SCOOBIE DO「CRACKLACK」PR

SCOOBIE DO|新たな手法で導き出されたFUNKY 4の“イマドキ”

SCOOBIE DOがニューアルバム「CRACKLACK」を10月4日にリリースした。自主レーベル・CHAMP RECORDS通算9枚目のオリジナルアルバムとなる本作で、彼らはヘッドアレンジをスタジオで練り上げる従来のスタイルから、リーダーのマツキタイジロウ(G)が綿密に作ったデモをもとに楽曲を作り上げていく手法に変えてレコーディングに挑んだ。その結果、同様の手法で制作された今年4月発売のシングル「ensemble」に引き続き、彼らが持つメロウでポップな側面がより際立つ、聴き心地のよいアルバムが完成した。

今回のインタビューではレコーディングの過程を振り返ってもらい、4人の今現在の音楽への向き合い方を探った。またインタビューの最後には、今作とリンクする作品やレコーディング時に愛聴していた作品など、「CRACKLACK」を紐解く手引きとなる音楽をそれぞれ挙げてもらった。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 南阿沙美

シングル「ensemble」で取り入れた新手法でアルバム1枚を

──最初にアルバム情報が発表されたときは、“ひび割れ”と“欠落”を掛け合わせた造語のタイトルやシンプルなジャケットデザインから、なんとなくシリアスでクールなものを想像していたのですが、いざ音を聴いてみたら極めてメロウでポップな印象です。

SCOOBIE DO

マツキタイジロウ(G) そうですね。シングル「ensemble」(参照:ニューシングル「ensemble」発売記念特集 SCOOBIE DO×田島貴男 対談)を作りながら「じゃあアルバムはどうしようか」と考えたときに、とにかく今までやったことがない新しいことをやろうと。それは“イマドキっぽい”ということなんですけど、手法としては「ensemble」と同じやり方で、僕がしっかりとアレンジを作り込んだデモをメンバーに渡して、極端に言うと「そのまま生音に差し替えていく」みたいな作業で進めていきました。

──「ensemble」ではマツキさんが外部プロデューサーのような視点に立ってSCOOBIE DOに指示を出していくような手法を取ったとおっしゃってましたよね。

マツキ はい。その作り方で今度はアルバム1枚作ってみようと。「CRACKLACK」というタイトルは結果的にそうなっただけで、今まではリード曲のタイトルをそのままアルバムタイトルに持ってくることが多かったんだけど、それをやると「今までと違うことをやる」に当てはまらないなと思ったんです。なんとなくディアンジェロの「Voodoo」が頭の中にあって、そういうキャッチーで語呂がいいんだけど、あまり意味を持たない言葉はないかなと考えているうちに……クラクラする、眩暈がするという意味での「クラクラ」ってなんかキャッチーだなと。それを英語に当てはめてみようと考えて「CRACKLACK」という造語に行き着いたんです。ひび割れとか欠落という意味合いだけど、今回のアルバムには「自分だけではどうにもならないことは生きてる限りいくらでもあって、それをわかりながらも自分を愛して生きていこう」という思いが入った曲が多いなと感じたので、わりとしっくりくるなと思ったんですね。日常のブルース感を表すのに「CRACK」と「LACK」はいいかもなって。

──今このタイミングで新しいことをやる、“イマドキ”なことをやるという思いは、バンド全体の機運としてあったんですか?

ナガイケジョー(B)

ナガイケジョー(B) いろんなバンドと一緒にやったり、今の音楽シーンを眺めたうえで、自分たちがここでどういうアプローチをしていくかを考えるのはごくごく自然なことだし、やっぱり今のシーンで戦っている以上は、今のムードを嗅ぎ取って自分たちに取り入れていくことは必要なことだと思うので。

──リズム隊、特にドラムの音は顕著に変わった印象がありました。ガレージ的な生々しさのない、タイトで乾いた音と言うか。

オカモト“MOBY”タクヤ(Dr) いつもしていないわけじゃないけど、今回はかなり強めにミュートしてますね。デモは打ち込みだから音像がドライなんだけど、それで一度作り込まれた完成形を聴いているから、その音がヒントになったところもあって。みんながデモに合わせて音作りをしてくるので、結果的に今回のような音になったんだと思います。あと実は今回から、スティックの持ち方を変えてるんですよ。

──どのように?

