サトミツ&ザ・トイレッツがアルバム「ホワイト・アルバム」を“いいトイレの日”である11月10日にリリース。本作でメジャーデビューを果たす。
トイレをこよなく愛し、“トイレマイスター”としても幅広く活動を展開しているお笑い芸人・佐藤満春(どきどきキャンプ)が、「音楽を通してトイレにまつわる悩みを解消したい」という真摯な思いを込めて結成したバンドがサトミツ&ザ・トイレッツ。“戸井廉太郎”こと佐藤の人脈を駆使して集められたメンバーは、“猫すなお先生”こと山田稔明(GOMES THE HITMAN)、“サニタリー俊吾”こと伊藤俊吾(キンモクセイ)、“トイ・レノン”こと佐々木良(キンモクセイ)、“イトイレット・KEN”こと伊藤健太(ex. ゲントウキ)、“うんちもり森”こと森信行(ex. くるり)という強力な布陣となっている。
子供から大人まで幅広い世代に響かせるべく、トイレへの熱い思いとたっぷりの遊び心を注ぎこんで作り上げられたアルバムの魅力について、メンバー6人にじっくりと話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 上山陽介
トイレの問題を子供に届けるため
──サトミツ&ザ・トイレッツは佐藤さん主導で結成されたんですよね。
佐藤満春(Vo, pBONE) そうです。僕が言い出しっぺ。僕はもともとトイレがすごく好きで2006年からトイレの講義をするトークライブを始めたんですけど、その中でトイレがいろいろな問題を抱えていることに気付いたんです。例えば、小学生の男子が学校でトイレに行けないという悩みとかは僕らの時代にもあったし、今の子供にもあるみたいなんですよ。そういった悩みをなんとかしたいなと思って絵本の原作を書いたり、ラジオでしゃべったり、講演会をしたりしてきたんですけど、なかなか子供にまでは届いていないぞと。そこで考えたのが音楽だったんです。子供は歌をよく口ずさむから、トイレのことをメロディに乗せればいいんじゃないかと。でも僕には音楽のセンスがまったくないので、そこはプロに任せようと思って、このメンバーに託すことにしたんです。
──すごいメンツが集まりましたね。
佐藤 そうですよね(笑)。これまでの芸歴の中で培った人脈と、偶然の出会いもあってすごい方々に参加していただけることになりました。佐々木良さんは僕の高校の先輩なので、そこからイトシュン(伊藤俊吾)さんにつなげてもらって。もっくん(森信行)は以前、僕のトークライブに出てもらったことがありましたし、山田(稔明)さんはTwitterでやり取りさせてもらっていて。
山田稔明(Vo, G) 僕のエゴサーチにサトミツ(佐藤)さんが引っかかったんですよ。「この芸人さんは俺のことが好きらしいぞ」ってことで連絡を取り合うようになっていて。
佐藤 そうそう。僕はGOMES THE HITMANがえらい好きで、ずっと聴いていたので。あと、イトケン(伊藤健太)さんは良さんと一緒にライブをやっているというつながりで。
伊藤健太(Vo, B) 僕は先にどきどきキャンプの相方の岸(学)くんと付き合いがあったんですよ。単独ライブを観に行かせてもらったりもしていたので。で、改めてサトミツさんともちゃんとつながったと。
佐藤 そうやっていろんな縁で集まったメンバーだったけど、意外にもはじめましての人がいなかったっていうね。で、皆さんにお声がけをしたあと、最初に全員で飲み会をして。そこでバンドとしてのコンセプトをお話しさせていただいたところ、みんな僕の趣旨に賛同してくれたんですよね。「そんなバンドは嫌だ」って言われたら、冗談っぽく「ですよねー」って言おうと思ってたんですけど(笑)。
伊藤俊吾(Vo, Key) “お笑いの方がトイレをテーマにする”という部分だけ聞くと、おふざけなバンドになるのかなって思うじゃないですか。でも、トイレにまつわる諸問題を解決したいっていう真面目なコンセプトがあったので、それはすごくいいなと。「力になれるならぜひ!」っていう感じでしたね。
伊藤健太 楽しいバンドになりそうだなって感じましたしね。
バンドマジック
佐藤 そこからバンドが動き出し、まずは曲を作ろうということになったんです。曲を作る人の分担なんかはイトケンさんが仕切ってくれて。で、僕はそれぞれの曲のコンセプトと、歌詞らしきものを書いてバーッとみんなに送ったりして。
伊藤健太 まず3曲作ろうってことになったんで、作曲の経験値の高い3人(伊藤俊吾、山田、佐々木)に、それぞれテーマを与えてね。「この曲はちょっとファンクふう」「こっちはビートルズふう」みたいな感じで。
