音楽ナタリー Power Push - ウソツキ

塩をかけて甘み倍増? 進化の先にあったアイデンティティ

ウソツキが1stフルアルバム「スーパーリアリズム」を完成させた。

これまでに「金星人に恋をした。」「新木場発、銀河鉄道は行く。」という2作のミニアルバムを発表し、着実にファンを増やし続けてきたウソツキ。彼らにとって初めてのフルアルバム作品には前述の2作のリードトラックを含む、全12曲が収録されている。竹田昌和(Vo, G)が「セルフタイトルぐらいの気持ちの作品」と語るように、今作はウソツキが音楽を通じて表現したかった「本当のこと」が詰まった、まさに名刺代わりの1枚に仕上がっている。1stフルアルバムの完成を記念して、メンバー4人に話を聞いた。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 福岡諒祠

 
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「スーパーリアリズム」はウソツキを表した言葉

──アルバム完成おめでとうございます。バラエティに富んだ楽曲がずらりと並んだ聴き応えのある作品になりましたね。チョーヒカルさんが手がけたアートワークにも驚きました(参照:ウソツキ、新作アートワークでチョーヒカルとコラボ&インストア決定)。

竹田昌和(Vo, G) ありがとうございます! 音はもちろん、アートワークを含めていい作品が完成したと思っています。

ウソツキ

──「スーパーリアリズム」というタイトルと連動したアートワークですよね。どうしてこのようなアートワークになったんでしょうか?

竹田 曲がそろってタイトルが決まったときに、アートワークをお願いしたい人がポンと浮かんだんです。ウソツキという名前にちなんで、トリックアートを使ったジャケットやグッズを作りたいなと前からずっと思っていて。どんな作家さんがいるのかなと思って調べていく中でチョーヒカルさんというアーティストを知って、今回オファーさせていただいたんです。僕らが音楽でやりたいことや、今回の作品はこういうものになったというイメージだけ伝えて、アーティスト写真を含めてアートワークを全部お願いしました。

──ウソツキがチョーさんに伝えた「ウソツキが音楽でやりたいこと」ってどういうことなんですか?

竹田 僕らの曲で描かれている話はフィクションだから表面的にはウソなんです。それを使って物事の本質を伝えたいということですね。フィクションの中に僕が実際に感じた気持ちをメッセージとして込めています。恋愛でもそうだし、ニュースとかを観て思ったこと、そういうのをすべてひっくるめて「スーパーリアリズム」って言えば伝わるんじゃないかなと思って。

──「スーパーリアリズム」って画法なんですよね?

竹田 そうです。「より忠実にここにあるものを描く」という画法で。それって、僕らが「金星人に恋をした。」をリリースするときに付けたバンドのキャッチコピーの「現実よりよっぽどリアルなウソをつきます」という言葉とリンクしてる部分があると思ったんです。

──きちんとやりたいことを提示できた、名刺代わりの1枚になったんですね。

竹田 そうですね。自分たちがやりたいと思っていたことが実現できたので、今作はセルフタイトルぐらいの気持ちの作品ですね。

林山拓斗(Dr) このアルバムに入った12曲を総括して、共通して言える言葉はどんな言葉かなってみんなで考えたんです。

吉田健二(G) たくさん案を出したよね。

藤井浩太(B) その中でピタリとハマった言葉が「スーパーリアリズム」だったっていう。

竹田昌和(Vo, G)

──ジャケットに描かれている四角いCDってすごく斬新ですよね。ブックレットにもタイヤや5円玉、目玉焼きなど通常は丸いものがすべて四角く描かれています。

竹田 ジャケットのイラストはチョーさんが持ってきてくれたいくつかのラフの中から選ばせてもらったんですよ。ほかの案で印象的だったのは、頭をCDプレーヤーに見立ててその中にCDを押し込んだかのように見えるイラスト。僕らの頭の中に音楽があるということなのか、聴く人の頭の中に僕らの音楽を入れてその中で世界を作ってほしいということなのかはわからなかったんですけど。ラフをいろいろ見せてもらったときに「ああ、僕らがやりたいことをきちんとわかってくれてるんだ」と思いました。彼女は「日常の中にある非日常をいかに自分の作品を見た人が考えてくれるのか」っていうことを思って活動しているらしくて。一方で僕らは常識の中にある非常識を楽曲で提示していきたいと思っていた。まさに僕らのやりたいことと同じだなと思って、これは彼女に丸ごと委ねても大丈夫だなと。

