ナタリー PowerPush × ミュージックスタイルJAPAN - SEKAI NO OWARI

初武道館ライブを振り返る WOWOW連動インタビュー

「本物の音楽との出会い」をコンセプトに、毎月厳選したアーティストを紹介するWOWOWのライブプログラム「ミュージックスタイルJAPAN」。2012年1月の放送では、SEKAI NO OWARIが2011年11月22日に行った東京・日本武道館ライブの模様がオンエアされる。放送日時は1月29日(日)24:00から。

この特集では、「ミュージックスタイルJAPAN」と完全連動したインタビューを掲載する。メンバー4人がそれぞれ語る武道館ライブへの思いを感じてみてほしい。なお、WOWOWの番組オフィシャルページでは、インタビューの別バージョンが読めるので併せてチェックしてみよう。

取材・文 / 大山卓也

 
mixiチェック

そもそも武道館がどこにあるのかよく知らなかった

──初めての日本武道館ライブは皆さん楽しそうに演奏されていたのが印象的でした。なかでも、中島さんはすごく楽しそうに弾いているように見えて。

中島真一(Sound Produce, G) リハーサルで武道館に当日初めて入って、例えばビジョンにこういうふうに映るのかーとか、そういうのをリハの段階で確認できて。「すげえ、俺があんなでっかくあんなところに映ってるわー」みたいなのがそれだけでおかしくなっちゃって。楽しくて。

──武道館って、ロックバンドにとっては“聖地”みたいなイメージがありますよね。そういう会場でライブをやるにあたり、気負いはありました?

藤崎彩織(Piano) 私たちが聴いてきたミュージシャンがあんまり武道館にこだわってなかったっていうのもあって、私たち自身もそんなに気負ってはなかったんです。ライブをすることが決まる前までは行ったことが一度もなかったぐらいで。だから、1万人のステージっていう捉え方だったと思いますね。ほかの同じぐらいのキャパシティの会場、例えば幕張メッセとかでも同じように臨んだと思います。

インタビュー風景

LOVE(DJ) そもそも武道館がどこにあるのかよく知らなかったよね。

深瀬慧(Vo, G) 近くにある科学館みたいのは行ったことあったんですけどね。あとラーメン屋さん。

LOVE 斑鳩ですか(笑)。

深瀬 そうそう(笑)。斑鳩は入ったことあったけど武道館自体がどこにあるのかあんまりわかんなかったんで、本番前日に見に行って。「わーここだったんだ」って感じでしたね。

──それは新世代のバンドっていう感じがしますね。

中島 「若造が」「そんなロックの歴史も知らず」みたいな感じに思われそうな気もしますけどね。しょうがないというか。

──実際にライブをやってみてどうでした?

中島 会場は、円形に近い形で、上に国旗があって、すごく独特の雰囲気があるライブハウスだなと思いました。あえてライブハウスって言っちゃいましたけど。

藤崎 でも国旗があると日本を背負ってるような気持ちに勝手に……。

中島 厳かな気持ちにはなったよね。

藤崎 うん。日本の歴史に一歩刻めたぞ、みたいな、なんかよくわかんない気持ちにはなったよね。

友達と一緒にライブを作り上げるのはすごく自然な流れ

──僕は、武道館ライブはすごく大がかりなもの、豪華なものになるのかなと考えていたんですが、実際観たら手作り感もあって、いつものSEKAI NO OWARIとあんまり変わらないなとも感じたんです。SEKAI NO OWARIにとって、自分たちで演出をするとか友達と一緒に作り上げるという点は、大事にしているところなんですか?

