女王蜂「Q」PR

音楽ナタリー Power Push - アヴちゃん(女王蜂)×大根仁

盟友と振り返る「最高傑作」を勝ち取るまでの日々

女王蜂がニューアルバム「Q」を4月5日にリリースした。この作品はアヴちゃん(Vo)自らが「最高傑作」と称する約2年ぶりのオリジナルアルバムで、DAOKOをフィーチャリングゲストに迎えた「金星 Feat. DAOKO」など強力なナンバー9曲が収められている。

本作の発売を記念し音楽ナタリーではアヴちゃんと、2011年9月公開の映画「モテキ」に女王蜂を起用した大根仁監督の対談をセッティング。「モテキ」公開時にも対談した(参照:女王蜂 in モテキ)2人に、当時からこの「最高傑作」発表までの女王蜂の変遷を振り返ってもらった。

取材・文 / 大山卓也 撮影 / 西槇太一

女王蜂の「リバーズ・エッジ」

大根仁 アルバム聴かせてもらったけど、これ、最高だね。

アヴちゃん そうなの。最高傑作ができました(笑)。

左から大根仁、アヴちゃん。

大根 最初に会った頃にアヴちゃんが「Perfumeを見てバンドを始めた」って言ってたでしょ。そのときは全然ピンと来てなかったんだけど、このアルバムを聴いて、その意味がやっとわかった。

アヴちゃん よかった。それ最高の賛辞! そこだけはブレずにやってきたから。替えが効かなくてポップっていう、その感じをやっと表現できたのがうれしい。

大根 なんていうか、女王蜂の表現は極端じゃない? すごくヌケのいい曲もあれば、怨念がこもったダークチューンもあって。だから今まではアルバムを聴くのに気合いが必要っていうかさ。

アヴちゃん カロリーが必要ですよね。

大根 そう、「さあ、向き合うぞ」っていう感じで、それがこのバンドのよさでもあるんだけど。でも今回は聴いてて、単純にすごく気持ちいいんだよね。

アヴちゃん やった!

大根 もちろんしっかり向き合える強さもありつつ、BGMとしても成立するっていう。普通にかかってて心地いいし、車でも聴きたいくらい。以前の女王蜂は車で聴くとヘタしたら事故るなって思ってたから(笑)。

アヴちゃん うん、それは否定しない(笑)。

大根 アクセル踏みたくなるからね。

アヴちゃん

アヴちゃん 今回は車でも聴けるし、自分に重ねても聴けるっていうものがやっとできたと思う。祈りと呪いを思いっきり詰め込んだけど、できあがったものは軽やかになりました。私は岡崎京子さんの作品がすごく好きで、このアルバムは私なりの「リバーズ・エッジ」のつもり。軽やかなんだけど、でもすごくダークなんです。

大根 バンドサウンド自体も「こんなに変わる?」っていうぐらい変わったよね。

アヴちゃん エッジィなことをやってるって思われがちだったけど、うちらはずっと“核”をやってる自信があって。奇をてらってやろうなんて思ってなかったの。そこがどんどん研ぎ澄まされていって、メンバーも覚醒して、そのおかげで今こんなにポップなものができたんだと思う。

大根 第一印象がポップなのってすごくいいことだと思う。ここに来て生まれ変わった感じがあるもんね。

アヴちゃん 実は「Q」っていう曲が浮かんだときに、この曲をサブカルだとかメンヘラだとか言わせないで、ちゃんとポップに聴かせるためのアルバムを1枚作りたいと思って、あっという間に書き上げたのがこの作品なの。私はこの歌詞がアルバムの中で一番気に入ってるんです。

自分の中の少年がポップな曲を書く

大根 このアルバムがあっという間に書けたっていうのはすごいな。

アヴちゃん 自分で作ったアルバムなんだけど自分が作ってないみたいな感じで。曲を書くときはいつも歌詞も同時で、だいたい3分とか4、5分で1曲書き終わるんだけど、最近はもっとすごくて、寝落ちしてパッと起きたら、できあがった歌詞がずらっと書いてあるんです。

大根 自動書記みたいな感じだ。

アヴちゃん そう、読み上げると節が付いて曲になってる。ちょっと不気味なんだけど、それは自分の中にいる少年が書いてるんです。

大根 少年って?

左からアヴちゃん、大根仁。

アヴちゃん その子は、たぶん女王蜂を始める以前の自分なのかも。今やっとその子が覚醒したような気がしてる。自分の中で薔薇園アヴと本名の自分とその子が三つ巴になってる。その子は自分の中にずっといて、薔薇園アヴが戦ってるとこも見てきてて、でも実は誰よりも強かったみたいな感じ。彼がポップで軽やかな曲をサクサク書くから、今回それを録ってみようと思ったんです。

大根 その子が女王蜂のもう1人のメンバーとして存在してる、みたいなこと?

アヴちゃん なんかね、女王蜂って初期からそうなんだけど、ライブしててほんまに「キマった!」って瞬間に、もう1人現れるの。そいつが女王蜂。

大根 へえ!