MOBY 左手のスネアを叩くほうのスティックを逆に持つようにしたんです。要するに、チップが付いたほうを手元にして、普通はグリップにあたるところで叩いてる。アルバムのレコーディングは全部それでやって、今はライブでもこの叩き方になりました。なんでなのかはあとで説明します(笑)。

より温かく柔らかく聴かせたい

──そういったレコーディング手法の変化やアルバム全体のムードについて、フロントマンであるコヤマさんはどう感じていますか?

コヤマシュウ(Vo)

コヤマシュウ(Vo) デモをもらったときは「あ、これは歌モノだな」と思いました。まあ僕のパートは歌だから、いつも歌モノだなって思うんだけど(笑)、歌は歌で歌う、っつうのかな。ダンスミュージックの中のボーカルということではなくて、歌は歌、みたいな。ポップスであり歌謡曲でありみんなの歌であり……という気持ちですかね。

──資料などに掲載した惹句には「これまでになくクールでアダルトな最新型のソウルミュージック」とあります。通常こういうフレーズはスタッフやプロデューサーが考えますけど、メンバーだけで運営しているCHAMP RECORDSの場合は皆さん自身が考えるんですよね。

マツキ 自分で言っとかないとね(笑)。

コヤマ わかりやすい。

──実際にクールだし、ここまでアダルトな音を徹底してやったのは初めてですよね。それは年齢的に今ちょうどよかったということ?

マツキ 年齢的なところも絶対あると思うんですよ。あとは「スクービーだからこうじゃなきゃいけない」というのを今回は考えなかったから。作品としてのクオリティの高さを求めたと言うのかな。ライブ感やテンションの高さみたいなところは一切考えないで、楽曲をより温かく柔らかく聴かせたいと言うかね。そういう曲がいっぱいできてきたので、曲が求めてるアレンジなりサウンドなりで1枚の作品を完成させたいなと。

自己肯定だけでは気が済まない、自分自身へのラブソング

SCOOBIE DO

──1曲目の「Love Song」はシンセや女性コーラスを重ねたアレンジもポップス的、歌謡曲的ですね。

マツキ これはアルバムの幕開けにふさわしい曲が欲しいなと思って作った曲です。

──タイトルは直球ですけど、いわゆるラブソングというものではなくて。「手に負えそうもない」の連呼や「笑うだけで泣けてくる」という切実なフレーズが耳に残ります。

マツキ 自分自身へのラブソングなんだけど、「自分を愛して大事にして、前だけ向いて行こうぜ」みたいなのは全然リアルじゃないし、やっぱり「手に負えそうもない」という表現になってしまうんですよね(笑)。自己肯定だけでは気が済まないと。そこらへんが大人な部分と言うか、スクービーな感じと言うか。

──コーラスではシングルに引き続き佐々木詩織さんが活躍されています。サウンドの変化として一番はっきりわかりやすいところですよね。メロウなソウルミュージックの肌触りで。

マツキタイジロウ(G)

マツキ 単純に自分でそういうのが聴きたかったんですよ。新しいことをやろうとは言ったものの、それほど狙って考えたわけじゃないし、新譜を聴き漁って研究したりしたわけでもなくて。自分なりに感じる新しさ、「こういうのやったらスクービーにハマるんじゃないかな」と長年思っていたことを形にしてみたと言うかね。今までは曲を作ったら4人でせーので合わせて、曲の本質を追い詰めながら、4人で鳴らすアレンジを考えていたんですよ。それはそのままライブアレンジにもなるし、そのままの形でレコーディングしていたけど、今回は言わば真逆で。「こういう曲を作りたいので、こう弾いて、こう歌って完成させてくれ」と伝える。ライブでやるときは4人でどう鳴らそうかとアレンジし直す。そこが一番の違いだと思います。

──バンドのやり方を根本から変えるような作業ですよね。

マツキ もちろん大変なところはあるけど、そのぐらいやらないと新しいことはできないと思うから。口頭で伝える、いわゆるヘッドアレンジだと、思い切ったアレンジをしようと試みてもどうしても“スクービー味”になっちゃうんですよ。なので、まずは設計図を書いて、その通りにやってみて「4人で鳴らすことはあとで考えようぜ」みたいなやり方にあえてしました。