林山 今までのアートワークは僕らが100%考えて形にしてきたんです。僕らのアイデアなしに、同じスタンスでものを作り上げられたのはすごくうれしかった。

藤井 ダウンロードでもいいけど、今回はCDを手にして隅々まで見てほしいですね。アートワークを含めて意味があるものだと思っているので。

──方法は違えど、表現したかったことはかなり近いものだったと。

竹田 そうですね。今回のアートワークは彼女が考えたことと僕らが考えたことを足したわけじゃなくて、思いを共有して生み出したハイブリッドなものだと思っています。

言いたいことは「シャルウィーダンスっていう話です。」

──このアルバムを作るにあたって、書き下ろした曲はどれなんですか?

竹田 過去に出したミニアルバムのリードトラックの「金星人に恋をした」「新木場発、銀河鉄道」、結成したばかりの頃にリリースした自主制作盤「雨降るバス停」収録の「1、2、3、」以外はほぼ書き下ろしですね。

林山 「水の中からソラ見てる」も昔からあるけど、かなりアレンジを変えてるので新曲みたいなものだよね。

──8曲が書き下ろしということですね。制作はどういうふうに進んでいったんですか?

竹田 うーん、1枚目の「金星人に恋をした。」はミディアムテンポの曲が多く入った作品で、「今のバンドシーンでは流行ってないミディアムナンバーだけど、いいよね」ってよく言われて。もちろんうれしかったんですけど、自分の中で「速い曲を書いても僕ららしさは出せますよ」っていう気持ちが生まれたんです。それで次のアルバム「新木場発、銀河鉄道は行く。」には、そこまで意図したわけじゃないんですけど、BPM150超えの曲がたくさん集まった。そしたら今度は「速い曲でバンド感は増したけど、ちゃんとメッセージがあっていいね。でも、最近流行りのダンスナンバーじゃないよね」って言われたんですよ。それが悔しくて初めてダンスナンバーというものを書いてやろうと思って、できたのが「旗揚げ運動」。そのあとアルバム用の曲を作っていったんですけど、気付いてみたらほとんどが四つ打ちで。そのときに僕って不器用なんだなと思いましたね(笑)。

──四つ打ちばっかりという印象は持ちませんでした。そういえば、1作目に入ってる「金星人に恋をした」も四つ打ちですよね。

林山拓斗(Dr)

竹田 そうなんですよ。結局四つ打ちが多くなってしまう。でも今流行っている“四つ打ちのダンスナンバー”という成分を持った曲を作ってもウソツキらしさは損ないませんよっていうのを提示したかった。

林山 ダンスナンバーなのに「ダンスってどういうものなんだろう?」という気持ちが含まれてるのは、ほかのバンドにはないところだと思う。

──最初に「旗揚げ運動」を披露したのは4月1日のワンマン(参照:ウソツキ、大盛況のエイプリルフール恒例ワンマン)のときですよね。初見なのにお客さんが竹田さんが歌う「右手を挙げて 左手下げて」という指示に従って手を挙げている様子にびっくりしました。

竹田 それならば、してやったりですね(笑)。ダンスナンバーに足せる僕ららしさって「踊ろうぜ!」ってストレートに言えないことだったんですよ。でも心のどこかで言いたいと思っていた自分もいる。最初は「踊らされてるよね? みんな」っていう皮肉から入るのが僕のやり方だった……というか、そういう手口でしかできなかったというのが正しい。結局この曲は「シャルウィーダンスっていう話です。」の一言に集約されていて。

