ナタリー PowerPush - MAGIC PARTY
エッジの効いた本心剥き出し 名刺代わりの移籍第1弾シングル
恋愛を数学で表した「=~イコール~」
──「=~イコール~」というバラードも収録されていています。
本田 これは1年以上前に作った曲なんですけど、すごく大きな展開の多いバラードになりましたね。エレクトロの要素の入ったバラードを作りたいっていうところからスタートして、間奏ではTHE BEATLESの「Hey Jude」を意識してます。
──遠距離恋愛を想起させるラブソングですよね。
AIRI 過去の実体験を、そのまま書きました。ちょっと恥ずかしくもあるんですけど(笑)、でも同じような体験をしている人に共感してもらいたいなと思って。自分としては恋愛というものを数学で表したところがこだわりですね。“=”という記号には「あなた=私」とか、2人の架け橋とか、漢数字のイメージから“2人”をイメージしていたりとか、いろんな意味を込めてみました。
本田 最初は実体験って知らなかったんですけど、それを知ってからちょっと見る目が変わったというか(笑)、けっこういろいろ考えてるんやなぁって。僕の中では、どっちかっていうと「わがままJOYガール」のイメージが強いんで。
AIRI アハハハハ。元気なとこしか見せてなかったりするんでね。でも考えてますよ、一応(笑)。
──実体験という部分で、レコーディングの際に感情が高ぶる瞬間はありました?
AIRI あ、でも自分の曲で初めて泣いたのはこの曲ですね。やっぱりいろんなことを思い出して、気持ちが高ぶっちゃって。ライブで歌ってるときにも、ライトに照らされた向こう側に過去の自分が見えてウルッときちゃうときもあります。
──なるほど。そんなときには「わがままJOYガール」をすぐさま聴かないと。
AIRI そうそう。過去にこだわらず、今を素直に愛せれば大丈夫って思わないと、ですよね(笑)。
──この曲もライブではやってるんですね。
AIRI もうおなじみですね。
本田 曲ができた段階からAIRIはライブでやりたい、早く音源にしたいってずっと言ってましたからね。それぐらいお気に入りの曲です。
AIRI やっとCDという形にできたんで、すごくうれしいですね。
名刺のようなシングルになったと思う
──そして、シングルではおなじみのリミックスも収録されています。「今夜はMAGIC BOX」を片平実(Getting Better)さんが大胆に生まれ変わらせています。
本田 聴いた瞬間に素晴らしいなと興奮しましたね。今回は初めて、自分のベースサウンドがそのまま使われてたので、ちょっとうれしかったです。
AIRI ハモりで歌ってたはずの声が主メロみたいに使われてたりとか、ギターリフが突然切れてたりとか、いい意味で裏切られた感じですね。「こう来たか!」みたいな。リミックスは毎回、自分たちの曲がどう変わるかが本当に楽しみなんです。
──この盛りだくさんなシングルがいよいよリリースされたわけですが、今の心境は?
AIRI 「これがMAGIC PARTYです!」って堂々と出せる名刺のようなシングルになったと思うんですよ。もう本心剥き出しな感じというか(笑)。なので、これからもっともっと殻を破って、MAGIC PARTYのエッジの効いた部分をより知っていただきたいなって思ってます。
本田 あとは、ワンマンライブで東名阪や全国を廻れるくらいになりたいなって思ってます。今、ライブをかなり力入れてやってるので、1人でも多くの人に、生でMAGIC PARTYの楽曲を聴いてもらいたいです。
MAGIC PARTY(まじっくぱーてぃー)
AIRI(Vo)と本田光史郎(B、Compose)の2人からなるポップユニット。2008年春結成。ライブハウスを中心に活動をスタートさせ、2009年9月にインディーズから初音源「エリナリ」を発表。11月にリリースしたメジャー1stシングル「Believe in Paradise」はドラマ「深夜食堂」主題歌に抜擢され話題を集める。12月2日には風味堂の渡和久をフィーチャーした2ndシングル「奇跡の夜」をリリース。60~70年代のサイケデリックロックをベースにさまざまなジャンルの音楽を取り入れた最新型のサウンドは、AIRIが手がける歌詞の世界ともあいまって、独自の魅力を作り出している。