音楽ナタリー PowerPush - SHISHAMO

真夏の大阪城野音に向けて

SHISHAMOが7月26日に大阪・大阪城音楽堂にて開催される招待制イベント「SHISHAMO NO FREE NO YAON!!!」に出演する。これを記念して音楽ナタリーでは3人にインタビューを実施。イベント参加への意気込みや全国ツアーを経て彼女たちがつかんだもの、そして8月5日にリリースするニューシングル「熱帯夜」について話を聞いた。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 上山陽介

自分たちの曲と向き合ったツアー

──前回のインタビュー(参照:SHISHAMO「SHISHAMO 2」インタビュー)で、宮崎さんは「ツアーが一番バンドを成長させる」とおっしゃっていました。現体制で2度目の全国ツアー「さよなら、僕のともだちと花の季節」も終盤(取材日は6月4日)ですが、バンドとして成長はありましたか?

SHISHAMO

宮崎朝子(G, Vo) このツアーでは演奏面での成長がありましたね。「SHISHAMO 2」の曲をやるようになって、1曲1曲に気持ちを込めて演奏しないとダメだって気付いたんです。

──それはなぜですか?

宮崎 これは前からなんですけど、SHISHAMOの曲を自分の恋愛や学校生活での出来事に当てはめて聴いて共感してくれてるお客さんがいっぱいいて。私たちはライブでお客さんを感動させなくてはいけないと思っていて、そのためには私たちがまず曲に入り込まないといけないと思うんですよ。だから“聴かせる”曲が多い「SHISHAMO 2」を出したこのタイミングで、1曲1曲に気持ちを込めるようになりました。

──具体的にはどんなところに変化があったんですか?

吉川美冴貴(Dr) 一番変わったのはリズム隊の2人だと思います。「SHISHAMO 2」を出してから、技術的じゃないところも伸ばしていかなきゃいけないという話が3人の間で上がって、リハでも演奏のうまさよりも曲に気持ちを込められたかどうかを朝子が重視するようになりました。

宮崎朝子(G, Vo)

──なるほど。松岡さんは前回のインタビューで、最初のツアーは宮崎さんと吉川さんについていくのに必死だったとおっしゃってましたね。

松岡彩(B) はい。やっと演奏ができるようになってきて、今回のツアーでは1曲ずつ「この曲はこういうシチュエーション、こういう思いで作ったんだよ」っていうのを聞いて、自分の経験に置き換えて想像しながら演奏しています。

──宮崎さんが曲に対して持っているイメージをバンド間で共有するようになってきた?

宮崎 そうですね。だから今回のツアーは今までの曲も含め自分たちの音楽と向き合う時間が多い、バンドにとってすごく充実したものになりました。

お客さんを裏切りたい

松岡彩(B)

──そんなツアーを経て、6月27日には東京・日比谷野外大音楽堂、7月25日には大阪・大阪城音楽堂で「SHISHAMO NO YAON!!!」を行います。そして大阪公演の翌日には「uP!!!」企画の招待制イベント「SHISHAMO NO FREE NO YAON!!!」の開催が控えています。

宮崎 野外で大々的にワンマンライブをするのは今回が初めてなのですごく楽しみです。

──「SHISHAMO NO FREE NO YAON!!!」への意気込みやこれから参加しようか迷ってる人へのメッセージをお願いできますか?

宮崎 本当に好きなバンドにはお金を払うけど、気になってるぐらいのバンドのライブに行くって敷居が高いと思うんです。今回は招待制なので気軽に足を運んでほしいですね。

吉川美冴貴(Dr)

吉川 うんうん。あと今までフェスやYouTubeとかでしかSHISHAMOを観たことがなかったお客さんにいろんな曲を聴いてもらいたい。フェスではやっぱり盛り上がる曲が中心のセットリストになってるので、そういうところで私たちを好きだと言ってくれてるお客さんに、違った一面を見せられたら。知らなかった部分を観てもらった上で、改めて「SHISHAMO好きだな」って思ってもらえたらうれしいですね。

宮崎 いい意味で裏切れるライブがしたいね。私たち、「SHISHAMO 2」を出したことによってもっと音楽的にやっていきたいという思いが強くなったんですよ。もちろん勢いのある曲で盛り上がってくれるのもうれしいんですけど、曲を“聴いて”もらいたい。“聴かせるSHISHAMO”は「違うな」って思う人もいると思うんですけど、そういう人たちにも響くようなライブをしたいです。

SHISHAMO NO YAON!!!
  • 2015年6月27日(土)東京都 日比谷野外大音楽堂
    OPEN 17:15 / START 18:00
  • 2015年7月25日(土)大阪府 大阪城音楽堂
    OPEN 16:45 / START 17:30
SHISHAMO NO FREE NO YAON!!!
  • 2015年7月26日(日)大阪府 大阪城音楽堂
    OPEN 16:00 / START 17:00
ニューシングル「熱帯夜」2015年8月5日発売 / 1000円 / GOOD CREATORS RECORDS / XQFQ-1413
「熱帯夜」
収録曲
  1. 熱帯夜
  2. 生きるガール
SHISHAMO ワンマンツアー2015秋「熱帯夜はまだ続くけど、ガールは今日も笑わなきゃいけない」
  • 2015年10月5日(月)千葉県 千葉LOOK
  • 2015年10月7日(水)岐阜県 岐阜club-G
  • 2015年10月9日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2015年10月10日(土)愛媛県 Wstudio RED
  • 2015年10月12日(月・祝)富山県 MAIRO
  • 2015年10月16日(金)群馬県 高崎club FLEEZ
  • 2015年10月24日(土)秋田県 Club SWINDLE
  • 2015年10月25日(日)青森県 青森Quarter
  • 2015年10月27日(火)宮城県 Rensa
  • 2015年10月29日(木)東京都 Zepp Tokyo
  • 2015年11月14日(土)大阪府 Zepp Namba
  • 2015年11月15日(日)大阪府 Zepp Namba
  • 2015年11月23日(月・祝)北海道 Zepp Sapporo
  • 2015年11月28日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2015年11月29日(日)愛知県 Zepp Nagoya
SHISHAMO(シシャモ)

SHISHAMO宮崎朝子(G, Vo)、松岡彩(B)、吉川美冴貴(Dr)からなるロックバンド。神奈川・川崎総合科学高等学校デザイン科 軽音楽部にて結成し、3人組バンド「柳葉魚(ししゃも)」として活動を開始する。高校3年生のときに顧問のすすめで「TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2012」に応募し、優秀賞とベストボーカル賞を受賞。これをきっかけにSHISHAMOに改名した。2013年1月に高校時代の楽曲をまとめたアルバム「卒業制作」をリリース。同作をひっさげ全国11カ所を巡る対バンツアー「卒業旅行」を実施した。同年11月にデビューアルバム「SHISHAMO」を発表。2014年には初のワンマンツアー「彼女ができたバンドマンに恋する休日」を開催し、追加公演を含む全10公演をソールドアウトさせる。7月にシングル「君と夏フェス」を発表し、9月に「about SHISHAMO 大事なお知らせ編」でベースの交代を告知。現体制での初シングル「量産型彼氏」を10月に発売した。そして2015年3月にアルバム「SHISHAMO 2」をリリース。4月から6月にかけて全国ツアー「さよなら、僕のともだちと花の季節」を開催し、6月に東京・日比谷野外大音楽堂、7月に大阪・大阪城音楽堂でワンマンライブを行う。同年8月にシングル「熱帯夜」を発売。2016年1月には東京・日本武道館での単独公演も決定している。