音楽ナタリー PowerPush - MELLOWSHiP

リスナーに変化与える“革命的”新作

2014年7月に1stフルアルバム「CREATE THE WORLD」をリリースし、ツアーやイベント出演などを経てバンドの確固たる土台を築き上げたMELLOWSHiP。そんな彼らがリスナーの日常に変化を与える“革命”を起こすべく新たなミニアルバム「Re:revolution」を完成させた。

このインタビューでは、$ENKIN(Vo, G, Programming)、Tatsuya(Dr)、tomoki(Vo, B)、Toshiki(G)のメンバー全員を迎え、今作のタイトルにある“革命”に込めた思いや、Dragon Ashへのリスペクトから生まれたというリード曲「Re:revolution」の制作背景、レコ発ツアーへの意気込みなどを語ってもらった。

取材・文 / 田中和宏 撮影 / 西槇太一

“創造した世界”で“革命”を起こす

MELLOWSHiP

──前作「CREATE THE WORLD」(2014年7月発表の1stアルバム)のテーマに「創造」、今回の「Re:revolution」には「革命」というテーマがあり、バンドが更なる高みを目指していることが今作のタイトルからも感じ取れました。

$ENKIN(Vo, G, Programming) 初めて世の中に出した自分たちの作品が「CREATE THE WORLD」だったので、「俺らはこういう音楽をやっていきたい」と周りの人に示す名刺代わりの1枚になりました。タイトル通り、自分たちの世界が作れたんじゃないかなと思います。

──そんな前作の発表後、ツアーやイベントで各地を巡り、今年1月にはONE OK ROCK、Yellowcard、Tonight Aliveの出演するライブイベントでオープニングアクトを務めるなど、大舞台も経験しました。

$ENKIN 前作のリリース直後からちゃんとブレずに前進できてるなって感じていました。自分たちの作った世界の中で遊んでくれる人とか、その世界に出入りする人は間違いなく増えたと思っているんで。その世界を膨らませていった結果、次に僕らが発信したいことを込めた「Re:revolution」につながって、間違いなく自信作と言えるものができました。

Dragon Ashへの多大なるリスペクト

──今作のタイトル曲の歌詞にはDragon Ashにまつわる言葉がたくさん出てきますね。

$ENKIN(Vo, G, Programming)

$ENKIN この曲を作るにあたって、「Re:revolution」ってタイトルが出てくる前に改めて自分たちの状況をずっと思い返してました。「なんで俺はこの4人でMELLOWSHiPとして音楽をやってるんだろう?」って。音楽の世界に飛び込んだっていうのはやっぱり自分の好きな音楽に影響されたからであって、その一番デカいルーツは間違いなくDragon Ashだったんです。だから僕がDragon Ashから影響されて音楽をやっているように、次はMELLOWSHiPからリスナーに変化を与えていきたいなって。

──しかし思い切った歌詞ですね。ほかのメンバーは「ここまで直球の歌詞を書いていいのか」って思いませんでしたか?

Tatsuya(Dr) いや、逆に潔いなって思いました。それが$ENKINらしいというか。俺らもその思いを受け止めて、いいものを作りたいなって気持ちでいます。

tomoki(Vo, B) Dragon Ashみたいに思いっきり「Viva! viva!」って叫んでるしな(笑)。

$ENKIN そこは正直迷ったけど、好きだから歌詞に取り入れるとしても中途半端にはしたくなかったんですね。リスペクトしてるからこその引用なんですけど、もし怒られたらそのときは謝ろうって思ってます(笑)。

こだわりのバンドサウンド

──ゲームのようないわゆるピコピコした音が今作にはけっこう入ってますけど、Dragon Ashの楽曲ではそこまでフィーチャーされてないですよね。

$ENKIN Dragon AshだとBOTS(DJ)さんが使ってることはありますけど、僕らのような使い方はしてないですね。僕らはDragon Ashに影響を受けてますけど、同じことをやっても同じ土俵には立てないので。「僕らだからできる」というオリジナリティを確立したいし、最新のミクスチャーバンドの形を見つけたくていろいろ取り入れています。

──確かにFear, and Loathing in Las Vegasや、初期FACTなどのピコリーモ系バンドの8bitサウンドとは使い方が違う印象があります。

Toshiki(G)

$ENKIN 打ち込みの音と生音はMELLOWSHiPオリジナルの混ぜ方をしたいと思ってるんで、日々研究してますね。リフがあって、そこにどんな打ち込みの音をあわせたらいい感じのノリになるかなとか。何が生きてくるのかは常に考えてますね。

──今作を聴いて、アンサンブルにこだわりを感じました。細かい話になりますが「You're waitin'」の最後、“ズン”というミュートバッキングの余韻とか。

tomoki あれはデモの段階だともう少し展開してから終わる予定だったけど、全部削ぎ落としてあの終わり方になった。Toshikiはけっこう“ズン”にこだわるよな(笑)。

Toshiki(G) 単なる“ズン”好きなんです(笑)。Slipknotとかヘビーでラウドなのが大好きです。

$ENKIN 特にToshikiはギターに関するこだわりが強くて、対バン相手とかでもギターの話が始まったらずーっと話してます。でも僕は歌に重きを置いてますし、ギターに関しては「音が鳴ったらええ」くらいのものだと思ってるんで、ほぼほぼToshikiに頼ってます。

──メンバーそれぞれの役割がバンドにしっかり反映されてるんですね。

tomoki(Vo, B)

$ENKIN そうですね。Tatsuyaはリズムの屋台骨であると同時に、ライブだと同期のコントロールをしてもらっています。tomokiはバンド全体の鳴りを考えてベースを弾いてるんで、ライブ前のリハではいつもローの鳴りとかサウンドバランスのチェックを任せてます。

tomoki ベースソロを弾いて目立つよりかは、バンド全体で音を鳴らしたときに存在感を出したいと思ってるんです。ソロももちろん弾くけど、ここぞというタイミングで入れるようにしてます。

Tatsuya どっしり構えててくれるからtomokiはバンドの総監督みたいな感じですよ。冷静に見てくれるから、出すぎることも引っ込みすぎたりもせずにバランスよくやってくれます。

$ENKIN たまに荒ぶってライブ中に叫んでるけどな(笑)。それを見て俺らもテンションがアガるっていう。

ミニアルバム「Re:revolution」/ 2015年4月22日発売 / 1890円 / PINEFIELDS RECORDINGS / PINE-0034
ミニアルバム「Re:revolution」
収録曲
  1. Introduction
  2. Re:revolution
  3. Layer Face
  4. You're waitin'
  5. Satisfied Days
  6. TIME PARADOX
  7. hometown
  8. Tomorrow
MELLOWSHiP(メロウシップ)

MELLOWSHiP

$ENKIN(Vo, G, Programming)、Tatsuya(Dr)、tomoki(Vo, B)、Toshiki(G)からなるミクスチャーバンド。2012年10月に結成し、ロック、ポップ、パンク、EDM、ラウドなど多彩なジャンルをあわせたサウンドを武器に活動の幅を広げている。2014年7月に1stフルアルバム「CREATE THE WORLD」をリリース。その後およそ30公演におよぶ全国ツアーを開催し、各地で盛況を収める。2015年1月にONE OK ROCK、Yellowcard、Tonight Aliveが出演したライブイベント「AP Japan x Tokyo Loud presents "Ten Hundred Miles Tour 2015"」の大阪公演でオープニングアクトを務めた。同年4月にミニアルバム「Re:revolution」をリリースし、5月より全22公演のレコ発ツアー「Re:revolution TOUR 2015」を実施する。