音楽ナタリー PowerPush - 三森すずこ

ラブリーでワンダーな移動式遊園地 “三森ファンタジーランド”にようこそ

三森すずこのニューアルバム「Fantasic Funfair」がリリースされた。

三森にとって2枚目のアルバムはタイトル通り、“ファンタジー感あふれる移動式遊園地”をコンセプトに制作された1枚。アルバム全編を通して、とある男女のすごく楽しげで、少し不思議な遊園地デートの模様を追いかけている。

1年前のアルバム「好きっ」リリース時の取材において「求められている三森すずこ感」を発揮できたと語っていた彼女が、今作で「1つの淡い恋物語」を歌ったのはなぜか? そして三森の考える遊園地デートとは? 話を聞いた。

また特集後半では今回のアルバムに参加した作家陣のメールインタビューも掲載している。声優アーティストとしては珍しいコンセプトアルバム「Fantasic Funfair」はいかにして完成したのか。その制作秘話にもぜひ耳を傾けてみてほしい。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 上山陽介

 
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「フルアルバムだね」ってボリュームになっちゃってました

──前回のインタビューのとき、三森さんは1stアルバム「好きっ」を「『全部“三森すずこ”だね』っていうアルバムになった」っておっしゃってましたよね(参照:三森すずこ「好きっ」インタビュー)。

はい。

──つまりパーソナリティにフィーチャーした作品だったと思うんですけど、2枚目の「Fantasic Funfair」は“移動式遊園地”をコンセプトに掲げたアルバムになっている。今回はなぜコンセプトアルバムを?

もともと去年の夏のシングル「せいいっぱい、つたえたい!」のジャケットやミュージックビデオをメリーゴーランドで撮影していて。それがすごく楽しかったので「こういうファンタジーの世界をもっと広げてみたいな」って思っていたところに、スタッフさんも同じ思いだったみたいで「次はコンセプトアルバムにしましょう」「遊園地やサーカスみたいなファンタジーの世界をコンセプトにしたアルバムに」っていうお話をいただいたんです。ただ、そのお話があった頃はコンセプトありきではあまり曲数は多くできないかな、ということでミニアルバムをリリースするつもりだったんですけど、「遊園地」っていうキーワードをもらったらやりたいことやアイデアがどんどん出てきちゃって。

三森すずこ

──思わずフルアルバムになっちゃった(笑)。

「あれもやりたい」「これもやりたい」って感じになって、気付いたら「これ、2ndフルアルバムだね」ってボリュームになっちゃってました(笑)。

──そもそも「せいいっぱい、つたえたい!」のアートワークを遊園地にしよう、っていうアイデアはどこから?

「せいいっぱい、つたえたい!」がオープニングテーマだったアニメ「まじもじるるも」が魔法使いのお話だったから「シングルも魔法にかかったような世界観にしたいね」っていうことになって。そこから「今の世界で一番魔法っぽいところって遊園地やサーカスだよね」っていうアイデアが出てきた感じだったかなあ。

──そのアイデアの生まれ方ってちょっと面白いですね(笑)。「るるも」からファンタジーというコンセプトを生み出した。つまり他人発信の企画なんだけど、三森さんの中からはミニアルバムのつもりがフルアルバムになるほどのアイデアが生まれている。

そうですね。1枚目の「好きっ」のように、また「“三森すずこのアルバム”にしよう」って話になれば、自分なりに0からいろいろ考えて作り上げたと思うし、実際そうやってアルバムを作れたことはうれしかったんですけど、私、多趣味すぎちゃって(笑)。いろいろなことに興味があって逆に無趣味になっちゃってるというか……。

──興味の範囲が広すぎて特定の何かを「これが私の趣味です!」って言い切れない感じ?

そうなんです(笑)。だから「ファンタジー」「遊園地」っていうテーマを投げてもらったほうが、自分の中にあるたくさんの興味のあることや、やりたいことの中でも特にファンタジーなものってなんだろう?って想像を巡らせやすいし、そういう想像をしてるときってすごく楽しいんですよね。

「Fantasic Funfair」誕生のきっかけはあの映画のあのシーン

──“遊園地”の中でも“移動式遊園地”にしたのはなぜなんですか?

