コミックナタリー Power Push - 玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ

スナックの伝道師がついにDVDリリース 近くて遠い“魅惑の世界”を大いに語る

スナックで出会って結婚する人も

玉袋 スナックで出会って結婚するっていう話もあるよね。俺がやってるイベントの「スナック玉ちゃん」(お台場・TOKYO CULTURE CULTUREにて、定期的に開催中)でもカップルができてる。よかったなと思うよ。

ママ そうですね。お店で働いてる女の子がお客さんと結婚するお店はよくありますね。で、それをママはすごい誇らしげに言いますよね。「私の店は6人結婚したわ」とか。

玉袋 大抵おじさん連中はママ目当てだけどさ、直接的には言わないんだよね。ママもずーっとそこで体を許さないで25年引っ張ってる。25年通ってるってことは、25年やらせねえわけだからね! だけど、その男たちはやせ我慢してるってとこのカッコ良さもあるわけ。カウンターが男だらけで綺麗なママがいて、みんな言いてえんだけどそれを我慢してるっていう我慢比べ。ある意味サウナ的な? いいよなあ。若い女の子なんか行ったらハマっちゃうと思うけどなぁ。

ママ 若い女の子多いですね。一番安心。変な男が付かないようにママが見ててくれるから。で、帰りにすごいお惣菜も出してくれてね。ありますよ、朝起きて冷蔵庫開けたらすごいケーキ入ってて、「あっこれ昨日もらったんだっけ」みたいな(笑)。女の子はいいですよね、行くと。喜びますよね、ママもね。

インタビュー写真

玉袋 若い子も行ったらハマるもんね。今スタイリストやってる子なんか言ってたよ。「とりあえずドア開けて入ってみたら最高でした」って。やっぱりかわいがられたみたいよ。

ママ どこもかわいがられますよ、今は。かわいがられるといえば、玉さん、あの話してくださいよ!「スナックほろよい」の。

玉袋 「スナックほろよい」って阿佐ヶ谷にあるんだけど、そこ開けたんだよ。なんか近所の飲み屋で飲んでて「どっかスナックねえかな?」って言ったら「お化け屋敷がある」って言われて。「それなんだ?」っつったら「スナックほろよい」だった。で、開けて入ったらママが73歳でさ、働いてるおばちゃんはみんな68とか70手前なのよ。そこに俺が入ってくわけでしょ。お客さん、おじいさんおばあさんだらけよ。もう、Hey! Say! JUMP扱いだからね。

ママ あはははは(笑)。

玉袋 「玉ちゃん、玉ちゃん」って触られまくってさ。楽しい楽しい。俺は俺で、かわいがられ上手だから。あの湯加減がホントたまらないよ。もうパワースポットつうのが今ブームだけど、あれは違うな。インチキだ! 目に見えねえもん! スナックは目に見えるパワースポットだよ。ホントに実際に体感できるパワースポットだと思うよ。そういうところの所作覚えてたら、実際自分の生活にも使えるから。

ママ 仕事に役立ちますよ、やっぱり。

玉袋 仕事っていうか人生に役立つ。

スナックは集団コント

ママ 若い人がスナック行って、例えば「男性と女性でこの曲歌えるといいよね」みたいな歌あります?

玉袋 そりゃ「アマン」でしょ! だけど、もしこれ読んでる子が20代だったら、自分がもし50代になったときに20代の奴と一緒に行って、20代の奴が自分が当時歌ってた歌を歌ってくれたらどれだけうれしいと思う? 「おめぇ、わかってんな」って話になるじゃん。やったほうがいいよね。そしたらすごい自分に返ってくるよ。いつか行く道だよ。

ママ 玉さんがいつも歌う曲、何かありますか?

玉袋 その場の空気によって歌うからなぁ。最近は「座頭市子守唄」とか、ちあきなおみも歌えばディック・ミネも行くし、って言っても全然わかんないよね、読んでる子にはね。

ママ でも若い人も割と古い歌知ってますよね。よく知ってるなと思いますよ。

玉袋 ママはどうしてスナック始めたの?

ママ 私はね、スナックはずっと飲みに行ってたんですよ。それで、もう会社嫌んなっちゃって、「どうしようかな、フリーだけじゃ食っていけないし……」と思ったときに、「スナックやったらいいかな」と思ったんです。みんな飲みに来てくれたら楽しいかなと思って。

玉袋 そうだ、大衆文化だ。これは忘れちゃいけない。別に金儲けのためにやってるわけじゃねえんだもんね。どこのママも生きるためにやってるっていうさ、ズルさがないよね。なんかヤドカリ背負って生きてるみたいな感じするじゃん。お店がもう殻になるわけでさ。そういうとこが好きだなあ。

ママ あとね、スナックは一番やりやすかった。スナックっていっぱいある風営法の中で申請が一番楽なんですよ。基本は対面営業しなきゃいけないから、横について接待するとキャバクラとかも1個上の申請になるんだけど、基本的にスナックっていう名前の建前はカウンターの向こうとこっちで接客をしてやるから、ただ届け出を出すだけでやっていいっていう。これ誰でもできるんです。

玉袋 そうだね。商売やるとき、やっぱ一番早いよねスナックは。

ママ 女の人は、手に職もなくてどうしようかなって思ったときに、ちょっと小銭があったら「スナックやろうかな」っていう気持ちになると思う。ところで、玉さん、今度DVD出すんでしょう?

玉袋 そうそう。まぁ、スナックの王道の飲み方みたいな感じのHOW TOになってると思うんだけど。特に特典映像の「スナック道」。コントやってるみたいなんだけど、実際コントなんだもん、スナックの中で行われるのって。集団コントだよ。

ママ 集団コントの一員になれる(笑)。お笑い好きの人が行ったら楽しいんじゃないですかね。

玉袋 絶対面白えよ。お笑い好きな子って、基本いろんなこと知ってるじゃん。そういう知識がすごい生きるよ。ちょっと1杯引っかけるような気持ちで行ってみてもらったらいいと思うよ、俺は。DVDを見て、そわそわした人はスナッカーズだよ。行けるよ、大丈夫だよ。そのテンションでそのまま店に行け。そうすると日本経済もちゃんと底上げするし、いいと思うんだよね。行ってなかった昨日の自分より、スナックに行った今日の自分のほうが素敵だって思えるよ。

インタビュー写真

「玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ」 / 2010年12月15日発売 / 3675円(税込) / アミューズソフトエンターテインメント / ASBY-4770

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収録内容

本編:全6回(新宿 / 押上 / 下北沢 / 銚子・前編 / 銚子・後編 / 荒木町)

特典映像:ナイトスナッカーズ両国編 / 「迷わず行けよ、行けば分かるさ、スナック道」

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DVD発売記念イベント開催決定!

日時:2010年12月18日(土)19:00

場所:タワーレコード新宿店10F

イベント内容:玉ちゃんトークイベント&DVD「玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ」または書籍「キッドのもと」にサイン!!

対象商品:DVD「玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ」または書籍「キッドのもと」

参加方法:タワーレコード新宿店・渋谷店にて、DVD「玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ」を予約または購入した人に「サイン会参加券」を配布。書籍「キッドのもと」を12月14日以降に購入した人も「サイン会参加券」がもらえる。

玉袋筋太郎(たまぶくろすじたろう)

1967年6月22日、東京都生まれ。1987年に水道橋博士とお笑いコンビ・浅草キッドを結成。書籍「絶滅危惧種見聞録」「キッドのもと」が好評発売中。