ・花我智かがちりんが転校してきて大ピンチに。悩みを解消するために協力するという凛と、みんなには内緒の刺激的な特訓が始まる。

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赤面症を治すべく特訓することになった真面目な攻め×それに付き合おうとグイグイくる、一見何を考えているかわからない誘い受けのお話です。何を考えてるかいまいちわからない受けに振り回されるちょっぴり情けない攻めですが、いざというときはその2人の立場が逆転するので、そこにもご注目いただけるとうれしいです! 好きなフェチを楽しく描けたので、ぜひぜひよろしくお願いします!

プロフィール

みっしぇる

2021年に「誰か夢だと言ってくれ」でBLマンガ家デビュー。2025年6月よりアプリ・マンガMee(集英社)で「誰か夢だと言ってくれ」番外編を掲載。そのほかのBL作品に「チェリーピンクにシュガーハイ」がある。

美山薫子

ほかの作家のイチオシBL作品は?

「イエスかノーか半分か」漫画:ユキムラ 原作:一穂ミチ(新書館)

「イエスかノーか半分か」シリーズ(新書館)
漫画:ユキムラ 原作:一穂ミチ

王子と称される完璧な外面と、毒舌で辛辣な内面を併せ持つ人気若手アナウンサー・国江田くにえだけい。ある夜、計は信号無視をし、取材相手のアニメーション作家・都築つづきうしおに怪我を負わせてしまう。眼鏡やマスクのおかげで正体はバレなかったものの、都築の仕事を手伝う羽目になり、計は「オワリ」という別人を装うことに。本性を剥き出しにして接していくうち、都築に対して複雑な感情を抱くようになる。原作小説は2020年に劇場アニメ化された。

コミックシーモアで読む!

原作小説も併せてチェック


私が初めて夢中になった商業BL作品です。
私が最初に手に取ったのは小説版なのですが、そのときにはすでにシリーズがすべて刊行されており、一気に読み進めました。
物語のテンポがとても心地よく、人と人との関係性の揺らぎや機微が丁寧に描かれていて、本当に素晴らしい作品です。キャラクターたちは皆しっかりと個性が立っていて、会話のやり取りがとても魅力的。読めば読むほどキャラそれぞれに愛着が湧き、どんどん好きになっていきます。
中でも私は、受けの国江田さんが大好きです。
「イエスノー」はBL作品であると同時に、お仕事小説としての側面もあり、国江田さんの心の成長やキャリアの歩みが丁寧に描かれている点も大きな魅力だと感じています。見どころが本当にたくさんある作品です。

「ここだけは見て!」という注目シーン

「イエスノー」シリーズのスピンオフ小説「ふさいで」のワンシーンについてご紹介します。
「ふさいで」は本編である国江田さんの物語とは異なり、別のキャラクターが主人公となっていますが、それでもこのシーンは、何度読んでも思い出すだけで胸が熱くなります。物語の冒頭に近い場面で、登場人物たちは熱海を訪れるのですが、その熱海の描写が全体を通して本当に美しくて印象的です。
中でも、熱海から新幹線で東京へ戻る車内のシーンがとても好きです。まるで人生の何気ないひとコマを切り取ったような場面なのですが、このまどろみの中のきらきらが、その後の展開とのつながりも相まって、私にとっては一番心に残るシーンになっています。

自分のBL作品で読んでほしいのはこれ!

「パーフェクトアディクション」美山薫子(海王社)

「パーフェクトアディクション」(海王社)
美山薫子

プレイボーイの大学生・明仁あきひとは、いつも澄ました顔で女子から密かに人気を集める同級生・さえが気に入らない。ある日、ホテル街で冴が男と揉めているのを見かけた明仁は、面白半分で助けに入る。そのままホテルの部屋に避難すると、冴がゲイだったことが判明。さらに「セックスをしても気持ちよくなれずに悩んでいる」と打ち明けられ、明仁は冴を思わず押し倒す。もともとは気に食わないはずの相手が見せた予想外の表情に、歯止めが利かなくなり……。

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2025年5月現在、連載中&コミックスも刊行されている「パーフェクトアディクション」をご紹介させてください。
ヤリチンなイケメン大学生・明仁(攻め)と、クローゼットゲイのクール美人大学生・冴(受け)による物語です。
受け・攻めともに、私の好みをこれでもかと詰め込んだキャラクターたちとなっております(笑)。
身体から始まった関係の中で、少しずつ、本当の意味でお互いに惹かれていく──そんな過程を楽しんでいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いいたします!

