「ババンババンバンバンパイア」吸血鬼経験豊富な堀江瞬が、吸血鬼BL(ブラッディ・ラブコメ)を読んでみた (2/2)

「バババ」に合う昭和歌謡は?

──昔ながらの三助がいる銭湯という昭和情緒ある舞台、ドリフの時代を思わせるお決まりのギャグも作品の魅力です。昭和歌謡が大好きな堀江さんが、「バババ」のテーマソングを昭和歌謡から選ぶとしたら?

むずっ! そうですね……フランケンにスポットを当ててダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」もいいし、蘭丸には郷ひろみさんの「比呂魅卿の犯罪」なんかも、歌詞の感じが合ってそうだと思います。それと、個人的にはジュリーの曲は流したいです。絶対に合うと思う。オーソドックスに「TOKIO」とか「危険なふたり」もよさそう。……女性歌謡歌手も合うかな?

──さすが堀江さん、素敵なチョイスです。女性歌手なら、ちあきなおみさんの曲を煩悶している蘭丸のバックの流すのもいいですね。

あー! ちあきなおみさんだったら……オーソドックスに「喝采」や「黄昏のビギン」とか合いそう。研ナオコさんもよさそうです。

堀江瞬

──「夏をあきらめて」とか!

「愚図」なんかも合いそうです! もっと現代に寄ってサブカル方面に行くのもいいし、どう転がっても面白いと思います。急に上坂すみれさんが歌っても面白いと思いますし(笑)。

──銭湯特有の反響も加わって、サイケデリックな感じになりそう。個人的には来生たかおさんも流してほしいです。

それもめっちゃ合いそうです! 大瀧詠一さんもよさそう。あとは、YMOも絶対に合う……。アニメ化されたら、いちファンとしてすごく観たいです(笑)。

ガスが止まった1週間は銭湯に……

──ちなみに、銭湯には行きますか?

実は僕、少し前に家のガスが止まってしまって。単純にガス料金払うのを忘れていたんですが……。

──ええっ!? 口座振替にしましょう!(笑)

公共料金は口座振替よりもコンビニ払い派なんです(キッパリ)。というのも、「先月はこれくらい出費したんだぞ」というのを、毎月戒めとして自分に刻み付けるためにそうしているんですけど……ただそうすると、ついうっかり払うのを忘れちゃうことも多くて、それでとうとうガスが止まってしまい。

──このへんは、原稿にして大丈夫ですか?(笑)

大丈夫なんじゃないですかね(笑)。ガス、止まったあとにすぐに開栓できる場合もあるらしいんですけど、僕の場合は工事が必要と言われてしまい。ガス会社の方とスケジュールを合わせる必要があったんですけどなかなか合わなくて、結局1週間くらい家のお風呂に入れなかったんです。その期間は毎日銭湯でした。

堀江瞬

──銭湯、便利な場所にありましたか?

うちの近くにあるんです。でも久々の銭湯は、子供の頃に銭湯の床がちょっと苦手だったことを思い出しました(笑)。ぬるっとしてる感じというか……僕、部屋が汚いくせに妙なところが潔癖で、子供の頃はタイルを踏むのが嫌で、桶に足を突っ込んで身体洗ってたんです(笑)。

──(笑)。床が濡れているのが不快だったんですか?

裸足で踏むのが嫌だったんでしょうね……なんなんすかね、あの感覚(笑)。2日目以降は気にせずに入れるようになりました。それより、僕はタオルとか巻かずに裸で堂々と入るんですけど、僕の行った銭湯では、意外とおじさんたちのほうが巻いて隠していたりして、面白かったです。

──(笑)。久々の銭湯生活は気持ちよかったですか?

よかったです。どうせならと思って交互浴しました。お湯に入って水風呂に入って……というのを7セットくらい繰り返して、いわゆる「ととのう」ってやつを体感しました。その銭湯では、追加料金を払えばサウナにも入れるんですが、僕はケチって交互浴だけにして。それだけでも全然ととのいました……! 全能感というか、「できないことは何もない!」みたいな感じになりました(笑)。

勧めるなら「童貞に」?

──1巻の発売から1年経ち、すでに4巻目。マンガ好きの間でも激賞され、「何も考えずに読める」「腹抱えて笑った」「ほっこりする」などの声が上がっている本作ですが、堀江さんがお友達に勧めるとしたら、どんな人にどんなふうに勧めますか?

童貞の人に勧めます(笑)。あ、でも童貞の人が読むと、(蘭丸に)「食われる!」ってなるか(笑)。「バババ」は、ちょっと恥ずかしいこともバカバカしいタッチで描かれているので、すごく爽快感があって。お湯と水風呂に繰り返し入ったときに感じるあの「ととのう」を、読むことで得られるんじゃないかなと思います(笑)。

1巻第2話の扉ページ。

1巻第2話の扉ページ。

──うまい! 人間の欲望、恐怖、笑いなど、それぞれ絶妙な塩梅で盛り込まれているということですね。

それに、なんだかんだ言って、登場する男たちがみんなイケメンなんです。イケメンたちのアホな戯れを眺めたい女性の方にもすごくぴったりだし、このバカさ加減は男にも刺さると思うので、男女問わず読んでほしいなと思います。

堀江瞬

──本当に。BLと書いて「ブラッディ・ラブコメ」と読ませるマンガは前代未聞ですよね。これ、考えたのは担当編集さんだということです。

(単行本の帯をマジマジと見て)ほんとだ……これ、普通にボーイズラブのことだと思っていたけど、「ブラッディ・ラブコメ」って書いてある!(笑)うまい、すごい!

(担当編集) 恐縮です……!

絶対に流行ると思うので、本当にアニメ化してほしいです!

プロフィール

堀江瞬(ホリエシュン)

1993年5月25日生まれ、大阪府出身。プロ・フィット声優養成所を卒業し、現在はラクーンドッグに所属。主な出演作はTVアニメ「ミギとダリ」(ミギ役)、「僕の心のヤバイやつ」(市川京太郎役)、「HIGH CARD」(レオ・コンスタンティン・ピノクル役)など。Kiramuneレーベルの音楽ユニット・SparQlewのメンバーとしても活動している。