ナタリー PowerPush - ORANGE RANGE

テーマは「バンド解体」 意欲作をNAOTOに迫る

ORANGE RANGEのニューアルバム「NEO POP STANDARD」がリリースされた。今作はSPEEDSTAR RECORDSとタッグを組んでリリースする第1弾アルバムで、2月に無料配信された「Anniversary Song ~10th~」や、夏のにおいを感じさせるポップナンバー「Hello Sunshine Hello Future」といった話題曲が多数収録される。またこのアルバムは、ORANGE RANGE史上初めて、全編打ち込みサウンドで構成された作品。そこで鳴っている楽曲はどれも、ビートが強調されたダンサブルな曲ばかりで、バンドの攻めのモードを感じさせる。

ナタリーではリリースにあわせ、バンドの頭脳とも言えるNAOTO(G)にロングインタビューを実施した。NAOTOがORANGE RANGEとしてナタリーPower Pushに登場するのは意外にもこれが初。そこで、自主レーベル「SUPER ECHO LABEL」の立ち上げから今作の完成まで、順を追って話を訊いてみた。ふとした言葉の端々からにじみ出るメンバー間に満ちた充実した空気を、このテキストから感じてもらいたい。

取材・文 / 野口理香

 
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なんかいつも、ちょっと天邪鬼な感じ

──ORANGE RANGEは2010年7月に、自主レーベル「SUPER ECHO LABEL」を立ち上げましたよね。ナタリー初登場ということで、以前の所属レーベルを離れて自分たちでレーベルを運営してきた感想から伺えればと思います。

情報や作品を発信するときの“熱”が新鮮な状態で届けられたのがやっぱり大きくて。例えば、以前メジャーレーベルにいたときは、へたしたらある楽曲を作った10カ月後にならないとリリースされなかったり、リリース日が近づかないとその曲をライブで演奏できないってこともあったので。今はこういう時代だから、何かやりたいって思ったら自分で発信できるじゃないですか。その違いはやっぱり大きいですね。自分たちで「今日聴かせたい」って思ったら、すぐ配信で発表できたり。作った曲をライブですぐにやって、リリースはあとでとか。音楽を作ってると、今すぐにでも聴かせたい気持ちというのがあって。新鮮さっていう意味で、お客さんのテンションと僕らのテンションが近い状態になれるっていうのも実感しましたね。

──そして、このタイミングでSPEEDSTAR RECORDSと手を組むと。

ライブ写真

そうそう。僕らと一緒に面白そうなことをやってくれるところはないかなと、いろんなレーベルとお話させてもらったところ、SPEEDSTARが一番面白そうだったんですね。というか、レーベルに個人的に好きなアーティストがいっぱいいるんです。僕個人は結構そういう理由で(笑)。みんなはいろいろ考えてくれてたと思うんですけど。

──ちなみにその、好きなアーティストってどなたですか?

UAさんです! 僕は昔っからUAさんが大好きなんです。

──なんだか意外な感じです。NAOTOさん、今までUAさんと一緒にお仕事されたことってないですよね? NAOTOさんのソロやdelofamiliaの音像だったら、同じイベントに出ててもおかしくないと思うんですが。

そうなんですけどね。僕は単なるいちリスナーなんです。それからUAさんのほかにも、くるりが好きだったりして。

心配してたよりもみんな力強かった

──先程の、新鮮な状態で曲を届けられる活動形態という話に関連すると思うんですが、ORANGE RANGEは東日本大震災発生直後の3月26日に、新曲「one」の無料配信をスタートさせましたよね。リスナーの反応はいかがでした?

いろいろな意見をもらったんですけど、一番印象的だったのが「私も何かやりたい」っていう意見がとても多かったことで。僕は、それだけで「配信して良かったな」って思ったんです。まだ何もできてなくても、「何かやりたい」という考えに至ってくれただけで、いつかどこかにつながる可能性があるわけだから。ちょっとでも意識してもらえたのがうれしかったですね。

──なるほど。リスナーがレンジの曲をきっかけに何かを考えてくれたのがうれしい、と。

あのときはみんな大変で、「何かやりたい」という話すらできない人もたくさんいたじゃないですか。だけど、ちょっとだけでも他人のことに意識を持つきっかけになれたというか……それだけで、うん。ちっちゃなことからでいいんですけど、みんなが日本人であることを意識して、地震だけじゃなくていろんなことで、ひとつになれればいいなと。

──そしてその「one」をタイトルに掲げたツアーや、被災地でライブもやって。そのように訪問してみて、どうでした?

最初はすごく心配というか、どんなふうにみんな過ごしてるんだろうなと思ってたんです。でも被災した人たちはすごく前向きで、僕らが「前を向け」なんて言う必要は全然なくて。逆に「もっと激しい曲やって」みたいに言われたり(笑)。だから、どの曲をやる、じゃなくて、現地でライブをやることがすごい大切なんだなと。ホント、心配してたよりもみんな力強かったです。

ニューアルバム「NEO POP STANDARD」 / 2012年4月11日発売 / SUPER ECHO LABEL

  • 初回限定盤[CD+DVD] 3360円(税込) / VIZL-473 / Amazon.co.jp
  • 通常盤[CD] 3045円(税込) / VICL-63860 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. Restart
  2. Subway
  3. Soul to Soul
  4. Hello Sunshine Hello Future
  5. Warning!!
  6. Lion
  7. Dry Hard
  8. Morning View
  9. Deep Blue Sea Flower
  10. Baby Baby
  11. Backpack
  12. Magical Mystery Hunter
  13. Anniversary Song ~10th~
DVD収録内容
  • Hello Sunshine Hello Future
  • Anniversary Song ~10th~
  • オレンジレンジ10周年緊急記者会見
  • -Bonus Movie- How to dance「Anniversary Song ~10th~」
  • -Bonus Movie- Making of「Anniversary Song ~10th~」

ORANGE RANGE

ORANGE RANGE(おれんじれんじ)

沖縄出身・在住の5人組バンド。中学の卒業パーティをきっかけに結成。2001年に現在のメンバーが揃い、地元・沖縄にある米軍のライブハウスを中心に活動を続ける。2002年2月にアルバム「オレンジボール」をインディーズから発表。以後、沖縄以外でのライブも頻繁に行うようになり、2003年6月にシングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。続く2ndシングル「上海ハニー」がオリコンウィークリーチャート5位を記録。その後も「ロコローション」「花」「ラヴ・パレード」「キズナ」など、数々のナンバーワンヒットを飛ばす。2010年7月に自主レーベル「SUPER ECHO LABEL」を設立し、10月にアルバム「orcd」をリリース。2012年2月にはSPEEDSTAR RECORDSと提携を開始し、4月にニューアルバム「NEO POP STANDARD」を発表した。