ナタリー PowerPush - ORANGE RANGE

バンドモードにシフトした両極シングル

デビュー以来どこまでも自由に音楽性を変化させ続け、昨年は「全曲打ち込み主体」というコンセプトを掲げたアルバム「NEO POP STANDARD」をリリースしリスナーを驚かせたORANGE RANGE。そんな彼らから、ニューシングル「オボロナアゲハ / もしも」が届けられた。

2009年に発表された「瞳の先に」以来、実に約3年9カ月ぶりのシングルとなる本作は、生々しいバンドサウンドを中心とした仕上がり。“そのときにやりたいことを貫く”という姿勢をナチュラルにキープし続ける彼らは今、もっともストレスが少なく、もっとも充実した時期を迎えているのかもしれない。

取材・文 / 森朋之 インタビュー撮影 / 福本和洋

体力が必要になってきた(笑)

──まずは今年の初めに行われたファンクラブ限定ツアー「RWD← SCREAM 013」について聞かせてください。2011年に初めて開催された「RWD← SCREAM」では1stアルバム「1st CONTACT」、今回は2ndアルバム「musiQ」に焦点を絞ったツアーだったそうですが、そもそもどうしてこういう趣旨のツアーをやろうと思ったんですか?

左からRYO(Vo)、YOH(B)。

RYO(Vo) ファンクラブ会員限定のライブはずっとやってきたんですけど、「自分たちも楽しめて、お客さんも楽しめることってなんだろう?」というところから、この企画が出てきて。すごくいいなと思ったし、活動していけばいくほど続けられる企画でもあるので。今だからできることでもあるんですよね、ホントに。MCでも言ったんですけど、それを可能にしてくれたのはファンのみんなだと思うし。

HIROKI(Vo) うん。歴史があるからこそできることだと思いますね。

──ツアーの手応えはどうでした?

YAMATO(Vo) 「musiQ」は自分たちのアルバムの中でも、けっこう認知されてる作品なんだなって。「みんな、全曲知ってるんだねー」っていうか(笑)。当時はそこまで思わなかったんですけど、改めて「musiQ」というアルバムのスケールのデカさ、すごさっていうのを感じましたね。……これ以上言ったらみんながコメントできなくなるから、僕はこれくらいにしておきます。

RYO (笑)。今YAMAさんが言った通り、全曲イントロが始まった瞬間に反応してくれる状態だったんですよ。こっちも「きっとそうなるだろうな」って思いながらリハをやっていたし、ライブが始まればすぐに楽しめる状況ができていたというか。そこからスタートできるから、もっともっと先にいけるというか。

──「ロコローション」「以心電信」「花」など、ヒット曲満載のアルバムですからね。

RYO とにかくやりやすいし、構えなくてもいいんですよ。お客さんがどんどんノリを作ってくれたし、ボーカルとしては感謝ですよね。

YOH(B) すごく愛されてるアルバムなんだなっていうのが伝わってきましたね。あのアルバムを中心にしたライブっていうのも、リリースツアー以来だし、こっちも新鮮でした。当時はわからなかった難しさに気付いたり……。

──難しさっていうと?

YOH いろんなジャンルのかけらを集めて曲にすることが多かったっていうのもあるし、今はニュアンスの出し方も変わってきてるので。当時はたぶん、勢いだけでやってた部分もあったと思うんですけど、今は違いますからね。そういうことはメンバー各々あったと思うんですけどね。

NAOTO(G) 体力が要りましたね(笑)。「musiQ」のリリースツアーは9年くらい前だと思うんだけど、あのときはもっと体力があったし、何も考えずにできたんですよ。今回は「あー疲れた」っていう感じでした。曲とかも、けっこうキャピキャピしてますからね。

──体力が落ちる年齢じゃないと思いますが(笑)。

HIROKI まあ、当時は“いっぱいいっぱい”でやってた感じがありましたからね。その後、ライブを通して曲も変化してきたし。ただ、個人的には曲がどうこうと言うより、精神的な部分のほうが大きいんですよ。お客さんとの距離がとっても近く感じられたツアーだったんですよね、今回は。10年くらいの時間をかけて作り上げてきた関係もあるし、バンドとオーディエンスの距離感が縮まってるのがうれしくて。「お互い、がんばってきたよね」っていう気持ちもあるんですよね。

YAMATO うん、あるね。

HIROKI 僕たちもがんばってきましたけど、変わらずライブに来てくれる人もがんばってくれたんじゃないかって。新規で来てくれた人もかなりいたみたいだし、「こうやって回っていくのかな」って感慨深くなったり。

ニューシングル「オボロナアゲハ / もしも」/ 2013年4月17日発売 / SUPER ECHO LABEL
初回限定盤 [CD] 1260円 / VICL-36760
通常盤 [CD] 1260円 / VICL-36761
収録曲
  1. オボロナアゲハ
  2. もしも
  3. となりのジョセフィーン

Bonus Live Track from ORANGE RANGE LIVE TOUR 012 ~NEO POP STANDARD~ 2012.07.04 at 渋谷公会堂

  1. Restart(初回限定盤のみ収録)
  2. Hello Sunshine Hello Future(初回限定盤のみ収録)
  3. Baby Baby(初回限定盤のみ収録)
ORANGE RANGE (おれんじれんじ)

沖縄出身・在住の5人組バンド。中学の卒業パーティをきっかけに結成。2001年に現在のメンバーが揃い、地元・沖縄にある米軍のライブハウスを中心に活動を続ける。2002年2月にアルバム「オレンジボール」をインディーズから発表。以後、沖縄以外でのライブも頻繁に行うようになり、2003年6月にシングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。続く2ndシングル「上海ハニー」がオリコンウィークリーチャート5位を記録。その後も「ロコローション」「花」「ラヴ・パレード」「キズナ」など、数々のナンバーワンヒットを飛ばす。2010年7月に自主レーベル「SUPER ECHO LABEL」を設立し、10月にアルバム「orcd」をリリース。2012年2月にはSPEEDSTAR RECORDSと提携を開始し、4月にアルバム「NEO POP STANDARD」を発表する。2013年に約3年9カ月ぶりとなるシングル「オボロナアゲハ / もしも」をリリース。