プロフィール

美山薫子(ミヤマカオルコ)

2021年にデビュー単行本「明日、きみのものにして」を発売。2022年よりGUSH(海王社)で「パーフェクトアディクション」を連載中。そのほかのBL作品に「運命的ラブメーター」「その2人、解釈違いです!」などがある。

屋敷シマ

ほかの作家のイチオシBL作品は?

「噛み砕いて愛をおしえて」ぽけろう(ブライト出版)

「噛み砕いて愛をおしえて」(ブライト出版)
ぽけろう

優しくて力持ちな隣人・狼谷かみやにほのかな憧れを抱いている人見ひとみ。いつも通りバイト先のまかないをお裾分けしたところ、狼谷の様子が一変し、強引に唇を奪われてしまう。行為は次第にエスカレートし、人見は抗う間もなく、されるがままに受け入れる。ふと気がつくと、狼谷の頭には獣の耳が生えていて……。のちに、狼谷は繁殖欲求が爆発的に高まる遺伝子疾患の一種・獣化症にかかっていることが明らかになる。

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ぽけろう先生の作品はみんな素敵なんですが中でもこちらの作品はケモミミ、体格差、執着愛、とたくさんの見どころが詰まった1作です。近くにいてお互いを思いあっているのにうまくいかないもどかしさ、普段はにこやかで紳士な攻めが見せる大型犬が甘えるような姿!からの獣の本能が混じった性欲の発露! 受けの健気さ、一途さもとていじらしく見逃せない内容です。なによりぽけろう先生の描かれる今作のえっちシーンはより濃密な余韻を残す描写になっています! このふたりの絶妙な距離感から生まれる、甘くも切ない空気感! たまらなく魅力的なので選ばせていただきました。

「ここだけは見て!」という注目シーン

6話の攻めの拘束えっちではこの攻めの全力が見たいと思わされる大変熱いシーンでした。普段の攻めは受けへの思いやりと優しさであふれた紳士ですが、本能の暴走を恐れて拘束具を使用します。拘束された状態でこの威力!? 秘めた能力を感じずにはいられません。紳士に見せかけて実は腹黒なのでは!?と勘違いしそうになるほどの言葉攻めがチラ見えして。こういうの、本当に弱いんです。最高でした。

いつか愛ゆえの理性を振り切った本能全力えっちがみたいですね! 私はえっちの話しかしていませんが、そういった方向性の方にもおすすめです!

自分のBL作品で読んでほしいのはこれ!

「憐れなβは恋を知らない」屋敷シマ(ブライト出版)

「憐れなβは恋を知らない」(ブライト出版)
屋敷シマ

男女とは別に、α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)の3つの性別が存在する世界・オメガバース。βの瀬乃せの凉晴すずはるは、名家の嫡男であるα・伊勢崎いせざき凌介りょうすけに専属執事として仕えている。凌介は自由奔放で、Ωのセフレを寝室に連れ込むだけでは飽き足らず、瀬乃に性的なちょっかいをかけてくることもしばしば。本気でないと知りつつ、瀬乃は身体に疼きを溜め込み……。

コミックシーモアで読む!


執着攻めα主人×真面目執事βのオメガバース作品です。番を持てないβであり、【選ばれない側】として生きる執事の瀬乃と、誰からも望まれるαで主人である伊勢崎。差のある立場と性で築かれた関係、それでも諦めることを知らない強くて狡猾なαの執着が、βをじわじわと飲み込み変えていくお話です。

プロフィール

屋敷シマ(ヤシキシマ)

2020年、「淫らなΩは恋をしない」でBLマンガ家デビュー。同作のスピンオフ「憐れなβは恋を知らない」を、2021年よりWeb雑誌・Tulleで連載している。

山本小鉄子

ほかの作家のイチオシBL作品は?