吉田 なんかサビの直前に「踊れー!」とは言えない質なんですよね、俺ら。

竹田 うん。2分30秒ずっと回り道して、やっとひねり出した言葉ですら「シャルウィーダンスっていう話です。」っていう。でもそれがらしさだなと思っています。

1stフルアルバム「スーパーリアリズム」 / 2015年10月7日発売 / 2700円 / DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT / UKDZ-0167
「スーパーリアリズム」
収録曲
  1. ミライドライバー
  2. 水の中からソラ見てる
  3. 旗揚げ運動
  4. 春風と風鈴
  5. 転校生はエイリアン
  6. 金星人に恋をした(S.R. mix)
  7. ネガチブ
  8. 1、2、3、
  9. 明日世界は終わらない
  10. Roll Roll Roll
  11. 新木場発、銀河鉄道(S.R. mix)
  12. きっと友達
ウソツキ「スーパーリアリズム」発売記念インストアイベント
  • 2015年10月12日(月・祝)
    大阪府 タワーレコード難波店 5F イベントスペース
    START 15:00
  • 2015年10月17日(土)
    東京都 タワーレコード渋谷店 1F イベントスペース
    START 13:30
  • 2015年10月18日(日)
    宮城県 タワーレコード仙台パルコ店 イベントスペース
    START 15:00
  • 2015年11月14日(土)
    神奈川県 タワーレコード横浜ビブレ店 イベントスペース
    START 15:30
  • 2015年11月15日(日)
    愛知県 タワーレコード名古屋パルコ店 西館1F イベントスペース
    START 15:00
1st Full Album スーパーリアリズム release Tour「みんなでウソツカナイト」
  • 2015年11月3日(火・祝)長野県 ALECX
  • 2015年11月5日(木)新潟県 CLUB RIVERST
  • 2015年11月7日(土)岩手県 the five morioka
  • 2015年11月8日(日)宮城県 enn 2nd(ワンマンライブ)
  • 2015年11月19日(木)愛知県 池下CLUB UPSET
  • 2015年11月20日(金)広島県 CAVE-BE
  • 2015年11月22日(日)福岡県 Queblick
  • 2015年11月25日(水)香川県 DIME
  • 2015年11月26日(木)高知県 X-pt.
  • 2015年11月28日(土)大阪府 Shangri-La(ワンマンライブ)
  • 2015年12月3日(木)東京都 渋谷CLUB QUATTRO(ワンマンライブ)
ウソツキ
ウソツキ

竹田昌和(Vo, G)、吉田健二(G)、藤井浩太(B)、林山拓斗(Dr)から成る4人組ロックバンド。歌を軸にしたポップなナンバーを得意とし、都内のライブハウスを中心に活動している。竹田が高校生の頃からオリジナル楽曲を作り始め、2011年2月にウソツキとして活動を開始。2012年3月に自主制作盤「雨降るバス停」をライブ会場限定でリリースし、2013年夏に現在の4人編成となった。2014年4月に東京・下北沢MOSAiCにて初のワンマンライブ「SUPER USOTSUKA NIGHT」を開催。6月に初の全国流通盤「金星人に恋をした。」をUK.PROJECT内のレーベルDAIZAWA RECORDSより発表し、インディーズデビューを果たした。8月にはUK.PROJECT主催のライブイベント「UKFC on the Road 2014」に出演。2015年1月21日にミニアルバム「新木場発、銀河鉄道は行く。」をリリースし、4月1日に2度目のワンマンライブ「超USOTSUKA NIGHT」を東京・下北沢CLUB Queにて開催した。6月からはアンテナ、ココロオークションを招いて3都市を巡る対バンツアー「ウソツキpresents『ハレソウ』ツアー」を実施。7月には「NUMBER SHOT 2015」にて初の夏フェス出演を果たした。10月に1stフルアルバム「スーパーリアリズム」をリリースし、これを記念した全国ツアー「みんなでウソツカナイト」を11月より開催する。