ナタリー PowerPush - WORLD ORDER

初ライブBlu-ray / DVDを手にネクストステージへ

WORLD ORDERが初のライブBlu-ray / DVD「須藤元気 Presents WORLD ORDER in 武道館」をリリースした。

須藤元気によると本作は「WORLD ORDERの第1章の集大成」的位置付けの作品なのだという。Blu-ray / DVDの中の7人は床面に敷き詰められたLEDライトが幻想的な映像を映し出すアリーナ中央のステージで、一糸乱れぬ圧巻のパフォーマンスを披露。ステージを取り囲む大観衆から喝采を浴びている。

これまでWORLD ORDERはビデオクリップで正面から見せる映像作品制作にこだわり続けてきた。今回のインタビューではそんな彼らが360°全方位的に観客の視線に晒されるセンターステージでのライブを決行した理由と、その模様をアーカイブした理由、そして武道館でのステージののちに来たるべきWORLD ORDER第2章の構想について聞いた。

取材・文 / 成松哲 インタビュー撮影 / 佐藤類

「実はライブもすごいんだよ」

──「WORLD ORDER in 武道館」っていい意味で視聴者に緊張を強いる作品ですよね。メンバー同士はもちろん、床に設置されたLEDライトの映し出す映像とも完璧にシンクロしてみせる、本当にハイクオリティなダンスが目の前で繰り広げている以上、こちらもナメた態度で観るわけにはいかない。姿勢を正さねば、という気にさせてもらいました(笑)。

須藤元気

須藤元気 ありがとうございます(笑)。

──ただ、だからこそ疑問もあるんです。なぜ今、ライブDVDを? 特にWORLD ORDERって、YouTubeで話題を集めたことをきっかけにメジャーデビューしている上に、リリースしている作品の多くは「CDに特典映像入りDVDが付属」という形態ではなく「DVD+CD」「Blu-ray+CD」というパッケージ。映像制作に注力しているグループなのにライブ映像はリリースしてこなかった。そこには何か意図があったんじゃないかっていう気もしたんです。

須藤 いや、単にタイミングが合わなかっただけというか、特にライブ映像を出さなかったことに理由はなくて(笑)。今回も「実はライブもすごいんだよ」というところを見せたかっただけといえば、それだけなんです。今、言っていただいたようにWORLD ORDER=ミュージックビデオっていうイメージが皆さんの中にあるとは思うし、そのミュージックビデオの評判もおかげさまでいいんですけど、そうなると近いうちに「ライブはどうなの?」と比較したがる人も出てくるのかなって気がしていて。実はミュージックビデオではCGを使ってるんじゃないの?っていう。そういう声に対して「加工してないよ」「WORLD ORDERはライブでもミュージックビデオに劣らないくらいクオリティの高いものができるんだよ」っていうところを見せておきたいなあっていう思いがあって。だから今までの「Blu-ray+CD」っていうのと発想は同じ。映像作品としてリリースする話があった上での武道館。1つの映像作品、パッケージを作ることを前提にしたライブをやろうっていう点にこだわってみたんです。

「WORLD ORDERってどこから観てもカッコいいんですよ」

──映像中のMCで須藤さんも言っていた通り、アリーナのセンターに設置されたステージでのライブとなると「弱点をさらけ出す」ことにもなるわけですよね。例えばビデオクリップや一般的な公演ではまず映さないだろう背中やお尻も観られることになる。初のライブ映像作品なんだからカッコつけてしまうというか、見せたいものだけを見せるのもひとつの手だったのでは?

須藤 確かにそれもひとつの手ではありますよね。ミュージックビデオではあくまで面を意識して表現すればいい。画面に映る部分だけを意識すればよかったんですけど、円形ステージのライブでは当然360°を意識しなければならないわけですから。実際、正面に対してポーズを決めているときの横側ってあまり観られたくないといえば観られたくはない部分ではあるんですけど、今回に限ってはそこをあえて観せていこう、と。

──それはなぜ?

