ナタリー PowerPush - 弓木英梨乃
「20世紀少年」妄想主題歌(?)「終わらない遊び」ついにリリース
ジョージ・ハリスンに憧れてジョージのパートだけを練習してた
──そもそも弓木さんがギターを始めたきっかけって何だったんですか?
中学1年生の頃、父親が車で聴いていたTHE BEATLESの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」にハマってしまって、その後も大好きで毎日毎日聴きまくってたんです。そうしたらお父さんが「CAVERN CLUB」ってライブハウスに連れてってくれて。でも当時はTHE BEATLESが好きだったわけではなく「Ob-La-Di, Ob-La-Da」が好きなだけだったんですけどね(苦笑)。でも、THE BEATLESのカバーバンドのライブで観たジョージ・ハリスン役の人に一目惚れしてしまって(笑)。ギターを弾いている姿がカッコよくて、私も「ギターをやってれば会話できるかな?」なんて気分でギターを父に借りて始めました。
──それは面白いなあ。で、どんなギターを使い始めたんですか?
弾きやすかったのでシェクターのテレキャスを高校生のときからずっと使ってました。でもレコーディングではいろんなギターを弾きたいと思って、最近はフェンダーのテレキャスとかジェフ・ベックモデルのストラトも使ってます。全部父に借りてます(笑)。父はギターをたくさんコレクションしてるんですよ。
──楽曲作りを始めたきっかけは?
それも父なんですよ。私、ジョージ・ハリスンに憧れてたから、ずっとジョージのパートだけを練習してたんですね(笑)。そしたら父が「THE BEATLESばっかりじゃダメだ。そろそろ自分の曲を作れ!」って。そしてMTRをもらって、最初は全然わからなかったんですけど自分なりに多重録音をするようになったのがきっかけですね。
──どんな曲を作ったんですか?
中学3年生くらいで、もろにTHE BEATLES風な曲ばかりでした。例えば「ジョンがラブ&ピースを歌っているから私もラブ&ピース歌う!」って思い込んで歌詞も全部英語で(笑)。そして今のスタイルになったきっかけは、高校生の頃アナム&マキを聴いて衝撃を受けたことですね。THE BEATLESの次に影響を受けまくってます。
──そういえば、デビューのきっかけは音楽コンテストでグランプリを穫ったからなんですよね?
小さい頃から何をやっても1番になったことがなかったんです。なので人生で初めて1番をいただけてすごいうれしかったのと、あとは自分のやっている音楽に共感してくれる人がいるのかなってずっと思ってたので、認めてもらえて自信になりました。父親は全然ほめてはくれませんでしたから(笑)。
──バンドで音楽をやろうとは思わなかったんですか?
わたし協調性がないんです(笑)。音楽へのこだわりが強くあるんですけど、なかなか人に言えないんですね。だったら自分1人で好きな音楽をやっちゃおうって思ったんです。
ミドリカワ書房さんと一緒にライブするのが夢なんです
──メジャーデビューが決まったときはどう感じましたか?
コンテストでグランプリをいただいてからデビューまでが早かったので、こんな簡単にデビューできるの?って思ったのが正直な感想でした。あと、本当に私でいいの?って不安しかなかったですね。でも、多くの人に自分の音楽を楽しんでほしい気持ちがあったのでがんばることができました。
──しかもシングル1枚目「LφST[ロスト]」から映画「携帯彼氏」のタイアップが決まって、プレッシャーもあったのでは?
そうなんです。誰にも相談できず1人でプレッシャーを背負ってしまって……。もちろんうれしかったんですけど、大きな映画のタイアップがついてるのに売れなかったらどうしようって思ってました。でも、今はすべてを受け入れつつ精神的にも音楽的にもこの1年で成長できたなって実感してます。いろいろチャンスをいただけてることがうれしいです。
──確かに大人っぽくなりましたよね。そのきっかけは?
1年前のデビューのとき、ラジオや雑誌の取材がたくさんあって、その恵まれた状況に慣れてしまった時期もあって。でも「LφST[ロスト]」を出してからリリースの時期が空いてしまって。その時にCDをリリースできるありがたみを実感したんですね。自分の音楽を伝えるために取材や出会いを大事にしたいなって気持ちが強くなりました。
──濃い1年を送られたんですね。ちなみに最近はどんな音楽を聴いてますか?
北欧ものとか好きです。インガー・マリーとかカナダの歌手のホリー・コールさんとか。邦楽だったらミドリカワ書房さんが大好きで、一緒にライブするのが夢なんです!
──その共演はぜひ実現させてほしいですね。では最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
新曲「終わらない遊び」は、少年から大人へっていう、誰もが通る道をテーマにしてます。私のように、気がついたら大人になってて宙ぶらりんな状態を感じている人ってたくさんいると思うので、この曲を聴いて前向きな一歩を踏み出してもらえるとうれしいです。あと「20世紀少年」が好きな人はこの曲がエンディングテーマになっているところを想像して楽しんでみてください(笑)。そして12月7日のワンマンライブに遊びにきてください。お待ちしてます!!
弓木英梨乃
「終わらない遊び」リリースライブ
- 2010年12月7日(火)
東京都 渋谷スターラウンジ
OPEN 19:00/START 19:30
前売 1000円(ドリンク代別)
お問い合わせ:SOGO TOKYO 03-3405-9999
弓木英梨乃(ゆみきえりの)
1990年大阪生まれ。2歳半からバイオリンを始め、中学1年生のときにTHE BEATLESと出会う。父親のギターを借りてTHE BEATLESの楽曲を完全コピーした後、中学3年生からMTRでオリジナル曲の制作をスタート。高校2年生のときにマイクロソフト主催のコンテスト「第2回SCHOOL OF SCHOOL FINAL」でグランプリを獲得し、2009年10月にシングル「LφST[ロスト]」でメジャーデビュー。この曲が映画「携帯彼氏」主題歌に抜擢され、その後2010年6月に配信限定シングル「BLUE」、12月に3rdシングル「終わらない遊び」を発表。ライブではギタリストとしての卓越した腕前も存分に披露している。