アヴちゃん そいつが出てくるとベースよりもう1オクターブ下の地鳴りみたいな音がずっと鳴ってて、その日のライブはもう何やってもホームランになる。これは血を流すようなライブをしてきたバンドマンなら全員わかる話で、メンバー全員「あいつ、いたよね」ってなる。そのことをどうしたら伝えられるんだろうってずっと悩んでたんだけど、このタイミングで「あ、ポップに作れちゃった」って。

大根 それができたのは何かきっかけがあったの?

アヴちゃん たくさん勉強して吸収したんです。いっぱい遊びに行ったし、いろんな人と会ったし、いろんなバンドも観たし。一度活動休止してまた始めたけど、やっぱり「またやってるの知らなかった」とか「解散したと思ってた」とか、黙ってるとそんな感じで、それを払拭するにはやっぱりクオリティを上げるしかないから。だから今もめちゃくちゃ練習してる。で、そういうナードな部分を隠すために、こうやって足を出したりとかしてるんです(笑)。

女王蜂 ニューアルバム「Q」2017年4月5日発売 / Sony Music Associated Records
「Q」初回限定盤
初回限定盤 [CD+DVD] 3800円 / AICL-3289~90
「Q」通常盤
通常盤 [CD] 2800円 / AICL-3291
CD収録曲
  1. アウトロダクション
  2. 金星 Feat. DAOKO
  3. DANCE DANCE DANCE 
  4. しゅらしゅしゅしゅ
  5. 超・スリラ
  6. 失楽園
  7. Q
  8. つづら折り
  9. 雛市
初回限定盤DVD収録内容

全国ツアー「金星から来たヤツら」Final(2016.07.09 Live at Zepp DiverCity)

  1. 金星
  2. ヴィーナス
  3. スリラ
  4. 折り鶴
  5. 告げ口
  6. 鬼百合
  7. 始発
  8. 緊急事態

Music Video

  1. 金星
  2. DANCE DANCE DANCE
  3. 失楽園
  4. Q
  5. アウトロダクション
女王蜂 全国ワンマンツアー2017「A」
  • 2017年4月6日(木)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2017年4月8日(土)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2017年4月14日(金)大阪府 なんばHatch
  • 2017年4月29日(土・祝)広島県 SECOND CRUTCH
  • 2017年4月30日(日)岡山県 IMAGE
  • 2017年5月6日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2017年5月12日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2017年5月13日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2017年5月25日(木)京都府 磔磔
  • 2017年5月27日(土)香川県 DIME
  • 2017年6月2日(金)宮城県 darwin
  • 2017年6月3日(土)岩手県 Club Change WAVE
  • 2017年6月11日(日)石川県 Kanazawa AZ
  • 2017年6月25日(日)愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2017年7月2日(日)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
女王蜂(ジョオウバチ)
女王蜂

2009年神戸にて活動開始。2010年「FUJI ROCK FESTIVAL '10」のROOKIE A GO-GOステージに出演し、その衝撃的なルックスとパフォーマンスでオーディエンスの注目を集めた。2011年3月に初の全国流通盤アルバム「魔女狩り」をリリース。同年9月にはアルバム「孔雀」でソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりメジャーデビューを果たす。収録曲「デスコ」は映画「モテキ」のメインテーマに抜擢されたほか、彼女たち自身も本人役として映画に初出演し話題を呼んだ。2012年5月にギギちゃん(G)が利き腕の長期治療に専念するためバンドを“降板”するも、アヴちゃん(Vo)、やしちゃん(B)、ルリちゃん(Dr)の3人編成にサポートを迎える形で活動を継続。しかし同年12月にバンドは無期限活動休止を発表し、2013年2月のSHIBUYA-AX公演をもって活動を休止した。その後バンドは2014年2月のワンマンライブ「白熱戦」で1年ぶりに復活し、2015年1月に新ギタリスト・ひばりくんが正式加入。同年3月にアルバム「奇麗」をリリースし、12月から2016年3月にかけて対バンライブシリーズ「蜜蜂ナイト」を開催した。2016年6月にはフランス・パリにてバンド初の海外ライブを実施。4月5日に約2年ぶりのアルバム「Q」を発表し、翌6日から全国ツアー「女王蜂 全国ワンマンツアー2017『A』」を開催する。

大根仁(オオネヒトシ)

1968年東京生まれの演出家、映画監督。代表作はドラマ「アキハバラ@DEEP」「去年ルノアールで」「湯けむりスナイパー」「まほろ駅前番外地」、映画「恋の渦」「SCOOP!」など多数。2010年、脚本・演出を担当したテレビ東京系深夜ドラマ「モテキ」が話題を集め、2011年9月に映画化。2015年10月公開の「バクマン。」で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞する。同年12月に公開された電気グルーヴのドキュメンタリー映画「DENKI GROOVE THE MOVIE? -石野卓球とピエール瀧-」も手がけた。3月には「SCOOP!」のBlu-rayおよびDVDが発売されたばかり。9月には妻夫木聡主演の映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」の公開が控えている。