ナタリー PowerPush - 安田レイ

夢をかなえる秘密のパスコード

安田レイが3枚目のニューシングル「パスコード4854」をリリースする。前作「Brand New Day」から約4カ月ぶりとなる本作には、テレビアニメ「金田一少年の事件簿R」エンディングテーマとして、すでに先行配信がスタートしている表題曲に加え、クールかつアッパーなダンスチューン「I&U」と、初めて自ら歌詞を手がけた「One day」を収録。タイプの異なる3曲で、新たな彼女の表情を伝えている。

ナタリー4度目となる今回のインタビューでは、それぞれの楽曲に込めた思いと、デビューからの約1年で芽生えた新しい夢について語ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 塚原孝顕

届きそうで届かない距離感

──新曲「パスコード4854」。まず何より気になるのは“4854”という数字ですよね。

きっと誰にでもパスコードに使っている大事な数字ってあると思うんですけど、私にとって大切なのがこの“4854”なんですよ。音楽に出会ったときにまつわる、ある数字なんですけど……うん、そういうことなんです(笑)。

──つまりその意味は内緒……ってことですかね(笑)。

安田レイ

あははは(笑)。そうですね、秘密です。でも私にとっては本当に小さい頃から大切にしてる数字で。この曲、もともとは「パスコード」っていうタイトルでリリースしようとしていたんですよ。でも、それだけじゃなんか物足りない感じがしたので、安田レイが大事にしているパスコードをつけようということになって。そこで真っ先に出てきた数字なんです。

──その意味をいろいろと想像するのが楽しいかもしれないですね。この曲の主人公が、思いを寄せている相手の心のパスコードをがんばって解こうとしているように。

この曲は「金田一少年の事件簿R」に出てくる一(はじめ)ちゃんと美雪ちゃんの絶妙な距離感にインスパイアされて作ったものなんです。だからちょっとキュンキュンしちゃうような片思いを描いてるんですよ。

──歌詞に“変わらない10cmの距離”というフレーズがあるように、案外接近はしているけど恋は成就していないという。

そう! 届きそうで届かない、その距離感がこの曲のポイントだと思いますね。「あと10cmなのにー!」っていう。でも女の子ってそういう瞬間がすごく楽しくもあって、追いかけている相手に気付いてもらえるように服装やメイクを変えたりするんですよね。

──なんとかして相手の心のカギを開こうと。

めちゃくちゃ努力するっていう。その感覚はすごく共感できますね。

──安田さんは好きな相手のパスコードを解除するのが得意?

いやあ、なかなかできないですよねえ。それこそ「金田一少年の事件簿R」とかサスペンスドラマとかを見ていても、犯人が全然当てられないタイプなので。ただ、逆に私のパスコードを解くのはめちゃくちゃ簡単だと思いますけど(笑)。

──前回のインタビューで、相手への好意がすぐ顔に出てしまうとおっしゃっていましたもんね。

はい。10cmまで近づいてたらもうバレバレだと思います(笑)。

「音たち、私の歌についてこーい!」

──サウンド面に関してはギターがすごく印象的な仕上がりになっていますね。

安田レイ

私の今までの楽曲にはなかった、ちょっと新しいロックチューンになっていますね。ギターサウンドっていうのは聴いていてすごく心地いいので、楽しく歌うことができました。

──疾走感のあるトラックに合わせて、声もすごく伸びやかな印象です。

サウンドに乗っかるというよりは歌で引っ張っていく感じを出してみてって、プロデューサーの玉井(健二 / agehasprings)さんにディレクションしていただいて。その感覚をつかむのがちょっと難しかったんですけど、何回かトライしていくうちに気持ちよく歌えるようになりました。「音たち、私の歌についてこーい!」みたいな感じで……なんか今すごいバカっぽい発言しちゃったけど。どうしよう(笑)。

──声色に関してはどんなイメージで?

歌詞はけっこう優しい雰囲気なんですけど、気持ちの強さ、意志の強さみたいなところを声で表現できたらいいかなっていうのは思いましたね。ちょっとパワーのある感じというか。とはいえ、そこはいつもどおりあまり考えずに感覚を大事にしたので、それほど悩みはしなかったです。

──サウンド同様、新しい雰囲気を感じられるPVもすごく素敵でしたよ。

今回は初めていろいろなキャストさんと共演する内容になっていて。映像的にはもちろん、現場の雰囲気もいつもとは違った感じですごく楽しかったです。キャストの皆さんがすごく個性的でしたね。

──オシャレで、ちょっとミステリアスな感じもありつつ。

そうなんですよ。みなさん、アーティスティックな感じというか。いろいろお話とかをしながら、いい雰囲気で撮影できました。

──で、このPVには何やら謎が隠されているようですね。

そうなんです! 映像の中に4ケタのパスコードがたくさん出てくるんですよ。それをオフィシャルサイトで入力してもらうと、いろいろ面白いものが見られるようになっています。ぜひチェックしてみてほしいですね。

ニューシングル「パスコード4854」 / 2014年6月4日発売 / SME Records
通常盤 [CD] 1258円 / SECL-1512
期間生産限定盤 [CD] 1350円 / SECL-1513
通常盤 収録曲
  1. パスコード4854
  2. I&U
  3. One day
  4. パスコード4854 -TV edit-
期間生産限定盤 収録曲
  1. パスコード4854
  2. I&U
  3. One day
  4. パスコード4854 -Instrumental-
安田レイ(ヤスダレイ)

1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州で生まれる。3歳で日本へ移住し10歳の頃に母親が聴いていた宇多田ヒカルの楽曲に衝撃を受けてシンガーを志す。モデル活動を始めたことがきっかけとなり、13歳のときに元気ロケッツのオーディションに合格。架空の女性「Lumi」のモデルとなりボーカリストとしてもプロジェクトに参加する。2013年7月に「Best of my Love」でメジャーデビューを果たし、12月には配信限定の「Let It Snow」を発売。2014年2月に「Brand New Day」をリリースし、同年6月には「パスコード4854」を発表。同曲はテレビアニメ「金田一少年の事件簿R」のエンディングテーマに選ばれる。