かつて少年誌の世界で隆盛を誇っていた、ストーリーギャグというカテゴリー。描き手が減っていたこのジャンルに、ゲッサン（小学館）から新星が現れた。3号連続の読み切りで読者を脱力の淵に叩き込み、反響の多さにうろたえた編集部から連載の座をゲットした、かんばまゆこである。

その初連載「バレてるよ！ ジャンボリーヌ」の第1巻が、3月11日にリリースされる。帯には新人としては異例といえる、あだち充からの推薦文。いったい何が起きたのか。そもそも何がバレてるのか。コミックナタリーでは注目のギャグ新人かんばの、人を食ったトホホワールドに探りを入れてみた。

これがあだち充から届いたコメント。いくら掲載誌が同じだからといえ、ド新人の1冊目の単行本で帯コメントを書くのは、異例中の異例だ。なぜ巨匠は引き受けたのか。しかもその文面に、なにやらビターなテイストが漂っているのはなぜなのか。

両者を結ぶ謎の答えは、ゲッサン2010年11月号付録の「あだち充画業40周年記念別冊」にあった。お祝いムード溢れるこの冊子に、前号で連載デビューしたばかりのかんばは不謹慎極まりないパロディをドロップ。あだちをはじめとする大御所たちの間で「恐れ知らずな新人がいる」と大いに話題となったのだ。ここでは特別に、その「なんちゃってタッチ」4ページを公開したい。

転校を期に不良デビューして目立とうと目論む中嶋コー太。しかし同じ日にやってきたもう1人の転校生・城之内みちるの頭のデカさに、クラスメートの注目はすべてかっさらわれてしまう。なのに城之内ときたら、頭髪の話となるとシラを切り続けるのだった……。

登場人物紹介

右）城之内みちる

不思議な転校生。たぶん主人公。

左）中嶋コー太

目立ちたいのに目立てない不遇の人。クラスメートにも読者にも、作者にも担当にも名前は覚えられていない模様。

ジャンボリーヌにまつわる謎のひとつが、毎月編集部に寄せられる、新人にしては妙に多い読者からのメッセージ。そもそもかんばを読み切りから連載に押し上げたのも、彼女のトホホな世界観を解す、生暖かいお便りの数々だった。そんな読者コメントの一部を紹介したい。

ジャンボリーヌとは何なのか、結局わからないままここまでお付き合いくださった皆様に、ゲッサン編集部からささやかなプレゼント。最終ページでいきなりデカいカミングアウトがなされる第1話を、まるまる試し読みできるようにしてもらいました。魅惑のかんばワールドをお楽しみください。