11月12日(土)、東京・草月ホールにて
「たりないふたり」は、ライブやテレビで人気を博した「潜在異色」から生まれたユニット。“人としてたりない”部分が多いという彼ら2人がそのたりなさをネタに、普段のそれぞれのコンビとはまったく異なる漫才を繰り広げてきた。
2人は2年ぶりとなる「たりないふたり」ライブに向けて、9月末からTwitterを始動。11月4日にアップされたつぶやきには、「たりないふたり」最初の打ち合わせという貴重な写真が掲載された。
インタビューで山里はネタ合せの裏側や、若林への思いを吐露。このライブを通じてわかった自分と若林の違いについて語っている。さらに、「これまでのTwitterを見直して」と気になる発言が。ライブチケットを手にしている人はもちろん、ファンは改めて彼らのつぶやきを見直してみよう。
なお、12日のチケットはすでに完売。当日券の発売情報は今後発表される予定となっている。
南海キャンディーズ山里インタビュー
――若林さんと最初に会ったときのことを覚えてますか?
最初に何か居酒屋みたいなところに行って……あれ、これアンガールズの田中さんかな。あ、これが最初じゃないと思うんですけど、スラッシュパイルで若林君と打ち合わせをしたことがあって。2人が今興味あることの話から、「なんとかして今、飲み会に行きたいくない」って話になって。「これ面白いじゃん。漫才にできるんじゃない?」ということから「たりないふたり」ができあがったんです。俺がそもそも若林君とやりたいって思ってて。ツッコミだけの漫才に憧れてたんですけど、若林君は言葉をものすごくいっぱい知ってて面白いから、絶対楽しい漫才できるだろうなと。
――ネタはどのように作ってるんですか?
2人で作っていく感じですね。ある程度のガイドラインを書いて持っていくと、それを若林君が面白くしてくれて。それに乗っかって自分のコメント言って、さらに面白くなるポイントが増えていって、本番までに「なんかネタ作ってんな」っていう充実感を感じることができるんです、これに関しては。
――ネタ合わせのやり方をなぜガイドラインにしようと思ったのですか?
いや、だって、絶対大丈夫だから。入れてくれるし。逆に、同じようなことが好きな2人だと思うから、その部分に何かを置いておくのも怖いくらい。何かを若林君に「言ってね」って言ったら、若林君気ぃ使いだからたぶんそれを言うと思うし、そうして1個若林君のパートを潰すのはもったいない。
――この2年で山里さん自身が変わったなと思う部分はありますか?
“単なる気持ち悪い人”じゃなくなれたかなというのが、ほんとにこの2年ですね。文字とかを見てもらえるように、やっとなってこれたかなと。ただ、「たりないふたり」の根本的なコンプレックス部分は全然減ってないです。やっぱり僕らがテーマに挙げてる人って「輝いてるんだよバカヤロウ、まぶしすぎんだよ」ってとこで、それを認めないことで自分の存在を肯定しているような(笑)。それはまだ全然あります。
――逆にこの2年の若林さんを見てどうですか?
最初の頃は、お笑いの雑誌で若林君が虎の被り物を手に持ってるのとかを見て「もったいないよ」って(笑)。でも今はちゃんとそういうことをやってて、実は一番それを恐れてたというか。そういうことできるようになっちゃうと、ちょっと遠く行っちゃうね、と。なんだかんだで心配してるうちが花だったみたいな。
――若林さんの愚痴がその2年前の山里さんの愚痴と同じという話を聞きました。
絶対そうなるだろうなと思ってたんです。同じような人間性だし、同じような形態でネタやってるし。でもすごいのは、若林くんは自分のコンビのことも並行してできるくらい器用っていうか、お笑いに対して真っ直ぐだなと。
──今回の「たりないふたり」はどんな感じになりそうですか?
「たりないふたり」のネタは、「みんな笑ってくれるのかな」ってすごく不思議に思うんですよ。「こういうこと言いたくて、こういう人が敵なんだ」ってことを喋りたくて、そこに2人の「僕たちは言葉が好きなんです」って気持ちを足してネタにしていて。前回それがものすごくウケたのが嬉しいんですが、それが今回またウケるのか。そこでウケなかったらやだな……ウケたいなー(笑)。たぶんこんな悩み若林君は持たないんです。若林君はちゃんと言ってくるんですよ、「これウケないと思うんですけど、言いますね」って。それがすげーなって思う、昔も今も。そこちょっと憧れるんですよね。俺、それはできないです。見る人、聞く人の顔色を伺ってしまうというか、「このワードは今絶対ウケる」とか、「このワードとこのワードの組み合わせだったら伝わってウケるだろうな」っていうふうに。それって直感で面白いこと作れてる人間じゃないんですよ。若林君の場合、それはウケるときもあれば、ほんとに伝わってない時もある(笑)。たぶん自分の感覚に合う人がそれを楽しんでくれるってことの方が価値がでかいんだと思う。若林君は「面白いことをやりたい」っていう人で、僕は「面白いって思われたい」っていう人だなと。
――「たりないふたり」で初めてTwitterに挑戦している若林さんのつぶやきはいかがですか?
いや、面白いですね、乱暴で(笑)。僕はそれを丁寧に諭すというか、カウンターなんですよね。ほとんど若林君発信ですから。結局そういうので気づくんですけど、若林君これ関してはボケ寄りなんですよね。ぶっ飛んだこと言ったりやったりするし。だから根っからの芸人度は若林君のほうが高い。Twitter見ると顕著ですけど、俺からボケてることないんですよ。ボケる自信ないですもん。俺、たぶんこれからもボケないです。わざわざ若林君のボケに張り合おうという気もないし、今すごく楽しい。ボケのほうが絶対大変ですから。その大変な役を彼はTwitterでやってくれてて、僕はむしろラッキーなんです。
――では、最後にライブに向けて意気込みをお願いします。
「たりないふたり」が2年間で成長したっていうのをテーマにいろいろ喋っていって、やっぱり言葉が大好きな2人の漫才っていうものができたらいいなって思いますね。「面白い」ってすげー言われたいんですよ、このコンビで。あと、さっき言ったようにTwitterやってて、すごくくだらないやりとりばかりなんですが(笑)、ライブ前には一度全部のつぶやきを見直してもらえると。ライブに来る人は絶対に楽しめると思うので、改めて必見ですよ。
「たりないふたり」
日時:2011年11月12日(土) 18:00開場 18:30開演
会場:東京・草月ホール
出演者:南海キャンディーズ山里 / オードリー若林
料金:3800円
チケット:チケットぴあ Pコード416-067
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お笑いナタリー @owarai_natalie
これまでのTwitterに注目、山里が語る「たりないふたり」 http://t.co/ciqgdDk4