深瀬 無理に大切にしてるわけではなくて、友達がやるって言うから、じゃあやろうかってノリですね。僕、お酒が好きなんですけど、お酒を飲んだ勢いで「やっちゃう? ロボット作っちゃう?」みたいな感じから始まったり。で、やりたいって言ってくれたヤツがプレッシャーで押しつぶされそうになってたり無理だって言ったりするときは、一緒に飲みに行って「大丈夫だよ大丈夫。たいした問題じゃねえよ、お前が1人失敗したところで」みたいな話をすることもあって。だから、大切にしてるというよりも、僕の人生にとってすごく自然な流れというか。バンドがプロになったからって、今まで「club EARTH」で一緒にやってたスタッフたちがプロじゃないから使わないなんて言い出したら、そんなつまんないことはないと思うんで。

藤崎 ライブの規模を拡大しても、気持ちは同じだよね。

──そして武道館ライブの総合演出は藤崎さんが手がけたそうですが、こういうものにしようというプランは早いうちに見えてたんでしょうか。

藤崎 実際は、深瀬といろいろ話して作ったんですよね。ロボットを出すのがいいんじゃないとか、「不死鳥」の前になんか映像あったらいいかもねとか、ちょこちょこと大きな枠組みのアイデアを深瀬がくれて。そこからロボットのセリフ用に脚本を書いたりとか、「不死鳥」のイントロで流す映像の言葉を使ってこんな感じのモチーフを使ってとか、SEはこんな感じの音でとか、細かい作業に入ったんです。ちなみに、オープニングで登場したOMC-1っていうロボットは、山寺宏一さんが声をあててくださったんです。脚本を書くときには、レコーディングで「もうちょっと楽しい感じでお願いします」とか山寺さんに言えない!って思いながら、めちゃめちゃ汗かきつつ仕上げました(笑)。

深瀬 俺も汗かきました。

藤崎 山寺さんのレコーディングのときは、みんなが後ろにズラッといる中で私は椅子にドカッと座って、ほかの人が「いいと思うよ」とか言ってるのに「すいません、もうちょっとテンション高くお願いします」とか言う役割で。録り直しが必要なときは私が持ってたイメージにより近づくように、ものすごく汗かきながら何テイクかもらったりして。あれは自分たちのレコーディングより緊張しましたね。

中島 よくがんばったと思いますよ。俺たちだったら「もう1回お願いします」みたいなことを言えなかったと思う。強気な彩織ちゃんだからこそ、なせる業だったと思いますね。

インタビュー風景

──それから、LOVEさんは初めてMCをしてましたね。

LOVE そうなんですよね。初めて口を開いたのが武道館でのライブだったっていう。やっぱり緊張しましたね。今までMCしてこなかったのに、初めてが1万人の前っていうのは。声が上ずってたなと思い返すと、恥ずかしいんですけど。リハでメンバーのみんなに受けるかどうかを確認してからじゃないと怖くてできなかったです。

深瀬 受けたって思ったの?

LOVE ……え? そうでもなかったの!? マジかー。乗せられたわまんまと。

MUSIC STYLE JAPAN

ミュージックスタイルJAPAN
SEKAI NO OWARI

WOWOW
2012年1月29日(日)24:00~

SEKAI NO OWARI(せかいのおわり)

深瀬慧(Vo, G)、中島真一(Sound Produce, G)、藤崎彩織(Piano)、LOVE(DJ)による4人組バンド。2007年に結成され、その後バンドの拠点としてライブハウス「club EARTH」を作り上げる。メンバー全員がそこで共同生活を営みつつ、ライブを中心に活動を展開。2010年2月にタワーレコード限定シングル「幻の命」を、4月に1stアルバム「EARTH」を、11月にダブルリードシングル「天使と悪魔 / ファンタジー」を立て続けに発表し、音楽シーンから一躍注目を浴びる。同年、各地の夏フェス、イベントに多数出演したほか、年末には東京・渋谷C.C.Lemonホールにてワンマンライブを実施。2011年8月にはトイズファクトリーよりメジャーデビュー作品としてトリプルリードシングル「INORI」をリリースした。また11月には初の日本武道館公演を行い、成功に収めた。