ナタリー PowerPush - Rie fu
本人による全曲解説で明かされるセルフプロデュース作品の制作秘話
なんでもやってみればできるかな?
──9曲目がYUI(RYTHEM)さんと中嶋晃子さんとのコラボ。これはとてもガーリーな曲ですね。
そうですね。これは最初YUIちゃんから歌詞をもらって英語の部分を足していったんです。女の子が失恋から立ち直る流れを、洗濯機の中でぐるぐる回って浄化されていく様子になぞらえて。アレンジもギターの音をループさせたり、途中で雨の音と洗濯機の回る音を入れたり、2人ですごくこだわって作りました。
──レコーディング中にはどんな話をしたんですか?
YUIちゃんとは、家でご飯を作ったり雛祭りをお祝いしたり、結構女の子らしいことを一緒にしていて(笑)。そういうことをしているうちに仲良くなれたので、アレンジのときも自然な感じで意見交換できたかな。
──そして、10曲目がalutoの佐藤帆乃佳さんが参加した「Bright Life」です。
帆乃佳ちゃんとも仲が良くて、ライヴで弦を弾いてもらったこともあるんです。なので、この曲も自然に曲を送って、アレンジしてもらって。録音したアトリエがロフト付きの、天井まで4mぐらい高さがある部屋だったので、音の響きも独特で。だからロフトに上って真上から録音してみるなど、工夫しました。
──本当になんでも自分で試してみたんですね!
なんでもやってみればできるかな? って感じで(笑)。
──そして11曲目が「ひとつひとつ」。これはいろんな方が参加されている歌ものですが、ゲストアーティストの星羅さん、椎名順平さん、クリス智子さん、紗希さんとは、なぜこうやって一緒にレコーディングすることに?
この曲には、なるべく個性豊かな方たちに参加してもらいたいなって思ってたんです。個性が違う人たちが集まったところを強調したいなと思って。それで、イベントで一緒になるなどのつながりがあったアーティストの皆さんに参加してもらったり、家に友達に来てもらったり、レコード会社の宣伝の人たちまでコーラスに巻き込んだりして録りました。そういう意味でも、すごくスペシャルな曲ですね。
しょこたんには一度楽曲提供してみたい
──これだけの数の楽曲制作を、自ら一度に手掛けるのは、すごく勉強になるのでは?
はい。今までプロデューサーにお願いしていたことが、こんなに大変なことだったんだって気付けて、改めて自分の作品に対する責任感が芽生えてきました。セルフプロデュースは今後も続けていきたいし、楽曲提供とか、人をプロデュースさせていただくことにも興味がわいてきましたね。例えば、しょこたん(中川翔子)には一度楽曲提供してみたいなと(笑)。自分とはかけ離れたイメージで、自分では絶対歌えないような曲を一度歌ってみてほしいなって夢見てます。
──それは聴いてみたいですね! それから、こういうレコーディングだと常にゲストがいたり、常に新鮮で楽しめた要素も満載だったと思うんですが、レコーディング中の気分転換はどのように?
最近は自分でごはんを作ることが多くなりましたね。やっぱり手作りのごはんって美味しいし、幸せな気分になれるから。
──なんだか、Rie fuさんが話すと、ごはんも曲も絵も同列に感じられますね。
あはは(笑)。自分の作品は極力ストレスのない状態で制作したいと思っているので、そういう意味ではパスタをゆでるのと同じように曲を作ってみたい、そういう取り組み方をしたいって気持ちはありますね。
CD収録曲
- Stay with me ~恋愛なんてヒマつぶし~
- Just Like You
- いろどって
- Don't Worry
- STAR
- Sunshine Forehead
- My Start
- Gilles
- Laundry
- Bright Life
- ひとつひとつ
初回盤DVD収録内容
- ミュージックビデオ+レコーディングドキュメンタリー
Rie fu(りえふー)
1985年生まれ、東京都出身の女性シンガーソングライター。7歳から10歳までの多感な時期をアメリカで過ごし、賛美歌やCARPENTERSなどのアメリカンポップスを親しむ。帰国後よりデモテープを制作し始め、ロンドンの芸術大学に留学中だった2004年3月にシングル「Rie who!?」でデビュー。以降日本とイギリスを行き来しながら、学業の傍ら楽曲制作に励む。往年のアメリカンポップスに影響を受けた瑞々しいメロディ、聴き手を包み込む優しい歌声、英語と日本語を織り交ぜた歌詞が特徴。大学卒業後の2007年7月から日本を拠点にアーティスト活動を本格化。2008年3月にはアルバム「Who is Rie fu?」をイギリスで発表している。