須藤 今の世の中、偽りなんか通用しなくなってきているじゃないですか。それに僕らの横顔や後ろ姿っていうのも決してカッコ悪いものではないはずなので(笑)。だったら「WORLD ORDERってどこから観てもカッコいいんですよ」っていうところをアピールできればいいなって思いでライブは作りました。弱点をあえて逆手にとることで表現の幅も広がるだろうし、「あっ、こういう見せ方もできるんだ」って発見もあるかもしれないし。(メンバーのほうを向きながら)ねっ?(笑)

落合将人

落合将人 はい(笑)。リハーサルからかなりハードというか、360°どこから観られてもいいように振り付け自体を大幅に変えなきゃいけなかったんですけど、それをメンバー全員で考えていく中で、いろいろ気付かされたことはありましたね。

森澤祐介 リハーサルが始まったのは年が明けてからなんで、そんなに長い期間やっていたわけではないんですけど、本番の3日くらいまで「こうしたほうがいい」「ああしたほうがいい」ってやってましたからね。みんな妥協したくないっていう思いがあったので「多少大変でも変更します」っていう方向に迷わず向かってた気はします。……まあでも、大変でした(笑)。

WORLD ORDERと武道館をつなぐキーワード

──あと、なぜ武道館だったんでしょう。映像の冒頭にあったBGMに乗って花道を歩く須藤さんの姿、武道館のセンターに設置されたステージに登る須藤さんの姿っていうのは、ある意味見慣れてはいるんですよ。

上西隆史

須藤 格闘家として戦ったことのある会場ですからね(笑)。

──ええ(笑)。でもダンサー集団と武道館ってけっこう意外な組み合わせですよね。

須藤 そうかもしれませんね。ただ武道館ってアーティストとして目指すべき場所の1つではありますよね。今回のライブはWORLD ORDERの第1章の集大成的位置付け、今のWORLD ORDERのすべてを見せるライブだったので、そういう意味ではやっぱり武道館でやるべきだろうと思ってました。それがライブ映像をリリースしたもう1つの理由でもありますし。あとWORLD ORDERって日本的であることをコンセプトの1つに据えているグループなので、意外と武道館との親和性って高いんですよね。「和」っていう部分でリンクしやすいので。

ライブBlu-ray / DVD「須藤元気 Presents WORLD ORDER in 武道館」/ 2013年8月7日発売 / ポニーキャニオン
初回限定盤 Blu-ray[Blu-ray BOX] 6800円 / PCXP-50156
通常盤 Blu-ray[Blu-ray Disc] 5800円 / PCXP-50157
通常盤[DVD] 4800円 / PCBP-52249
収録曲
  1. THE HISTORY OF VOICE
  2. WORLD ORDER
  3. PERMANENT REVOLUTION
  4. CHANGE YOUR LIFE
  5. A BRAVE NEW WORLD
  6. FIND THE LIGHT / BLUE BOUNDARY
  7. MIND SHIFT
  8. BE MAN MACHINE
  9. MACHINE CIVILIZATION
  10. AQUARIUS
  11. 2012
  • Making of "WORLD ORDER in BUDOKAN"
  • 「WORLD ORDER~CIRCLE」 SPECIAL Ver.
初回限定盤 Blu-ray収録内容
  • 「AQUARIUS~2012」 SPECIAL Ver.
初回限定盤 Blu-ray封入特典
  • 豪華BOX仕様
  • 52P PHOTO BOOKLET
  • FLIP BOOK
WORLD ORDER(わーるどおーだー)

元格闘家で、タレントや作家などとしても活躍する須藤元気が、男性ダンサー6名(落合将人、高橋昭博、内山隼人、森澤祐介、上西隆史、富田竜太)とともに活動する7人組ダンスパフォーマンスユニット。スーツにメガネ、きっちり整えた髪型という統一感のあるファッションと、須藤が歌うポップなダンスミュージック、ダンサーたちの高い身体能力を活かしたロボットダンスが、アジアをはじめアメリカ、カナダ、ヨーロッパ圏で熱烈に支持されている。また、独創性の強い映像作品も各国で高評価を獲得。2012年6月にはDVD / Blu-rayとCDからなる2枚組作品「2012」、同年11月には初のシングル「FIND THE LIGHT / PERMANENT REVOLUTION」をリリースし、2013年6月には「IMPERIALISM」を世界同時配信。同年4月には東京・日本武道館でライブを行い、8月、その模様を完全収録したBlu-ray / DVD「須藤元気 Presents WORLD ORDER in 武道館」を発表した。