SCOOBIE DO「CRACKLACK」
2017年10月4日発売 / CHAMP RECORDS
SCOOBIE DO「CRACKLACK」

[CD]
2700円 / HICC-4508

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収録曲
  1. Love Song
  2. Cold Dancer
  3. My Rhythm
  4. ensemble(Album Version)
  5. 禁じられたふたり
  6. Lack
  7. 愛はもう死んだ
  8. Last Night(Album Version)
  9. MI.RA.I.
  10. Next Move
SCOOBIE DO TOUR「Funk-a-lismo! vol.11」
  • 2017年10月20日(金)千葉県 千葉LOOK
  • 2017年10月22日(日)静岡県 Shizuoka UMBER
  • 2017年10月28日(土)秋田県 Club SWINDLE
  • 2017年10月29日(日)青森県 青森Quarter
  • 2017年11月3日(金・祝)広島県 CAVE-BE
  • 2017年11月5日(日)高知県 X-pt.
  • 2017年11月11日(土)長野県 LIVE HOUSE J
  • 2017年11月12日(日)石川県 vanvanV4
  • 2017年11月18日(土)三重県 club chaos
  • 2017年11月19日(日)京都府 磔磔
  • 2017年11月21日(火)岡山県 城下公会堂「晩秋アコースティックFunk-a-lismo! in 城下公会DO」
  • 2017年11月23日(木・祝)大分県 club SPOT
  • 2017年11月25日(土)鹿児島県 SR HALL
  • 2017年11月26日(日)熊本県 Django
  • 2017年11月28日(火)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2017年12月2日(土)新潟県 CLUB RIVERST
  • 2017年12月3日(日)福島県 Out Line
  • 2017年12月16日(土)岩手県 the five morioka
  • 2017年12月17日(日)宮城県 enn 2nd
  • 2017年12月23日(土)香川県 DIME
  • 2017年12月24日(日)滋賀県 滋賀U★STONE
  • 2018年1月7日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2018年1月11日(木)京都府 拾得「新春アコースティックFunk-a-lismo! in 京都」
  • 2018年1月13日(土)福岡県 LIV LABO「新春アコースティックFunk-a-lismo! in 福岡」
  • 2018年1月14日(日)福岡県 LIVE HOUSE CB
  • 2018年1月16日(火)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
  • 2018年1月21日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2018年1月27日(土)愛知県 CLUB UPSET
  • 2018年1月28日(日)大阪府 umeda TRAD
  • 2018年2月11日(日・祝)東京都 Zepp Tokyo
SCOOBIE DO「CRACKRACK」発売記念インストアライブ
  • 2017年10月21日(土)愛知県 タワーレコード名古屋パルコ店
  • 2017年10月26日(木)宮城県 タワーレコード仙台パルコ店
  • 2017年11月2日(木)大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店
クアトロマンスリーシリーズ2017 ~ダンスでパラダイスな男達~

2017年11月9日(木)東京都 CLUB QUATTRO
<出演者>
SCOOBIE DO / KEYTALK

あなたが決める!年忘れリクエスト・ベストテン!

2017年12月29日(金)神奈川県 MOTION BLUE YOKOHAMA
[1st Stage]OPEN 15:45 / START 17:00
[2nd Stage]OPEN 18:45 / START 20:00

SCOOBIE DO(スクービードゥー)
SCOOBIE DO
1995年にマツキタイジロウ(G)とコヤマシュウ(Vo)を中心に結成。1996年に現ドラマーのオカモト“MOBY”タクヤ(Dr)が加入し、自主制作カセットなどを販売する。1999年にKOGA Recordsから初のシングル「夕焼けのメロディー」をリリース。続いて発表された1stアルバム「Doin' Our Scoobie」で圧倒的な存在感を放つロックバンドとしてその人気を確かなものとする。2001年にナガイケジョー(B)が加入し、現在の編成で活動開始。2007年には自主レーベル「CHAMP RECORDS」を立ち上げ、ライブのブッキングからCD制作、プロモーションまですべてメンバー自ら行っている。バンド結成20周年を迎えた2015年4月にベストアルバム「4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST」を発表。2017年4月にはおよそ13年ぶりとなるニューシングル「ensemble」、10月にはCHAMP RECORDS通算9枚目となるオリジナルアルバム「CRACKLACK」をリリースした。