ナタリー PowerPush - MiChi

ポジティブな愛を歌う「LOVE is.」e.p.

仕事と恋愛を両方スマートにできたら一番カッコいい

──プライベートなところを訊きますけど、MiChiさん自身もそうやって誰かに愛を与えてますか?

うん、なんでもそうだと思う。例えばお母さんとの誕生日には毎年、自分の友達とかも呼んで大きなパーティをしてます。

──MiChiさんの友達も呼んで?

そう、結構仲いいんですよ(笑)。

──素敵ですね。では、男女の関係においてはどう?

あのねえ、そこだけは本当に求めてしまうんですよ(笑)。

──あははは(笑)。そこは違うんだ。

そう。他の愛は与えることが大事ってわかってるけど、恋愛だけはダメ。彼氏彼女になった瞬間にもっとこうしてほしい、こうあってほしいとかって思っちゃう。そうじゃないなっていうのはわかってるんだけどね。

──恋愛だけは難しいですよね。見返りを求めずにいられたら、どれだけラクかなって(笑)。

そうだね。でも本当の愛って絶対そうだから。だって、お母さんに「誕生日あんなに祝ってあげたんだから何かちょうだいよ」とか言わないでしょ?

──言わない、言わない(笑)。

母親もさ、「ここまで20年育てたんだからお金ちょうだいよ」とか言わないでしょ(笑)。なのに、恋愛に関してだけは別にしちゃう。本当は一緒じゃんって思うんだけど。やっぱり好きな人だし、何かをしてあげたり優しくしてあげたら、向こうも絶対変わるから。相手じゃないんだよね、自分が変わらなきゃ。何事も自分次第だよね。

──じゃあ、今のMiChiさんはどんなモードなんですか?

今までは恋愛をしても、ちょっとでも仕事に支障が出そうだったらすぐサヨナラしてた。もう仕事が第一だったから。恋愛との両立はできないと思い込んでたし、そんな余裕もなかったの。

──それが今はどう変わりました?

今は音楽の仕事を2年やってきて、余裕ができたかはわからないけど、気持ち的にはまた行こうっていう感じで。なんだろう、何かを拒否するってことをやめた。

──なるほど。

だから、そういう男の子がいたとしても、いないとしても、今は両方できるじゃんっていう考えになってきてて。今まで難しくなったらシャットアウトしてたけど、そういうのも徐々に全部受け入れられる方向に行ってる気がするな。

──以前はそうやって自分のバランスが崩れるのが怖かった?

うん、そうだと思う。でもそれってすごく不器用だと思うし、カッコ良くないなって思った。両方スマートにできてたら、それが一番カッコいいんじゃないかなって。

2011年はすごくいい風が吹くような気がする

──それにしても、今回のシングルはアゲアゲのエレクトロあり、カバー曲ありと、4曲とも意欲的なナンバーが揃いましたね。

ありがとうございます。1stアルバムを出したあとの半年間は、チャレンジの時期でもあったんですよ。初めてサンプリングをしたり、コラボをしたり、人の歌詞で歌ってみたり。新しい自分を見つけようとか、これまでの自分を一回壊そうとかしてた時期だったんです。で、そのお祭りの時期みたいなのが終わって、今はまた改めて初心に戻ったっていうか、自分は間違ってなかったなっていう感じ。だから「LOVE is.」なんかは、最初のころのMiChiに近いと思うし、また行くぞっていう感じですね。

──全曲アップチューンなせいか、そのままつながってるみたいに聴けました。ミニアルバムみたいな1枚ですね。

全部アップの曲を選んだのは、やっぱり「行くぞ!」っていうところを出したくて。突っ走ろうっていう気持ちですね。

──じゃあ、今はそういうモードになれてるということで。

うん、やっとですね。落ちてた時期を乗り越えて、本気で前向きになれて、先が見えてきたっていう感じですね。

──じゃあ、その素敵なモチベーションのまま2011年を迎えられるといいですね。

そうね、来年はすごくいい風が吹くような気がする。でも、それは本当に今年があったからこそだと思うんだけど。今、新しいアルバムを制作中で、それが完成して自分が笑ってる顔が見えるんです。だから信じてる。そこは大丈夫っていうイメージができてます。

ニューシングル「LOVE is.」 / 2010年12月25日発売 / 1200円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2228

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CD収録曲
  1. LOVE is.
  2. YEAH YEAH YEAH!!!
  3. JUMP ON IT
  4. PRETTY FLY(FOR A WHITE GUY)
MiChi(みち)

1985年、イギリス生まれ。イギリス人の父と日本人の母を持つ。2歳から10歳までを神戸で過ごし、1995年、阪神・淡路大震災の後、再びイギリスに移住。10歳から18歳までの最も多感な時期をイギリス・バーミンガム近郊で暮らし、シンガーを夢見る。 18歳で再来日。プロデューサー松澤友和と出会い、東京で本格的な音楽活動をスタート。2008年10月「PROMiSE」でメジャーデビュー。2009年2月にリリースした2ndシングル「ChaNge the WoRLd」はドラマ「キイナ ~不可能犯罪捜査官~」主題歌に抜擢。ユニクロの世界キャンペーンキャラクターとしてCMに出演するなど幅広い活躍を見せる。2009年9月に待望の1stフルアルバム「UP TO YOU」をリリース。2010年にはスキャットマン・ジョンのサンプリングで話題を集めた「All about the Girls ~いいじゃんか Party People~/Together again」、the telephonesとのコラボによる「WoNdeR WomaN」といったシングルを発表している。