私の中で「ファンタジーな遊園地」といえば移動式遊園地だからですね。10年前くらいに「グリース」っていう映画を観たんですけど……。

三森すずこ

──ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンが主演した青春映画の。

そうですそうです。「ファンタジーで遊園地ってどういうものだろう?」って考えてたときに、バカンスで避暑地に遊びに行ったお嬢さまと地元のワルが最後に移動式遊園地で踊るシーンを思い出して。移動式遊園地ってずっとその場所にあるものじゃなくて、シーズンが終わったら遊園地のあった場所はただの原っぱになっちゃうじゃないですか。

──映画の話をするなら、卒業式が終わっちゃえば、あの場所はただの校庭に戻っちゃうはずですよね。

その一瞬だけ輝いて、でもふっとなくなっちゃう感じが「なんかファンタジーだなあ」って思って(笑)。そこから「じゃあ、その私の考えるファンタジーな移動式遊園地にはどんな乗り物があるとうれしいかな?」って考えていった感じですね。

──その遊園地の中身なんですけど、さすが“多趣味で無趣味”というか、ただ楽しいだけではない。なんなら「三森さん、遊園地にイヤな思い出でもあるのかな?」っていう表情すら見せるバラエティに富んだものになりましたよね(笑)。

あはははは(笑)。ある男の子と女の子が遊園地デートをする1日を、それこそ「グリース」的というか、ミュージカルや物語のように追いかけるアルバムにしたかったんです。で、物語である以上、楽しいことばっかりじゃつまらない。1日のうちにいろんなことが起きたほうが物語が面白くなるだろうな、と思ってこういう選曲にしてみました。

ニューアルバム「Fantasic Funfair」 / 2015年4月8日発売 / ポニーキャニオン
Blu-ray付き初回限定盤 [CD+Blu-ray+フォトブック] 4860円 / PCCG-01466
DVD付き初回限定盤 [CD+DVD+フォトブック] 4104円 / PCCG-01467
通常盤 [CD] 3240円 / PCCG-01468
CD収録曲
  1. Fantasic Funfair
    [作詞:畑亜貴 / 作曲:太田雅友 / 編曲:EFFY(FirstCall)]
  2. ときめいてDream
    [作詞:ゆらのあずさ、俊龍 / 作曲:俊龍 / 編曲:YUPA]
  3. 純情 Da DanDan
    [作詞:しほり / 作曲・編曲:小松一也]
  4. ROLLER COASTER♡
    [作詞:YADAKO (Myu) / 作曲・編曲:Masse(Myu)]
  5. Traveling Kit
    [作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:増田武史]
  6. せいいっぱい、つたえたい!
    [作詞:大森祥子 / 作曲・編曲:サイトウヨシヒロ]
  7. Heart Collection
    [作詞:中村彼方 / 作曲:光増ハジメ(FirstCall) / 編曲:EFFY(FirstCall)]
  8. Spinning Stars
    [作詞:しほり / 作曲・編曲:小松一也]
  9. ハーモニア
    [作詞:shilo / 作曲:遠藤直弥 / 編曲:中西亮輔]
  10. ちいさな手と観覧車
    [作詞・作曲・編曲:ふわりP]
  11. Wonderland Love
    [作詞・作曲・編曲:kz(livetune)]
初回限定盤Blu-ray / DVD収録内容
  • 「せいいっぱい、つたえたい!」Music Video
  • 「せいいっぱい、つたえたい!」off shot
  • 「せいいっぱい、つたえたい!」Making of Music Video
  • 「Heart Collection」Music Video
  • 「Heart Collection」off shot
  • 「Heart Collection」Making of Music Video
  • 「Wonderland Love」Music Video
  • 「Wonderland Love」off shot
  • 「Wonderland Love」Making of Music Video
  • P's LIVE!01ライブ映像(2014年6月21日@ゆうぽうとホール)
    1. ユニバーページ
    2. グローリー!
    3. 会いたいよ…会いたいよ!
    4. 恋のキモチは5%
    5. せいいっぱい、つたえたい!
三森すずこライブ2015
「Fun! Fun! Fantasic Funfair!」
  • 2015年6月27日(土)千葉県 舞浜アンフィシアター
  • 2015年6月28日(日)千葉県 舞浜アンフィシアター
三森すずこ(ミモリスズコ)
三森すずこ

東京都生まれの声優、ボーカリスト。ミュージカル女優として活動したのち、2010年アニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」のシャーロック・シェリンフォード役で声優デビュー。以来同シリーズや「神様はじめました」「ラブライブ!」など人気作で主要キャラクターを演じる。また2010年には「ミルキィホームズ」の出演声優からなる同名ユニットとしてCDデビューを果たし、以降「Animelo Summer Live」に毎年連続出演。さらに「ラブライブ!」の劇中ユニットμ’sの一員として2014年にさいたまスーパーアリーナで2DAYS公演を行うなど、活発な音楽活動を展開する。そして2013年4月にはシングル「会いたいよ…会いたいよ!」でソロデビューし、同7月には2ndシングル「約束してよ?一緒だよ!」、10月には初のアニメ主題歌となる「ユニバーページ」を三森すずこ名義でリリース。2014年4月には1stアルバム「好きっ」を発表。翌年4月には1年ぶりの2ndアルバム「Fantasic Funfair」を発売した。