ナタリー PowerPush - ミドリ
制服を脱ぎ、童貞を捨て、経験という武器を得て──最高傑作「shinsekai」ついに完成!
渋谷でナンパして童貞を捨てました
──あと今回はハジメさんが1曲ボーカルを担当しているのも大きなトピックだと思うんですが。
ハジメ はいはい。誰にも期待されていませんが(笑)。
小銭 これ一番違うところなんちゃうん、今回のアルバムの。
──いい曲ですよね。
ハジメ ありがとうございます。
小銭 いい曲や。
まりこ いい曲やな。ボク前からこの曲好きやってな、なんかええなと思って。
──あと、ハジメさんと言えば先日オフィシャルサイトに「去年の年末に童貞を捨てた」という情報が掲載されていましたが……。
ハジメ はいはい。ねえ、ナタリーでニュースになりませんでしたけど。あはは(笑)。
──ニュースにするべきか悩んだんですけどね(笑)。
まりこ でもなんでなん? なんでそうなったん?
──そう、そこを訊きたいですね。
ハジメ うーん、去年の途中ぐらいからかな、ちょっと自分のその当時の感じ、ハジメ=童貞キャラっていうのに違和感を感じてまして。と言いつつも相手がいないと成立しないし。で、「うーん……」と思いつつ、占いをしてもらったんです。そしたら占いの人に「冒険したほうがいい」って言われて。それで僕にとっての冒険って何かなっていったら、今のこの童貞キャラを捨てるしかないと。そしたら自然と。
──いや、「自然と」って言われても(笑)。
まりこ え、どこでどうなったん?
ハジメ それは……内緒です。あはは(笑)。
まりこ はっきりさせときや。まあ、いきさつだけでも。
ハジメ まあ、じゃあ含みのある感じになるかもしれないですけど……渋谷で、ナンパしました!
まりこ えー! 知らん子を!? すごい冒険やな!
──すごい!
ハジメ そしたら変わりました、僕。多少。
──ナンパっていうのは、あのナンパ?
ハジメ ナンパです。ライブハウスとかじゃないです。音楽とか全く関係なくて。
まりこ 「何してんの?」って言って女子に声かけたってこと?
ハジメ そうです。
──それでつきあうことになったんですか? それともその日のうちに?
ハジメ その日のうちに。
まりこ 一夜のアバンチュール! すごい、マンガみたいな人やな、この人。
──その人とは今もつきあってるんですか?
ハジメ あ、全然つきあってないです。
まりこ 連絡先は?
ハジメ 連絡先は知らないです。
まりこ え、夢やったんちゃうん……。
ハジメ えへへ(笑)。だけど、そんな泥酔してるわけじゃなかったんで。
まりこ かわいかった?
ハジメ そうかも。
小銭 すげえなあ、冒険したなあ。
ハジメ やっぱり一歩踏み出すにはそこだなって思って。
プライベートが音楽に反映されるなら、もっといろんな経験をしていきたい
──で、童貞を捨てて、それで実際何か変わりました?
ハジメ 変わりましたね。
小銭 でも確かに変わったと思うわ。すごいしっかりしとる、最近。
まりこ うん、ちょっと優しくなった。
ハジメ その頃レコーディングでもフレーズ出なくてめちゃくちゃ悩んでたんですよ。でもそういうことになってから、なんとなくちゃんとやんないといけないなと思って。今年もいろいろしようと思ってます。
まりこ 何すんの? 今度は。
ハジメ いや、なんかもっとクラブ行ったりとか。
まりこ え、やりまくるってこと!?
ハジメ いやいやいや(笑)。
まりこ 童貞捨てた以降もやりまくってるってこと?
ハジメ そんなことはないです。そんなモテないんで、僕。
まりこ じゃあそれ以降はやってない?
ハジメ いやあ……。
──なくはないんですね(笑)。
ハジメ でもなんていうか、もっといろんなことをやってみようと思って。なんか後藤さんが常々言う、プライベートとか実生活が音楽に反映されるっていう話で、だったら練習したりとかもそうですけど、それ以外にもまだやってないことたくさんあるなと思って。
──童貞を捨てて、世界が開けた感じですね。
ハジメ うん、その、なんか童貞だからどうのこうのっていうのがなにせイヤだったんですよ。「ハジメくん童貞じゃなくなったら終わりでしょ」みたいな感じもあって。そこに対する悔しさもあったんですよね。そんなはずないと思って。
まりこ ボクの制服と一緒や。
ハジメ ミドリの鍵盤のやつは童貞でモテなくてギャーギャー騒いでて、っていうキャラをまずは捨てなきゃって。それにすがっちゃたらプレーヤーとして伸びないって思ったんですよね。
──童貞のキーボード、制服のボーカルっていうイメージを。
ハジメ そういうものを捨てたから、逆に音楽ダメになったらいかんっていう決意みたいなものも生まれたし。おかげでもっと自分に対してストイックになれて、個人的にはすごくよかったと思ってます。
ミドリ コメント映像
ミドリ
2003年7月に後藤まりこ(Vo,G)と小銭喜剛(Dr)を中心に、大阪で結成されたロックバンド。ジャズ的な要素を盛り込んだサウンドと、紅一点の後藤による観る者を釘付けにする強烈なパフォーマンスが、アンダーグラウンドシーンで話題となる。幾度かのメンバーチェンジを経て、2004年にハジメ(Key)が加入し、2005年に1stアルバム「ミドリ ファースト」をインディーズレーベルからリリース。2007年にはメジャーレーベルに移籍し、ミニアルバム&ライブDVDの2枚組作品「清水」を発表して注目を集める。2008年に新ベーシスト、岩見のとっつぁんが加入し、正式に4人編成となる。