「僕の先輩」羽生山へび子(大洋図書)

「僕の先輩」(大洋図書)
羽生山へび子

愛のハゲタカを自称する飴宮あめみやはじめは、学校中から恐れられている先輩・二宮にのみや三郎さぶろうに猛烈アタック中。しつこくつきまとうはじめにウンザリしていた三郎だったが、次第に彼がそばにいる日常を受け入れるようになる。一方のはじめは、ただ先輩と一緒にいるのが楽しくて、「好きかどうか」という肝心なことは聞けないまま。それでも、この幸せな日常がずっと続くと思っていたが……。

コミックシーモアで読む!


当時同じ雑誌で連載させていただいていたのですが、献本が送られてくると毎回楽しみに読ませていただいておりました。私は新喜劇のようなラブコメが大好きなんですが、このマンガは私の大好きが詰め込まれていた作品です。笑えたり切なかったりハラハラしたりホッとしたり、はじめと先輩のやり取りをニマニマしながら読んでました。押しつよつよの受ちゃんに攻が絆されていくのも性癖です。

「ここだけは見て!」という注目シーン

「僕の先輩」5話目のはじめと先輩のチューシーン! さりげなさすぎてはじめと一緒に「え?」てなる(笑)。
あと、続編「部屋とYシャツとおめーと俺」26P目。酔っ払いに絡まれたはじめを助けに現れる先輩にキャーーーってなります。
先輩が不器用でカッコよくて漢で優しくて色っぽいので、ぜひ全作品通して見てください。

自分のBL作品で読んでほしいのはこれ!

「明日はどっちだ!」山本小鉄子(大洋図書)

「明日はどっちだ!」(大洋図書)
山本小鉄子

おとぼけで明るい母親のもと、美少女のように育てられたきらら。町内美少女コンテストで優勝した年、京一きょういちけん土佐とさ山田やまだ兄弟が隣に引っ越してきた。男らしい見た目に無愛想で喧嘩の強い2人は、星の憧れそのもの。彼らとつるむようになって数年後、土佐山田兄弟は狂犬兄弟として有名になる。一方の星は、本人の希望とは裏腹に華麗な美少年へと成長。さらに、弟の顕への恋心も自覚し……。

コミックシーモアで読む!


では同じ出版社なので「明日はどっちだ!」を紹介させてください。
ihr HertZにて連載中の両片思い幼なじみBLです。このマンガにも不器用でカッコよくて優しい(受限定ですがw)攻が出てますので、そういうのがお好きな方に刺さればいいなあと願ってます♡ よろしくお願いします。

プロフィール

山本小鉄子(ヤマモトコテツコ)

2001年に「右手に銃、左手に愛。」でBLマンガ家デビュー。2016年よりihr HertZ(大洋図書)で「明日はどっちだ!」を連載中。そのほかのBL作品に「お参りですよ」「ほんと野獣」などがある。

最後に改めてお知らせ

おすすめBLが今だけお得に読める!

コミックシーモアでは、この記事で紹介されたBL作品に使える3冊20%OFFクーポンを配布中。期間限定なので、気になる作品があればこの機会をお見逃しなく。

期間

2025年6月18日(水)~7月1日(火)

対象作品

  • 「25時、赤坂で」 夏野寛子
  • 「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」豊田悠
  • 「スイートハート・トリガー」ニャンニャ
  • 「アバウト ア ラブソング」夏野寛子
  • 「こっち向いてグレア」晴屋うまこ
  • 「腐男子召喚~異世界で神獣にハメられました~」藤咲もえ
  • 「また明日会えるよ」奏島ゆこ
  • 「ピットスポルム」三上志乃
  • 「番長! 神絵師コイツです!」キヨヤス理解
  • 「チェリーピンクにシュガーハイ」みっしぇる
  • 「イエスかノーか半分か《コミック版》」ユキムラ、一穂ミチ
  • 「イエスかノーか半分か」一穂ミチ、竹美家らら ※小説
  • 「ふさいで~イエスかノーか半分か 番外篇3~」一穂ミチ、竹美家らら ※小説
  • 「パーフェクトアディクション」 美山薫子
  • 「噛み砕いて愛をおしえて」 ぽけろう
  • 「憐れなβは恋を知らない」 屋敷シマ
  • 「僕の先輩」 羽生山へび子
  • 「明日はどっちだ!」 山本小鉄子

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