佐藤 でもね、そこから半年くらい誰とも連絡が取れなくなっちゃったんですよ。みんなそれぞれ仕事があって忙しいから。最初の飲み会でみんなが賛同してくれたのは夢だったのか?みたいな(笑)。そこで僕はトイレッツとしてのライブをやることに決めたんです。2015年11月10日、“いいトイレの日”にライブハウスを押さえて。ミュージシャンはライブの予定を決めれば動き出すっていうことをチラッと聞いたことがあったので(笑)。
山田 締め切りがないとなかなか動き出さないからね(笑)。
佐藤 そうしたらまず、イトシュンさんが曲を作ってきてくれたんですけど、それがもういきなりの名曲で。これはすごいことになりそうだぞって思いましたね。
佐々木良(Vo, G) それを聴いて「ついに真面目に動き出した。ヤバイぞ」と思って僕も焦り(笑)。ライブのリハの前日にわーっと作って、デモを録る時間もなかったからスタジオでみんなの前で歌ったんですよね。
伊藤俊吾 譜面もなかったですよね(笑)。
佐々木 なかった(笑)。で、それをスタジオでみんなで完成させていったんですけど、その過程がすごく新鮮だったんですよ。最近はデモの段階でかっちり作り込むやり方をしているので、ひさびさにバンドマジックを味わえたと言うかね。「楽だわー」みたいな(笑)。
森信行(Vo, Dr) 曲のコンセプトや歌詞をサトミツさんがしっかり考えてくれているから、アレンジに関してはみんな全然悩むことなくできた感じもあって。トイレっていう縛りがあるから大変かなと思ってたけど、逆にそれがいい方向に働いた。
伊藤健太 そうだね。ただ、最初に僕がみんなに送った曲のイメージは全部無視されてましたけどね(笑)。
佐藤 あははは(笑)。みんな普通に作っただけっていう。
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ライブの集客、デモの売り上げ振るわず
- サトミツ&ザ・トイレッツ
「ホワイト・アルバム」 - 2017年11月10日発売 / アリオラジャパン
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[CD]
2800円 / BVCL-841
- 収録曲
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- 日本のトイレからこんにちは
- ぷりぷり行進曲
- 僕の小さな悩み事
- KUSOしてみて
- PULP!
- THEO
- ノー・トイレット・ノー・ライフ
- トイレと革靴
- 答えはトイレのなか
- あしたトイレに行こう
- 今夜はCLEAN IT!
公演情報
- サトミツ&ザ・トイレッツ メジャーデビュー記念「トイレッツがやって来るジャー!ジャー!ジャー!」
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- 2017年11月5日(日)
大阪府 海岸通文化祭 海岸通文化祭 MINA to meets(みなとミーツ) - 2017年11月10日(金)
東京都 青山 月見ル君想フ
- 2017年11月5日(日)
- 「ホワイト・アルバム」発売記念インストアライブ
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- 2018年11月11日(土)
東京都 タワーレコード町田店 店内イベントスペース
START 14:00 - 2018年11月12日(日)
東京都 タワーレコード池袋店 店内イベントスペース
START 17:00 - 2018年11月23日(木・祝)
東京都 ヴィレッジヴァンガード渋谷本店 店内イベントスペース
START 14:00 - 2018年11月25日(土)
千葉県 セブンパーク アリオ柏店 スマイル・パーク
START 15:00 - 2018年11月26日(日)
神奈川県 横浜ワールド・ポーターズ 2F 汽車道側正面ゲート横 特設ステージ
START 14:00
- 2018年11月11日(土)
- 佐藤満春 凱旋&レコ発記念 平成29年度 サトミツ&ザ・トイレッツ大忘年会
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- 2017年12月29日(金)
東京都 まほろ座MACHIDA
- 2017年12月29日(金)
- サトミツ&ザ・トイレッツ
- お笑い芸人の佐藤満春(どきどきキャンプ)がトイレにまつわる諸問題を歌で解決するため結成したバンド。佐藤、山田稔明(GOMES THE HITMAN)、伊藤俊吾(キンモクセイ)、佐々木良(キンモクセイ)、伊藤健太(ex.ゲントウキ)、森信行(ex.くるり)からなる。2016年11月に自主制作CD「あしたトイレに行こう」を発売。2017年11月にアルバム「ホワイト・アルバム」でメジャーデビューを果たす。